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    「大腸劣化」対策委員会

    新しい生活様式で迎える初めての冬に備える免疫力強化法を、 専門家が解説

    2度の手術で免疫力に不安を抱えるLiLiCoさんの不安も解消!

    イベント
    2020年9月18日 16:00

    「大腸劣化」対策委員会は2020年9月17日(木)に、「新しい生活様式で迎える初めての冬に備える免疫力強化法」オンラインセミナーを開催いたしました。

    (左)石原 新菜先生と(右)LiLiCoさん



    「大腸劣化」対策委員会は、現代日本人の健康を脅かしている「大腸劣化」の認知を広げ、対策意識を高めていくことを目的として、2019年7月23日(火)に発足し、大腸に関する医療・学術専門家の知識を集結して大腸の働き・大腸劣化が起きる要因から、改善策までの幅広い情報を発信しています。


    2020年、私たちの生活環境は大きく変化しウイルス対策への意識は非常に高くなっていますが、秋から冬にかけては様々なウイルスの感染率が高くなる季節でもあり、さらに今年は新しい生活様式の中で迎える初めての冬ということで、どんな感染対策をしていても安心とは言えない状況です。そこで「大腸劣化」対策委員会では、免疫や腸内細菌の専門家、タレントのLiLiCoさんをゲストにお招きし、免疫力の強化に役立つ情報を紹介いたしました。



    <基調講演内容>

    『免疫力の強化に欠かせない強い“IgA”を作るためには?』

    新藏 礼子(しんくら れいこ)先生

    東京大学 定量生命科学研究所 免疫・感染制御研究分野 教授


     基調講演では、新藏 礼子教授にご登壇いただき、『免疫力の強化に欠かせない強い“IgA”を作るためには?』をテーマにご講演いただきました。

    新藏 礼子先生


    ~ご講演のポイント~

     冬を迎えるにあたって細菌や感染症対策として注目してほしいのは、粘膜の免疫です。免疫には前衛隊である自然免疫と後衛隊である獲得免疫の2種類があります。自然免疫は生まれながらに持つ免疫のことであり、外敵が入ってきた際に、素早くそれを感知してやっつけてくれます。さらに重要な働きとして、獲得免疫にやっつけた外敵の情報を伝えてくれます。獲得免疫とは、生まれたときには未熟ですが、外からの刺激を受けることで発達する防衛機構で、抗体などが含まれます。


     IgAとは、体内で最も多く産生される抗体で、様々な異物に対応することができます。IgAは免疫細胞の多い腸内に多く存在し、非特異的にウイルスや細菌を排除したり、腸内細菌を制御したりして、外敵から守ってくれます。しかし、質の良くないIgAでは外敵への反応性が低下し、腸内細菌に対しても、いい菌と悪い菌の識別ができず、腸内環境の悪化を招いてしまいます。IgAは加齢によって質が低下することが分かっており、高齢者の免疫力が低下する一因と考えられています。ですので、質の良いIgAを沢山作ることが重要です。


     IgA産生量増加には、「短鎖脂肪酸」の働きが重要であることが、近年の研究からわかってきました。「短鎖脂肪酸」とは、ビフィズス菌などの善玉菌が水溶性食物繊維などをエサに大腸内で作る代謝物のことです。

     強いIgAを作り出すためには、伝統的な発酵食品やホールフード、善玉菌のエサとなる食物繊維、「短鎖脂肪酸」を産み出すことのわかっているビフィズス菌などを取り入れることのできるバランスの良い食事を摂取することです。


    <特別講演内容>

    『長寿と腸内環境の関係』

    森田 英利(もりた ひでとし)先生

    岡山大学大学院 環境生命科学研究所 教授


     特別講演では、森田 英利教授にご登壇いただき、『長寿と腸内環境の関係』をテーマにご講演いただきました。

    森田 英利先生


    ~ご講演のポイント~

     通常、免疫は老化によって衰えます。例えば、日本における肺炎の死者の97%が65歳以上の高齢者です。また、SARS患者の致死率も若年層は低いが、65歳を超えると50%以上が亡くなってしまったという報告があります。加齢による免疫の低下は、新藏先生からもご説明のあったIgAとの関係や、加齢による腸内環境の変化に関係しています。

