AI処理記録の検証可能性を扱うメタフレームワーク「VAP」、関連するIETF Internet-Draft 5本が有効状態にあることを確認
SCITTアーキテクチャのRFC 9943発行を受け、金融領域プロトコル「VCP」の参照を正式RFCへ更新
VeritasChain株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:上村十勝、法人番号9011001174443)が運営基盤を提供するVeritasChain Standards Organization(VSO)は、AI処理記録を事後に監査可能・帰属可能にするメタフレームワーク「VAP(Verifiable AI Provenance Framework)」およびその領域プロファイルに関するIETF Internet-Draft 5本が、2026年8月20日時点でIETF Datatracker上で有効な状態にあることを確認しました。
あわせて、2026年6月にIETFから発行されたRFC 9943(SCITTアーキテクチャ)およびRFC 9942(COSE Receipts)を受け、金融・アルゴリズム取引領域を対象とするVCP(VeritasChain Protocol)の規範参照を、作業中のInternet-Draftから発行済みRFCへ更新する方針を確定しました。
本発表に記載する事実は、いずれも第三者が公開レジストリ上で独立に検証可能なものに限定しています。本発表には、実装導入・採用・認定に関する主張は一切含まれていません。
- 有効状態にあるInternet-Draft 5本
以下はIETF Datatracker上の実測値です(2026年8月20日確認)。
(1) draft-kamimura-vap-framework-01
Verifiable AI Provenance Framework (VAP): An Architectural Framework for Evidentiary-Grade AI Decision Trails
提出日 2026年7月21日/35ページ/失効予定 2027年1月22日
(2) draft-kamimura-scitt-vcp-03
A SCITT Profile for Verifiable Audit Trails in Algorithmic Trading: The VeritasChain Protocol (VCP)
提出日 2026年7月21日/26ページ/失効予定 2027年1月22日
(3) draft-kamimura-rats-behavioral-evidence-02
On the Relationship Between Remote Attestation and Behavioral Evidence Recording
提出日 2026年7月21日/17ページ/失効予定 2027年1月22日
(4) draft-kamimura-scitt-refusal-events-03
Verifiable AI Refusal Events using SCITT
提出日 2026年8月2日/21ページ/失効予定 2027年2月3日
(5) draft-vso-cpp-core-03
Content Provenance Profile (CPP) Core
提出日 2026年8月2日/48ページ/失効予定 2027年2月3日
5本はいずれも個人提出(individual submission)です。IETFのワーキンググループに採択されたものではなく、IETFによって承認・支持されたものでもなく、IETF標準化プロセス上の公式な地位を持ちません。またInternet-Draftは最長6か月間有効な作業文書であり、いつでも他の文書によって更新・置換・廃止されうるものです。「IETF標準」「RFC準拠認定」といった位置づけではありません。
各文書は下記URLパターンで誰でも直接確認できます。
https://datatracker.ietf.org/doc/<draft-name>/
- RFC 9943 / RFC 9942 の発行と参照更新
IETFは2026年6月、以下2本のRFCを発行しました。
RFC 9943
An Architecture for Trustworthy and Transparent Digital Supply Chains
Standards Track/著者 H. Birkholz, A. Delignat-Lavaud, C. Fournet, Y. Deshpande, S. Lasker
RFC 9942
CBOR Object Signing and Encryption (COSE) Receipts
Standards Track/著者 O. Steele, H. Birkholz, A. Delignat-Lavaud, C. Fournet
