【千葉科学大学】 駐日ウクライナ特命全権大使特別講義開催報告

    6学科全てからの熱のこもった質疑応答 大使からは感謝と感動の言葉

    その他
    2023年2月14日 10:00

    令和5年2月10日
    千葉科学大学
    入試広報部
    駐日ウクライナ大使特別講義開催報告の件

    事後プレスリリース 20230210001

    1 次第
    日時 令和5年2月9日木曜日13時30分より15時10分
     場所 千葉科学大学マリーナキャンパス 6201号室
     態様 本学特別講義
     対象 千葉科学大学学生・ 来賓・ 一般申し込み者含め211名(取材者・スタッフ除く)
     特記 衆議院議員(外務副大臣) 武井俊輔氏よりメッセージが届けられた。

    2 講演者

    コルスンスキー・ セルギー
    駐日ウクライナ特命全権大使
    (H. E. Dr. Sergiy KORSUNSKY, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Ukraine to Japan)

    Dr. セルギー・コルスンスキーは、1962年8月10日にウクライナのキエフで生まれ、1984年にキエフ国立大学を卒業しました。
    2020年4月14日、大統領令No.142/ 2020により、駐日ウクライナ特命全権大使に任命されました。
    コルスンスキー大使の過去の役職は次のとおりです。
    ウクライナ外交アカデミーのディレクター(2017-2020)
    在トルコ共和国ウクライナ特命全権大使(2008-2016)
    ウクライナ外務省経済局長(2006-2008)
    在米国ウクライナ大使館の参事官、公使参事官、大使臨時代理(2000-2005)
    ウクライナ外務省経済協力局副局長(1999-2000)
    在イスラエル国ウクライナ大使館の経済参事官(1995-1998)
    ウクライナ科学技術委員会R&Dプログラム局長(1991-1994)
    コルスンスキー大使は、エネルギー、貿易および投資政策、エネルギー安全保障、地域安全保障、科学技術を含む戦略的計画および開発に関する幅広い専門的経験を持っており、地政学的問題の著名な専門家です。
    320を超える学術論文および7冊の著書を含むその他出版物の著者。著書には"Nonlinear waves in dispersive and dissipative systems with coupled fields" (Addison, Wesley. Longman, 1997)、「米国における技術移転」(キエフ、2005)、「エネルギー外交」(キエフ、2008)、「変革の時代における外交政策」(ハルキウ、2020)などがあります。
    特命全権大使の外交官の階級を保持しています。 また、1991年に応用数学の理学博士号を取得しました。ウクライナ大統領及び政府からいくつかの賞を受賞しています。
    (在日ウクライナ大使館ホームページより
    https://japan.mfa.gov.ua/ja/governance/korsunsky-sergiy)

    (通訳:ユリヤ・ザモルスカ 二等書記官(Ms. Yuliya ZAMORSKA, Second Secretary, Embassy of Ukraine in Japan)

    3 本学撮影の写真提供およびリリースについての問い合わせ先

    千葉科学大学 入試広報部
    担当 宇田川敬介
    090-1899-2238 k-udagawa@cis.ac.jp(宇田川)
    出来ればメールにてお願いいたします。

    4 添付(本学学長コメントに代えて)

    「駐日ウクライナ特命全権大使を招いての特別講義の意義」 
    千葉科学大学 学長 東祥三

     <次ページより>

    駐日ウクライナ特命全権大使を招いての特別講義の意義
    千葉科学大学 学長 東祥三

    今度、千葉科学大学にいて危機管理を学ぶ学生(危機管理学部のみならず、看護学部、薬学部もそれぞれの専門の分野だけでなく危機管理の基礎を学んでいる)を対象に駐日ウクライナ特命全権大使に特別講義をしていただくことになりました。

