GfK Japan調べ:2011年上半期 Optics市場総括

 ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、2011年上半期(1-6月)のメガネ(フレーム、レンズ)市場(※1)、コンタクトレンズ市場(※2)の販売動向について発表した。

図1:眼鏡チェーン店メガネ市場 金額前年比増減
図1:眼鏡チェーン店メガネ市場 金額前年比増減

【概要】
・2011年上半期、眼鏡チェーン店におけるメガネ(フレーム、レンズ)市場の金額前年比は1.3%増となった。
・メガネフレームの素材別数量構成比ではセルフレームが43%へ拡大。
・単焦点非球面・両面非球面レンズ、累進屈折力レンズがメガネレンズ全体の平均価格下落を抑えた。
・コンタクトレンズ市場の前年同期比は、枚数0.6%増、金額4.6%減となった。


【メガネ全体】
 眼鏡小売販売金額の約73%を占める眼鏡専門チェーン店・3プライス店(以下、眼鏡チェーン店)におけるメガネ市場は、金額前年比1.3%増となった。
 月別金額前年比推移を見ると、年間でメガネの販売が多い新入学シーズンの3月は震災の影響もあり、前年比3.6%減と落ち込んだ(図1)。しかしながら、その反動からか4月は同1.9%増、5月は同0.8%増、6月は同6.3%増と堅調であった。

図1: 眼鏡チェーン店メガネ市場 金額前年比増減
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/22726/1_1.jpg


【メガネフレーム】
 2011年上半期の眼鏡チェーン店におけるメガネフレーム市場は、数量前年比0.4%増の621万本、金額前年比0.1%増の568億円となった。2010年下半期も数量ベースで前年を上回っており、市場は数量において下げ止まりを見せている。平均価格は9,142円と前年の水準を維持しており、金額ベースではほぼ前年並みとなった。
 フレーム価格帯別販売本数を見ると、数量構成比で市場の約5割を占める7,500円以下の低価格帯メガネフレームは、数量前年比3.5%増となった。一方30,000円以上の高価格帯メガネフレームも同3.1%増と伸張した。
 素材別の数量構成比では、セルフレームが43%を占め前年同期の36%から7%ポイント拡大した(図2)。
これは、眼鏡専門チェーン店、3プライス店の両チャネルにおいて、セルフレームの構成比が伸長したことが要因である。


図2: メガネフレーム 素材別数量構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/22726/2_2.jpg


【メガネレンズ】
 眼鏡チェーン店におけるメガネレンズ市場は、数量前年比2.1%増の1,513万枚、金額前年比2.1%増の816億円となり、数量、金額共に前年同期を上回った。
 主力セグメントであるプラスチック単焦点レンズでは、数量前年比1.9%増の1,202万枚、金額前年比3.1%増の453億円と高性能で薄い非球面・両面非球面レンズが平均価格の下落を抑え、市場を支えた。特に両面非球面レンズは57.9万枚と前年同期を42.1%と大きく上回った。また、プラスチック累進屈折力レンズは数量前年比6.9%増の262万枚、金額前年比3.5.%増の315億円と伸長した。
 2010年下半期以降、各メーカーは、高付加価値を謳った新商品を発売しており、消費者の目的に応じたレンズが今後の市場を支える基盤を構築しつつある。


【コンタクトレンズ】
 2011年上半期のコンタクトレンズ市場は、枚数前年比0.6%増の6億2,729万枚となった。1日使い捨てレンズが1.2%増と前年同期を上回ったものの、2週間交換レンズをはじめとする他の交換頻度及び従来レンズは前年を下回った。レンズ1枚当たりの価格は依然下落傾向が続いており、コンタクトレンズ市場全体では、前年同期の171円から162円へと、5.2%下落した。また、構成比の高い1日使い捨てレンズは前年同期比2.8%減の91円、2週間交換レンズは同1.6%減の509円となった。
これにより、コンタクトレンズ市場全体の金額は、前年比4.6%減の1,017億円となった。

 金額ベースで市場の約半分を占める1日使い捨てレンズにおいて、これまで成長著しかった3ヵ月パックの枚数構成比は30.5%と、2010年上半期の31.2%及び同下半期の29%からほぼ横ばいで推移した。このことから、今後も市場シェアの高い商品の3ヵ月パック投入がない限りは、この構成比は3割前後で推移すると予測される。1日使い捨てレンズの3ヵ月パックのレンズ1枚当たり価格は、前年同期比3.5%減の81円、また、1ヵ月パックも同2.6%減の94円であった。

 3月の東日本大震災がコンタクトレンズ市場に与えた影響を検証した。
 販売枚数ベース前年比を月次に見ていくと、2010年は年間を通して前年を上回って推移した(図3)。2011年1月、2月はその傾向が続き、それぞれ1.8%増、3.9%増であった。震災が発生した3月と、4月は、成長率が鈍化したが、それでもほぼ前年並みの販売枚数を維持した。(それぞれ0.4%増、0%増)。5月は、構成比の高い1日使い捨てレンズが前年割れに転じたため市場全体も2.7%減となったが、6月には回復し、0.7%増となった。
 自粛ムードに覆われていた日本で、不要不急の商材は買い控えられる傾向も見られたが、医療機器であるコンタクトレンズに関しては、そういった影響は限定的であったと言えよう。

図3: コンタクトレンズ市場 枚数前年比増減
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/22726/3_3.jpg


※1 メガネフレーム・レンズ販売動向:全国眼鏡専門チェーン店・3プライス店の店頭小売販売市場。
※2 コンタクトレンズ販売動向:全国コンタクトレンズ販売専門店・眼鏡店・眼科の店頭小売販売市場。


≪ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパンについて≫
 ジーエフケー・ライフスタイルトラッキング・ジャパン株式会社は、家電製品などの耐久消費財実売データ、その他総合マーケティングサービスを提供する調査会社、GfKグループの関連会社である。
 オプティックス製品、ゴルフ用品、映像ソフトウエア等の分野において、POSデータ・店舗監査データを基に推計した市場代表性の高いマーケットデータと関連サービスを提供している。

URL: http://www.gfkjpn.co.jp/

※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。

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