VCPは当初、SCITTアーキテクチャのInternet-Draft(draft-ietf-scitt-architecture)を参照して設計されていました。RFC 9943の発行により、VCPは「発行済みRFCのプロファイルとして設計されたもの」と記述できる状態になります。VAP仕様v1.2およびVCP仕様v1.2の該当参照は、RFC 9943およびRFC 9942へ差し替えます。
RATSアーキテクチャ(RFC 9334、2023年1月)とあわせ、VAPが接続する2つの上流基盤——署名済みステートメントの透明性(SCITT)と、環境の遠隔検証(RATS)——はいずれも発行済みRFCとなりました。
なお、これは「VCPがRFCに準拠していると認定された」ことを意味しません。参照先が作業中文書から発行済み文書に変わったという、文書上の事実です。
- VAPが扱う技術課題
AI処理記録の証拠性をめぐる議論は、多くの場合「記録が改ざんされていないか」に集中します。VAPが中心に据えるのは、その手前にある別の問題です。すなわち、記録が改変されたのではなく最初から作られなかった場合、その不在をどう検出するか、という問題です。
ハッシュ連鎖やMerkle包含証明は、登録された記録の改ざん耐性(tamper-evidence)を扱います。しかし、提出されなかったイベントは、そもそも登録された集合に現れません。行われなかった警告、記録されなかった却下、通らなかった承認——こうした非イベントは、既存の透明性機構の下では痕跡を残しません。VSOはこれをdenial-symmetry(否認の対称性)の問題と呼んでいます。
VAPはこれに対し、Completeness Invariant(INT-008)を規定しています。期待されるイベント集合を事前に宣言させ、宣言された集合と実際に提出された集合の差分を構造的に検出可能にする仕組みです。あわせて、欠落データを3層に分類しています。
Tier 1:そもそも計測されなかった(恒久的に復元不能)
Tier 2:計測されたがアンカー前に失われた
Tier 3:アンカーされた後に省略された(INT-008で検出可能)
VAPが検出可能性を主張するのはTier 3のみです。Tier 1——観測境界の外側で起きた事象——は、設計上、恒久的に復元できません。この制約は隠されるべきものではなく、明示されるべきものだとVSOは考えています。
- VAPが行わないこと
VAPは事後の証拠基盤です。以下はいずれもVAPの機能ではありません。
・AIの誤動作・逸脱・侵害を防止すること
・実行中のAIの動作を遮断・介入・停止すること
・リアルタイムでの検出や封じ込め
・記録された判断の正しさ・公正さ・安全性を保証すること
・法規制への適合を保証すること
VAPが扱うのは、記録の完全性(アンカー粒度における)、記録の帰属可能性、および記録の改ざん検知可能性のみです。VAPは証拠を生成します。その証拠を評価するのは、権限を持つ当局および裁判所です。
- 開発段階に関する開示
本発表時点において、以下の事実を明示的に開示します。
・VSOに報告された外部実装は存在しません(ゼロ件)
・有償顧客は存在しません(ゼロ件)
・いかなる法的手続においても、VAPのEvidence Packが受理された実績はありません(ゼロ件)
VAPおよびその領域プロファイルは仕様策定段階にあります。本発表は、仕様文書が公開レジストリ上に存在するという事実の告知であり、市場における採用状況の告知ではありません。
- VAP v1.2 §1.6 非保証条項(逐語)
VAP and its domain profiles define mechanisms for producing cryptographically verifiable evidence of AI system decisions. Conformance to VAP or any profile: (a) does not constitute compliance with the EU AI Act, GDPR, MiFID II/III, CAT Rule 613, NIS2, FDA SaMD guidance, or any other law or regulation; (b) does not constitute a legal determination that any technical mechanism (including crypto-shredding) satisfies a specific legal obligation; (c) does not warrant the correctness, fairness, or safety of the underlying AI decisions — only the integrity, completeness (at anchor granularity), and attributability of their records. VAP generates evidence; competent authorities and courts evaluate it.
