食品(肉類・野菜・液体類など)・水・土壌に含まれる 放射性セシウムを安価に短時間で計測する 高感度ガンマ線食品モニタ「SX-SPA」新発売
放射線管理業務の国内最大手のポニー工業株式会社(本社:大阪市中央区 代表取締役社長 横野 泰和)は、農作物・牛肉などの生産者や小売り・外食・食品メーカー各社及び、消費者等に広がる食品・水・土壌などの放射能測定需要に対し、スクリーニングレベルで簡易に素早く正確に測定する高感度ガンマ線食品モニタ「SX-SPA」(Thermo Fisher Scientific社製:本社米国マサチューセッツ州ウォルサム)を日本仕様にして10月1日より国内で発売開始します。
<高感度ガンマ線食品モニタ「SX-SPA」PDF>
http://ponyindustry.jp/contents/Food%20Monitor%20SX-SPA%20Catalog.pdf
<ポニー工業株式会社URL>
http://www.ponyindustry.co.jp
≪背景≫
放射線セシウムに汚染された稲わらを介した汚染牛肉問題を機に、消費者の間に拡大する食への不安を払拭するために、農作物・牛肉などの生産者や小売り・外食・食品メーカー各社は、厚生労働省が3月17日に通知した「放射能汚染された食品の取り扱いについて」の放射性セシウムの基準値を基準に、外部検査機関に放射能汚染検査を委託したり、自主的に独自で検査を行う動きが広がっています。
しかし、放射性セシウムを正確に測定するには、1,500~2,000万円相当の高価なゲルマニウム半導体検出器が必要とされ、機器購入費や検査委託費用が高く、仮に食肉牛の「前頭・全量検査」を行うとすれば、膨大なコストと検査時間が問題になっています。
そんな諸問題を解決するために、放射線のエキスパートでもあるポニー工業株式会社は、放射性ヨウ素や放射性セシウムが、放射線のガンマ線を出す性質を利用するNal(Tl)シンチレーター(※)を採用した新製品高感度ガンマ線食品モニタ「SX-SPA」を国内で販売開始します。
本器の価格はゲルマニウム半導体検出器の約10分の1の150万円(税別)で、単4乾電池(2本)で使用でき、場所とスペースを問わないため、現場での計測も可能とし、7月29日の厚生労働省事務連絡「牛肉中の放射線セシウムスクリーニング法」のスクリーニング基準も満たしており、同省が出した野菜・穀類・肉・魚等の放射性セシウム基準値(500Bq/kg)の有無を2~3分で計測します。
(※) NaI(Tl)シンチレーターとは、ヨウ化ナトリウム【NaI】の結晶(タリウム【Tl】含む)を使った検出器で、放射線が当たると微弱な光を発する現象(シンチレーション:短時間発光する現象)を利用した放射線測定器のことです。微量のタリウム【Tl】が混ぜることにより、強い反応を引き起こします。
≪高感度ガンマ線食品モニタ「SX-SPA」
(米国Thermo Fisher Scientific社製)の特徴≫
Thermo Fisher Scientific社(本社:米国マサチューセッツ州ウォルサム)は、米国を本拠地とする世界的な総合科学機器メーカーで、その放射線測定器は世界中の企業・大学・研究機関等で幅広く使用されており、日本国内では、ポニー工業が日本法人を通してほぼ独占的に販売しております。
●セシウム134【Cs-134】とセシウム137【Cs-137】に特化した放射能量を
Bq(ベクレル)表示(/g又は/kg及び/L換算可能)
セシウム137は30.1年の半減期で、セシウム134は2.0652年の半減期を持ち、数字が大きいほど重い物質で、放射線を出す期間に違いがあります。セシウム137は、土壌に吸着すると放射線の半減が約30年のため、深刻な影響を与えるとされています。また食品中のセシウムを摂取すると生殖腺や筋肉に蓄積され、体に悪影響を及ぼすと言われています。
Bq(ベクレル)は放射線を出す能力を表したもので、1秒間に1個の放射性核種が壊変される能力を示すものです。
●短時間計測可能 (計測時間1~3分を実現)
*測定地のバックグランドの状況によります。
●計測時間は、自由に設定可能 (スケーラモード搭載)
●ハンディなサーベイメータ感覚で操作が簡単
●食品モニタ全体で約300(W)×300(D)×450(H)mmの省スペースモデル
●組立・分解が簡単で、単4乾電池(2本)で使用できる為、あらゆる環境下で計測可能
●検出器は、2×2" NaI(Tl)シンチレーターを採用 (高感度計測)
●試料は、検出器に密着できる専用のマリネリ容器(1リットル)に収納できるため、正確な計測が可能
●検出器セットと鉛遮へい体は、堅牢な専用のキャリングケースに収納
●社団法人日本アイソトープ協会、性能評価基準・適応検査機器
≪補足≫
・JCSS登録事業者であるポニー工業は、当機器をはじめ、国内でのサポート及び定期校正が可能