     一方で、ある研究では、超長寿の感染症に関するHLA遺伝子(Human Leukocyte Antibody=ヒト白血球抗原)には、感染症への抵抗性を示すDR1※が多く、感染症に罹患しやすくなるDR9※が少ないという特徴があることや、強力な殺傷能力を持ち病原体やウイルスに感染した細胞を攻撃して破壊するキラーT細胞が多いといった特徴が明らかになっています。


     超長寿と腸内環境の関係を知るため、長寿で有名な奄美諸島で調査を行いました。その結果、奄美諸島の長寿者の腸内細菌には、全国平均と比較してビフィズス菌・アッカーマンシア属・メタノブレビバクター属が多く、多様性に富んでいることが分かりました。また、寝たきりなど、健康状態が悪化するとビフィズス菌などが減少することも判明しました。


     奄美諸島の伝統食を調べると、善玉菌の多い発酵食品と菌のエサとなる水溶性食物繊維を組み合わせた食が多く、これらの食事が長寿の秘訣であると考えられます。

    (※ DR1、DR9・・・HLA抗原の種類)


    <トークショー>

    『いま、覚えておきたい免疫強化法-新しい生活様式で迎える、初めての冬に向けて-』

    LiLiCo 氏(タレント)×石原 新菜先生(イシハラクリニック副院長)

    (左)石原 新菜先生と(右)LiLiCoさん



     トークショーでは、医師で健康ソムリエの石原 新菜先生を解説役として、ウイルスの脅威が増すこれからの季節に向けて、2度の手術をしたばかりで免疫力の低下に不安を感じているLiLiCoさんに、「いま、覚えておきたい免疫強化法」をレクチャーしていただきました。


     トークショーでLiLiCoさんは、「もっともっと、誰よりも強くなりたいと思っているんです、ルックスだけではなく内面も。今年50歳になるのでしわが増えたりや気になる部分はあるのだけど、今日の話を聞いたら、しわとか見た目とかよりも大腸を強くした方がいいんだなと思いました。」とコメントしました。



    ~免疫力クイズ~

     そこで、LiLiCoさんが免疫について、どれくらい理解されているか、「免疫力クイズ」が行われました。


     第1問目の『免疫力は腸に棲んでいる腸内細菌とも関係するのですが、腸内細菌は、腸のなかでも主にどこに棲んでいるでしょうか?』の問題に、LiLiCoさんは大腸と回答し、正解しました。続く、2問目の『腸内細菌は大腸に多く棲んでいますが、ビフィズス菌、乳酸菌のうち、大腸により多く棲んでいるのはどちらでしょうか?』という問題では、LiLiCoさんはビフィズス菌と回答して、またまた正解。LiLiCoさんの出身国であるスウェーデンの人と日本人が実はビフィズス菌が多いという共通点があるという石原先生の解説に、LiLiCoさんも「多いんですか!?だから調子がいいのかもしれないですね!」とコメント。また、ウイルスの侵入を防いでくれる「IgA」抗体を作る上で重要な役割を果たしている「短鎖脂肪酸」を日本人やスウェーデン人に多いビフィズス菌が産生してくれているという話を聞いて、「全身のエネルギー源!いいですね!このようなことを学校で教えてくれればもっと人生を楽しめるのに!」とコメントされていました。3問目の『善玉菌と一緒に摂るといいのは?』という問題では、「ごぼう」、「大麦」、「らっきょう」と選択肢のすべてが正解であるという、石原先生のひっかけ問題に「ごぼうは繊維が豊富だからごぼう!」と回答し、見事にひっかかり、LiLiCoさんは「どれ選んでも間違ってはいないから正解ですよね?」と石原先生に問いかける場面もありました。