(参考訳)VAPおよびその領域プロファイルは、AIシステムの判断について暗号学的に検証可能な証拠を生成する機構を定義するものである。VAPまたはいずれかのプロファイルへの適合は、(a) EU AI法、GDPR、MiFID II/III、CAT Rule 613、NIS2、FDA SaMDガイダンスその他いかなる法令への適合をも構成しない。(b) いかなる技術的機構(crypto-shreddingを含む)が特定の法的義務を充足するという法的判断を構成しない。(c) 基礎となるAI判断の正しさ・公正さ・安全性を保証しない——保証するのは、それらの記録の完全性(アンカー粒度における)、および帰属可能性のみである。VAPは証拠を生成する。それを評価するのは権限ある当局および裁判所である。
- 本発表内容の検証方法
本発表に記載した事実は、以下の公開一次情報で独立に検証できます。
Internet-Draft 5本の状態・版数・ページ数・失効日
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-kamimura-vap-framework/
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-kamimura-scitt-vcp/
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-kamimura-rats-behavioral-evidence/
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-kamimura-scitt-refusal-events/
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-vso-cpp-core/
RFC 9943 / RFC 9942 / RFC 9334
https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc9943.txt
https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc9942.txt
https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc9334.txt
VAP仕様・領域プロファイル一覧・コード例
https://vap.veritaschain.org/
- 注記
(1)IETF上の地位について
本発表に記載したInternet-Draft 5本は、いずれもIETF非公認の個人提出文書であり、IETF標準化プロセス上の公式な地位を持ちません。「IETFで審議中」「IETFに採択された」といった表現は事実に反します。
(2)CPPの名称表記の不統一について
CPPプロファイルの名称は、Internet-Draft上の登録タイトル(Content Provenance Profile)とVSO公開資料上の表記(Capture Provenance Profile)の間に差異があります。これはVSO内部で表記統一の裁定が進行中であることによるもので、次回改訂時に統一します。本発表では、検証可能な事実としてDatatracker上の登録タイトルをそのまま記載しています。
(3)用語について
VAPはメタフレームワークであり、プロトコルではありません。「Protocol」の呼称はVCP(VeritasChain Protocol)にのみ用いられ、CAP・CPP・MAP・DAP・OAP等はいずれもプロファイル(Profile)です。またVSOは記録の改ざん耐性を「tamper-evident(改ざん検知可能)」と表現し、「tamper-proof(改ざん不能)」という表現は用いません。
VAPおよびVSOについて
VAP(Verifiable AI Provenance Framework)は、AI処理の記録を事後に監査可能かつ帰属可能にするためのメタフレームワークです。SHA-256によるハッシュ連鎖(PrevHash)、Merkle包含証明、Ed25519署名、RFC 3161による外部タイムスタンプを用い、記録の改ざん検知可能性、アンカー粒度における完全性、および帰属可能性を扱います。ブロックチェーンを基盤とするものではありません。
領域プロファイルとして、VCP(金融・アルゴリズム取引)、CAP(コンテンツ/クリエイティブAI)、CPP(キャプチャ来歴)、MAP(医療AI)、DAP/VAP-AGENT(委任アクセス来歴)、OAP(観測アーティファクト来歴)等が策定されています。
VeritasChain Standards Organization(VSO)は、VeritasChain株式会社が運営基盤を提供する標準化団体です。仕様は公開され、変更は文書化された変更提案(CHANGE-NNN)および査読処理記録(RD-NNN)によって管理されます。承認は版数ではなくSHA-256ダイジェストに紐づけられ、どの文書のどの状態が承認されたかを事後に特定できる形で記録されます。VSOの中立性は法人形態によってではなく、この手続の公開性と検証可能性によって担保されます。
設立理念は「アルゴリズム時代の信頼をコード化する」——評判に基づく信頼から、暗号学的に検証可能な記録への移行です。
会社概要
会社名 VeritasChain株式会社
法人番号 9011001174443
D-U-N-S 698368529
設立 2025年11月
代表者 代表取締役 上村 十勝(Kamimura Tokachi)
所在地 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2丁目4番8号
URL https://veritaschain.org/
https://veritaschain.org/company/ja/
VAP https://vap.veritaschain.org/
GitHub https://github.com/veritaschain
本件に関するお問い合わせ
VeritasChain株式会社 広報担当
Email: info@veritaschain.org
取材にあたっては、本発表に記載した検証URLをそのままご利用ください。記載事実に相違が確認された場合は、訂正して公表します。
VeritasChain Standards Organization — "Verify, Don't Trust"
以上
















