GfK Japan調べ:8月パソコン販売、 2年8ヶ月ぶりに数量、金額ともに前年比二桁成長

TV機能付ディスプレイ一体型デスクトップが牽引

 ジーエフケーマーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、パソコンのリテール店頭市場における販売動向を発表した。

図1:パソコン 数量前年比・金額前年比
図1:パソコン 数量前年比・金額前年比

【概要】
・2010年8月のパソコン市場は数量前年比11%増、金額前年比20%増と、ともに二桁成長を記録した。
・デスクトップPCにおけるTV機能付ディスプレイ一体型が市場を牽引し、数量構成比は50%に達した。
・スタンダードノートが拡大。Blu-rayドライブ搭載率も35%に伸張した。


【数量、金額ともに二桁成長に】
 2010年の家電市場がエコポイント特需や猛暑による販売増などで賑わう中、パソコン市場も数量・金額ともに前年を上回る水準で推移している。これまで一桁台のプラス成長で推移していた数量前年比は8月に入り11%増となり、二桁台へ伸長した(図1)。秋冬モデル発売を前に、6月中旬に発売となった夏モデルの価格が下がり、値頃感が増したことが販売を後押しした一因と推測される。
 また8月の金額前年比は20%増と、数量を大幅に上回る成長率を記録した。ディスプレイ一体型デスクトップや画面サイズ15インチ以上のスタンダードノートなど、高単価商品の構成比が増えていることが、金額規模の成長に貢献した。数量、金額ともに前年比が二桁台の成長となるのは、2007年12月以来2年8ヶ月ぶりである。

図1:パソコン 数量前年比・金額前年比
http://www.atpress.ne.jp/releases/16812/1_1.png


【デスクトップPCはTV機能付一体型モデルが販売を牽引】
 デスクトップPC市場は、2009年10月のWindows 7発売を境にマイナス成長からプラス成長に転じ、その後も前年越えを維持している。8月の前年比は数量31%増、金額37%増となり、パソコン市場全体の成長に大きく貢献した。牽引役はTV機能付ディスプレイ一体型モデルで、2010円2月以降、販売台数は前年の約2倍で推移し、8月のデスクトップPCにおける数量構成比は50%、金額では61%に達した(図2)。
 この背景には、TVの地上デジタル放送移行に伴う波及効果が挙げられる。家庭における二台目、三台目のTVの代わりに、TV機能付パソコンを選択する消費者も少なくない。さらにTV機能付ディスプレイ一体型の約7割はBlu-rayドライブ搭載と高機能であるにもかかわらず、TV機能が無い一体型タイプとの価格差は2万円強と小さく、消費者に対しての訴求ポイントとなっている。現在国内パソコンメーカーから発売されているデスクトップPCはTV機能付ディスプレイ一体型が主流となっており、これまでノートPCの販売を主力としてきた東芝も7月にこの分野に参入した。メーカーやモデルの増加に後押しされ、この好調は来年7月のアナログ放送停波まで持続すると予測される。

図2:デスクトップPC 形状タイプ 数量構成比
http://www.atpress.ne.jp/releases/16812/2_2.png


【スタンダードノートが好調。3台に1台がBlu-rayドライブ搭載に】
 Apple社のタブレット端末iPadの登場により、販売への影響が懸念されたノートPC市場だが、5月以降も好調に推移し、8月の前年比は数量5%増、金額14%増となった。特に好調なのが15インチ以上のスタンダードノートで4月以降、前年比で二桁台の伸びを維持している。8月の数量構成比は77%と、前年同期から14%ポイント増加した。
 一方ネットブックが主流の10.2インチ以下の数量構成比は、最盛期の2009年5月にノートPC内の約30%を占めたがその後減少し、2010年3月以降は10%前後で推移。8月は数量構成比9%にとどまった(図3)。
 またスタンダードノートにおけるBlu-rayドライブ搭載率は、年初1月の25%から8月は35%に伸長した。スタンダードノートの3台に1台がBlu-rayドライブ搭載モデルとなり、高機能モデルの人気の高まりがうかがえる。機能が限定されたネットブックへの需要が一巡し、現在は十分な機能と操作性を兼ね備えたスタンダードノートへ需要がシフトしている。スタンダードノートの低価格化も進んでおり、今後も成長が期待される。

図3:ノートPC 画面サイズクラス 数量構成比
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 個人のパソコンリテラシーの向上と共に、趣味や生活などの情報検索、コミュニティサイトやインターネットショッピングの利用機会が増え、パソコンが生活必需品としてより一層定着してきた。Windows 7の高評価や、景気が回復傾向にあり夏季賞与の平均額が2年ぶりに前年超え(※)となったことなどが、買い替えを先延ばしにしていた消費者の購入を後押ししていると推測される。買い替え需要や買い増し需要の高まりが市場のプラス成長を支えており、今後も好調が続くと予測される。

※日本経団連、大手企業の2010年夏季賞与・一時金妥結状況(第1次集計)より引用


≪GfK Japanのデータについて≫
 全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
 また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集している。

URL: http://www.gfkjpn.co.jp/

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