放置厳禁!3分でわかる腎臓のすべて「沈黙の臓器」から寿命を守るQ&Aガイド

「健康診断で再検査になった」「最近むくみが気になる」……。そんな不安を抱えていませんか?
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり悪くなるまで自覚症状が出にくいのが特徴です。
今回は、皆さまからよく寄せられる腎臓の働きや慢性腎不全についての疑問に、専門医がわかりやすくお答えします。
Q1:腎臓は体のどこにありますか?(腎臓の場所・構造)

A.
腎臓の場所と大きさ
腎臓は、背中側の腰より少し高い位置に、背骨を挟んで左右にひとつずつあります。
形: 「そら豆」のような形をした赤褐色の臓器
大きさ: 大人の「握りこぶし」より一回り大きいくらい
重さ: ひとつあたり約120〜150g
腎臓の内部構造
腎臓の中は、大きく分けて外側の「皮質(ひしつ)」、内側の「髄質(ずいしつ)」、そして尿が溜まる「腎盂(じんう)」などに分かれています。
腎臓は「血液のクリーニング工場」です。心臓から送り出される血液のうち、なんと約5分の1が常に腎臓へと流れ込み、休むことなくろ過されています。
腎臓の中には、血液をろ過して尿を作る「ネフロン」という小さな組織が、片方だけで約100万個(左右あわせて約200万個)も詰まっています。ここで老廃物が取り除かれ、きれいになった血液が再び全身へと戻っていくのです。
Q2:腎臓にはどんな役割があるのですか?(腎臓の働き・役割)
A.
腎臓は「身体の検問所」とも呼ばれ、主に以下の4つの重要な役割を担っています。
1.尿を作る
腎臓の最も大きな仕事は、血液をろ過して「尿」を作ることです。
血液中の老廃物をろ過する一方で、身体に必要な水分や電解質(ナトリウムなど)は再び体内に取り込み、絶妙なバランスを保っています。
腎臓は1日で約140L(大型のドラム缶約1本分)もの血液をろ過しますが、そのうち99%は体内に再吸収されます。健康な成人の1日の尿量は1〜1.5Lと言われています。
2.血圧の調整
腎臓は「血圧の調整役」でもあります。
塩分と水分の排出量を調整して血液の量を一定に保つほか、血圧を保つホルモンの材料となる「レニン」を分泌することで、血圧が低すぎたり高すぎたりしないよう調整しています。
腎臓の機能が低下すると血圧が上がりやすくなるのはこのためです。
3.骨の健康を保つ
意外かもしれませんが、腎臓は「骨」とも深く関わっています。
食べ物から取り込んだビタミンDを、身体で使える「活性型ビタミンD」へと作り変えるのが腎臓の役割です。
これにより、カルシウムおよびリンが吸収されやすくなり、骨を強く保つことができます。
「活性型ビタミンD」は不足すると骨がもろくなってしまいます。
骨にはカルシウム、リン、マグネシウムが蓄積されています。
マグネシウムはリンやカルシウムと違いホルモンによる影響を受けず、主に腎臓での分泌、再吸収により体内での濃度が調整されています。
4.血液(赤血球)を作る司令を出す
白血球や赤血球などの血液の成分は骨髄でつくられます。
腎臓は、赤血球を作るよう骨髄に命令を出すホルモン「エリスロポエチン」を分泌しています。
腎臓の働きが悪くなるとこの指令が届かなくなり、血液が十分に作られず「腎性貧血」という状態を引き起こしてしまいます。
Q3:慢性腎不全とはどのような状態ですか?(慢性・腎不全・機能)
A.
腎臓の機能が徐々に低下し、老廃物等が身体に蓄積してきた状態を「慢性腎不全」といいます。
さらに進行すると身体の中の環境を一定に保てなくなり、透析をしないと身体を維持できない状態となります。
進行度による2つのステージ
症状や治療法は、腎臓の働き具合によって大きく2段階に分けられます。
◆ 保存期腎不全(維持できる段階)
自覚症状はほとんどありません。食事療法などで老廃物の蓄積を抑え、透析が必要な「末期」へ進行させないための治療を行います。
◆ 末期腎不全(透析の準備が必要な段階)
いくつかの要因があり一概には言えませんが、eGFR10ml/分/1.73㎡以下となると命を維持するために人工透析などの治療が必要になります。
その他の要因として、タンパク尿が多くなり体内のタンパク質が少なくなった結果、肺がむくみ、胸水などにより呼吸困難などの症状がでる場合にも人工透析が必要となることがあります。


慢性腎不全と心血管疾患は危険因子の多くが共通しているだけでなく、相互に発症や進行に影響を及ぼします。
この心臓と腎臓の強い相互関係を「心腎連関(腎心連関)」といいます。
さらに、心臓と腎臓は脳が自律神経系で制御しているため、脳も含めて「脳心腎連関」とよぶこともあります。
Q4:腎臓の機能を守るために、今すぐできることは?

A.
慢性腎不全を予防・進行抑制するためには以下の4つが大切です。
1.禁煙
タバコには200種類の有害物質が含まれており、腎臓への負担も大きくなります。
2.減塩
塩分の摂りすぎは血圧を上げ、腎臓に過度な負担をかけます。
3.適度な運動
じんわり汗をかく程度の運動が、代謝を上げ腎臓を守ります。
4.定期的な検査
腎臓の異常は、尿検査と血液検査でしか分かりません。健康診断などを通じてチェックしましょう。
まとめ:腎臓が出す「小さなサイン」を見逃さないために
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、蛋白尿や尿潜血、数値(eGFR)の低下があっても、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
「痛くないから大丈夫」と放置してしまうと、気づかないうちに腎不全へと進行してしまう恐れがあります。
腎臓は非常に複雑な構造をしており、ダメージを受けている場所や原因によって、最適な治療法は異なります。
・まずは精密検査で、現在の状況を正しく把握すること
・原因に合わせた適切なアプローチを早期に開始すること
この2点が、将来の健康を守るために何よりも大切です。
健康診断で指摘を受けた方はもちろん、「尿の様子がおかしい」「腰のあたりに違和感がある」といった些細な変化を感じたら、まずは専門医へご相談ください。
検査の流れ
1.電話、メール、HPよりご予約できます。
腎臓内科専門医は月・火・金・土にご予約が可能です。
2.診察後、必要に応じて採血・尿検査・腹部エコーなどの検査を行います。
より詳しい検査が必要な場合には近隣医療機関に紹介の上、腎生検を行うこともあります。
当院では腎臓疾患のみでなく幅広い生活習慣病にも対応しており、栄養士による個別相談や腎臓に優しいお食事のレシピの公開も行っております。
患者様一人ひとりに合わせた治療をおこなっておりますので、ぜひご相談ください。
【戸塚西口さとう内科について】
院長:佐藤 孔信
所在地:横浜市戸塚区戸塚町6005-3 アスクレピオス戸塚3F
診療科目:糖尿病内科、腎臓内科、内分泌内科、消化器内科、一般内科
クリニックHP:https://www.satounaika.com/
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