    ロシアによるウクライナへの突然の軍事侵攻からもうすぐ一年が経ちます。しかしながら誰しもが願う戦争終結が、いつ訪れるのか、誰にもわかりません。

    こういう緊迫した状況下でウクライナ政府・国民を代表してセルギー・コスルンスキー大使が特別講義をしていただいた意義はこれから社会の様々な領域で活躍する学生たちに測り知れない「本物の学び」の機会を与えてくださっていることに尽きると思います。そのうえであえて具体的に申し上げれば、①日本で初めて創設された実践的な危機管理の人材育成を目標とする千葉科学大学で、危機管理の究極の課題の一つである、戦争、それも過去ではなくいま現実に起こっている戦争の惨状を②戦時下にとどまり、想像を絶する苦難の生活を強いられている人々の実情とそして③世界を壊滅させる核兵器を持つロシアの侵略に真正面から立ち向かう兵士について、直接大使からお話しいただけることは、聞かせていただく学生のみならず、私たちにとって、今後の人生を変えるかもしれない貴重な経験になると私は確信しております。

    さてこの場をお借りして、一人の日本人として、私はこのウクライナ戦争の何を見ているのかということを表明しておきたいと思います。

    これまで日本の外交・安全保障政策について学び、考え続けていることに次の事を思います。すなわち、国際社会の中には戦争や武力や威嚇で目標を遂げようとしない、つまり戦争回避という意味での平和を最大の目的としている国々がある。そしてそれらの国々は、ある限定された軍事力を保有しているが、他国からそれも強大な軍事力や核兵器を保有する国(ならず者国家と呼ぼう)あるいは、それに与するグループから軍事侵略された場合、実際はわからないが、論理的にいずれ対抗し反撃することができなくなるだろう。しかし、国際社会の他の国からの支持を受け、軍事的支援を含む様々の協力を獲得することができれば、反撃を続行することは可能になるだろう。ここで注意しなければならないのは、攻撃される国の最大の目的である平和を犠牲にして、降伏するのではなく、反撃するというその国の持つ絶対に曲げられない原則が隠されていることを見落としてはならない。ここで言う原則とは、別の言葉で言えば、他国からの支援、協力を得られる要因、要件である。その詳細な分析は専門家に任せたい。

    そこで話をウクライナに戻したい。

    私が着目していることは、なぜこれまでウクライナが多くの国々から支持と支援を集めることができたのかということであります。私の視点は、ウクライナの一般国民の反応と行動であります。とりわけ注目していることは、戦下の人々、特に一般の婦女子や高齢者をより安全な地域及び近隣祖国へ避難させ、その確認後、男性たちは祖国防衛のため、再び戦時下に戻るという行動です。この行動はSNSなどを通じて世界に発信されました。それはゼレンスキー大統領を筆頭に政府要人、軍人だけではなく、自ら必死で侵略に対して戦うという一般国民の姿勢であります。

    そのうえで、私がウクライナ大使に率直に次の事をお聞きしたいと思っている。この一般国民の行動は、①一般国民自身の自発的行動なのか?それとも政府権力の強制があったのか?②もし前者であれば、日頃から現在の事態を想定したなんらかの訓練や教育があったのか?③もしそのような訓練・教育があったとすれば、どういう風に行われたのか?④もしなかったとすれば、何がそのようにさせたのか?⑤ウクライナ国民の国家政府に対する信頼はどういう風に醸成されたのか?

    今日本は、昨年12月に日本の安全保障戦略などの「安全保障3文書」が閣議決定されました。この文書が採択されることになれば、日本の安全保障政策においては画期的なことであります。また、故安倍首相の政権時代、日本有事の時に力添えをしてくれる同盟国が攻撃された場合そこに自衛権を発動することは、これまで権利としては認められているが行使は否定されていました。つまり、自国のためにのみ戦い、他国のためには戦わないという集団的自衛権の否定に一部の修正が行われました。しかし、安全保障に関する法律が、国民の国家に対する信頼が存在しなければ、日本の安全保障政策は機能不全に終わるだろう、と、危機感を覚えております。

    最後になりますが、コルスンスキー大使に心から感謝申し上げたい。貴重な時間を割いて、わざわざ銚子にまで来てくださり、ますます不確実な時代になりつつある今日、大使の特別講義を聞いた学生たちが何かを文字通り学び、感じ、それを血肉化して確固とした人生観の確立の一助になることを期待します。

    特別講義をするセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使
    特別講義をするセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使
    熱心に聞く満員の観衆
    熱心に聞く満員の観衆
    学長より目録の贈呈
    学長より目録の贈呈
    質問者・関係者と一緒に記念撮影
    質問者・関係者と一緒に記念撮影
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