     まとめとして石原先生から、「まず、免疫に大きく関わりのある腸内細菌が棲んでいるのは「大腸」で、小腸でブロックしきれなかったウイルスたちは、「大腸」が最後の砦となって体内に入り込むのを防いでくれます。2つめに、腸内細菌の中でも、体に有益な働きをしてくれる「善玉菌」の代表がビフィズス菌でした。しかも、ウイルスの侵入を防いでくれるIgA抗体を産生する「短鎖脂肪酸」を出してくれるという大きな役割もあります。最後にこの善玉菌、お腹の中でエサを食べて活発になるのですが、そのエサとなるのが「水溶性食物繊維」やオリゴ糖です。善玉菌とエサを一緒に摂ることで、腸の粘膜で作られるIgA抗体の強力なサポートをする短鎖脂肪酸も出してくれます。「菌」と「エサ」は一緒にとる、と覚えておいてください」と話されました。


    ~大腸から免疫力をアップするレシピ~

    免疫力クイズで免疫の基礎を学んだのちに、具体的に免疫力をあげるための方法として「大腸から免疫力をアップするレシピ」を石原先生からご紹介いただきました。

    根菜のスパイシーヨーグルトソース

    根菜のスパイシーヨーグルトソース



    レシピのポイント:

    ビフィズス菌入りヨーグルトで菌、根菜類で食物繊維を摂取できます。カレー粉をヨーグルトに加えることで、香りと色を楽しめるソースに。生姜は、加熱することで身体を温める力がアップするので、顆粒コンソメを溶かすため、みりんと一緒に加熱します。根菜は、食物繊維が多く、さらに身体を温める食材です。


    サーモンの味噌ヨーグルトソース

    サーモンの味噌ヨーグルトソース



    レシピのポイント:

    ビフィズス菌入りヨーグルトで菌、なめこで食物繊維を摂取できます。魚の中でもサーモンは、日本人に足りないビタミンD 含有量がトップクラス。同じ発酵食品の味噌とコラボしたソースは味噌の塩分、旨味が活躍しています。レンジで加熱したなめこを加えると触感が良く、とろみのあるヨーグルトソースになります。



    ■登壇者プロフィール

    新藏 玲子先生


    新藏 礼子(しんくら れいこ)先生

    東京大学 定量生命科学研究所 免疫・感染制御研究分野 教授

    京都府生まれ。86年京都大学医学部医学科卒業。同年麻酔科臨床医として病院勤務。92年京都大学大学院医学研究科分子生物学大学院生、続いて研修員。99年米国ハーバード大学こども病院留学。2003年京都大学大学院医学研究科分子生物学、寄附講座免疫ゲノム医学助手、講師、准教授。10年長浜バイオ大学バイオサイエンス学部バイオサイエンス学科生体応答学教授。16年奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科応用免疫学教授。18年東京大学分子細胞生物学研究所(現・定量生命科学研究所)免疫・感染制御研究分野教授。二児の母。

    森田先生


    森田 英利(もりた ひでとし)先生

    学術博士 岡山大学大学院 環境生命科学研究科教授

    岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了。1991年 米国ミネソタ州立大学ポスドク。1992年 麻布大学獣医学部に助手、2010年 同大学の教授を経て、2015年から現職。

    腸内細菌学会広報委員、日本乳酸菌学会評議員。任期を終えたものに、内閣府消費者委員会新開発食品調査部会新開発食品評価第二調査会委員、日本畜産学会常務理事、日本乳酸菌学会理事、日本NO学会評議員。

    腸内細菌・腸内フローラ(腸内細菌叢)・プロバイオティクスに関する研究での共著論文のjournalの掲載歴に、Nature、Cell、Science、Nature Medicine、Nature Biotechnologyなどがある。

    石原先生


    石原 新菜 先生(いしはら にいな) 先生

    イシハラクリニック 副院長

    1980年長崎県生まれ。小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原 結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員。二児の母。


    LiLiCo氏

    LiLiCo氏


    映画コメンテーター/タレント


    1970年スウェーデン生まれ、18歳で来日。

    TBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとして出演、

    フジテレビ「ノンストップ!」、J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」

    ほか出演番組も多数。声優・女優・ナレーションなど、

    マルチに活躍する映画コメンテーター。

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