・ポニー工業は、セシウム137標準体積線源を常時所有し、常に校正サービスが可能
JCSSとは、Japan Calibration Service System の略称で、日本における計量法に基づく国家計量標準(特定標準器等)へのトレーサビリティーが確保され、かつISO/IEC 17025に基づいたマネジメントシステム能力と技術的要件を満たす校正事業者への登録・認定事業を行っています。ここでの校正とは、計量法に基づく測定器が示す値と真の値の関係を求め、目盛の補正などを行うことで、国家標準で定められた標準器や、あらかじめ物理的量や化学的な純度などがわかっている標準試料を用いて行う作業です。
このJCSSで登録された校正事業者は、その証(あかし)として下記に示すような特別な標章の入った校正証明書を発行でき、ポニー工業の放射線計測センターは、放射線・放射能・中性子区分で、0264番の登録を受けています。
【標準構成品】
◎ 計測器 RadEyeSX 1台
◎ 検出器 SPA-3 1台
◎ 信号ケーブル (BNC-BNC)900mm 1本
◎ L字型BNC変換コネクタ(オス-メス) 1個
◎ 鉛遮へい体本体 1式
(スタンドアーム3本、スタンドベース1枚含む)
◎ マリネリ容器(1リットル) 2個
◎ 単4乾電池 4本
◎ 取扱説明書 1部
◎ 試験成績書 1部
◎ キャリングケース 2個
≪製品の仕様≫
<計測キット>
計測対象物 :食品(肉類・野菜・液体類など)、水、土壌等の放射能汚染モニタリング
適用場所 :ラボ(研究室)、汚染現場(緊急対応可)
装置モデル :食品モニタ SX-SPA
計測器 :RadEye SX (97×61mm×31mm 約0.16kg)
検出器 :SPA-3プローブ 2×2" NaI(Tl) 60keV~2MeV(φ67mm×283mm 約1.5kg)
計測線種 :ガンマ(γ)線(2 ROI)
試料容量 :1リットル(マリネリ容器使用)
検出限界 :約30Bq/リットル(鉛シールド有)
約60Bq/リットル(鉛シールド無)
条件:I-131、Cs-137、Cs-134 (60秒計測)
キャリングケース:420×490×240mm 約14kg(構成品収納時)
<鉛遮へい体>
材質・厚み :鉛(Pb) t=15mm
本体・重量 :約18kg(ベース部、カバー部)
キャリングケース:420×490×240mm 約25kg(構成品収納時)
≪主な用途≫
食品(肉類・野菜・液体類)や飲料水、農地の土壌などの放射性セシウム量計測
■発売日 :2011年10月1日(予定)
■価格 :150万円(税別)
■販売先 :農作物・牛肉などの生産者、国内小売・流通企業、
外食企業、食品メーカー、地方自治体、各種研究施設
■販売目標:年間500台予定
●会社概要
ポニー工業は、非破壊検査株式会社の放射線防護研究部及び販売部から独立し、原子力発電所、研究所等の放射線管理区域への入域に際し、安全教育・入域手続・管理手帳の作成・被ばく管理記録の作成等を行っています。
また、作業管理として放射線測定、汚染検査、放射線分析等の放射線管理、放射線測定器の校正業務、放射線業務従事者の個人被ばく測定サービスなどを実施、さらに放射線同位元素の販売、放射線照射室、RI実験室、RI貯蔵室等の建屋・設備の設計から施工まで行っています。
国の文部科学省に対する許可申請に関するコンサルタント業務、管理区域で使用する防護材料・消耗品も取扱など、まさに放射線管理業務において国内最大手です。
この度の東日本大震災後でも放射線測定器需要に対応するべく、緊急体制を引き、即座に福島県や東京電力に個人線量計を5,000台納入し、各方面よりお引き合い頂いています各種の放射線測定器の販売、メンテナンスやアフターサポートも行い、他のメーカーの測定器の校正業務までも請負っています。
商号 : ポニー工業株式会社
代表者: 代表取締役社長 横野 泰和 (よこの よしかず)
設立 : 昭和40年4月21日
資本金: 2,500万円
本社 : 〒541-0057 大阪市中央区北久宝寺町2-3-6
: TEL 06-6262-2451 / FAX 06-6261-2009
URL : http://www.ponyindustry.co.jp
●業務内容
<放射線関連業務>
・放射線管理業務・放射線測定器校正・個人被ばく線量測定サービス
・コンサルテーション・放射線源取り扱い
<検査・計測装置の販売>
・非破壊検査装置・検査計測装置・放射線計測装置・各種検査装置
・計測装置の輸入代理店
<開発・製造>
・フラットパネル型X線デジタルカメラ・X線透過装置・ガンマ線照射装置
・画像解析ソフトPIA-Soft 等
<エンジニアリング>
・自動検査システム開発・航空機自動検査装置
・タービン検査システム(超音波、放射線、渦流探傷等)