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    ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)治療剤 「カヌマ(R)点滴静注液20mg」新発売 - 生命を脅かす代謝性超希少疾患であるLAL-Dに対する 日本初の治療薬として -

    商品
    2016年5月26日 11:00

    アレクシオンファーマ合同会社(本社:東京都渋谷区)は、2016年5月25日(水)、「カヌマ(R)点滴静注液20mg」〔一般名:セベリパーゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下「カヌマ」〕を発売いたしました。「カヌマ」は、「ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(コレステロールエステル蓄積症、ウォルマン病):Lysosomal Acid Lipase Deficiency、以下 LAL-D」の効能・効果を有する初めての治療薬です。

    製品写真


    LAL-Dは、遺伝子の変異によって、ライソゾーム内のライソゾーム酸性リパーゼ(LAL)という酵素の活性が先天的に低下・欠損することが原因の、急速あるいは慢性に進行する代謝性超希少疾患です。「カヌマ」は、LAL-Dの根本原因である酵素活性の低下・欠損を補うための酵素補充療法で、酵素活性が低下・欠損しているLALを補充することで、体内組織のライソゾーム内におけるコレステロールエステルおよびトリグリセリドの蓄積を減少させます。
    国内外の臨床試験で、乳児のLAL-D患者さんにおいて生存率の向上が認められました。また、小児および成人のLAL-D患者さんでは、ALTの正常化、LDLコレステロールおよびトリグリセリドの低下、肝臓脂肪量の減少など、肝臓および脂質のパラメータにおいて、プラセボに比し有意な改善を示しました。

    アレクシオンファーマ合同会社 社長のヘルマン ストレンガーは次のように述べています。「LAL-Dは生命を脅かす深刻な疾患にもかかわらず、これまで治療薬がありませんでした。
    今回、『カヌマ』を発売することにより、LAL-Dの患者さんへ新しい治療薬をお届けできることを、大変嬉しく思います。現在、LAL-Dに関する大きな課題は、疾患に対する認知度が非常に低いことです。アレクシオンファーマは、LAL-Dの患者さんを早期に診断し、治療していただけるよう、疾患および診断方法の啓発に取り組んでまいります。」

    LAL-Dは、ライソゾーム内のLAL酵素活性が低下・欠損することで、血管壁や肝臓およびその他の主要臓器にコレステロールエステルとトリグリセリドが蓄積します(参考文献1、2)。その結果、脂質代謝に異常が生じ、肝臓、脾臓、消化管など多臓器に障害をもたらします。特に乳児のLAL-D患者さんの場合は、治療をしなければ症状が急速に進行し、数カ月もしないうちに死に至ります。また、小児および成人のLAL-D患者さんでは、他の肝疾患と同様、多くの患者さんは無症状のまま肝線維化から脂肪肝、肝硬変、肝不全へと重症化します。LAL-Dは、血中のLAL酵素活性を測定することで鑑別診断が可能です(参考文献3)。
    なお、これまで、乳児にみられるLAL-Dはウォルマン病、小児および成人にみられるLAL-Dはコレステロールエステル蓄積症(CESD)と呼ばれてきました。

    LDL-Dは、非常に稀な遺伝性の代謝性疾患で、全人口100万人あたり患者数が20人に満たない超希少疾患として定義されています(参考文献4)。日本では、指定難病および小児慢性特定疾病の対象疾患となっています(参考文献5、6)。

    「カヌマ」は、日本において、厚生労働省から希少疾患用医薬品に指定されており、2015年5月に新薬承認申請、本年3月に製造販売承認を取得し、2016年5月25日(水)、薬価収載されました。海外においては、昨年、欧州連合と米国において、LAL-Dの治療薬として承認されています。


    ■臨床データ(参考文献7)
    日本での「カヌマ」の承認は、乳児・小児・成人のLAL-D患者さんを対象とした2つの臨床試験と1つの非盲検延長試験から得られた臨床データに基づいています。海外臨床試験において、「カヌマ」による治療を受けた乳児期のLAL-D患者さんでは9名中6名が生後12ヵ月を超えて生存したのに対し、未治療患者さんのヒストリカルコホートでの生存は21名中0名と、生存率に有意な改善が認められました。LAL-Dの小児および成人患者さん(4~58歳)を対象とした国際共同試験では、「カヌマ」はALT値の正常化について、プラセボと比較して統計学的に有意な効果を示しました(31% vs 7%,p=0.0271)。また、「カヌマ」は肝臓の脂肪量について、プラセボと比較してベースラインからより大幅な減少がみられました。さらに、「カヌマ」による治療を受けた患者さんではプラセボと比較して、LDL-C、HDL-C、非HDL-C、トリグリセリドなどの脂質パラメータに有意な改善が認められました。ALT、LDL-C、HDL-Cの継続的な改善は、「カヌマ」による治療を受けた患者さんで20週間を超えてみられました。

    臨床試験で認められた主な副作用は、腹痛、下痢、蕁麻疹、発熱、嘔吐、悪心、頻脈などでした。


    ■アレクシオンファーマ合同会社について
    アレクシオンファーマ合同会社は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州ニューヘイブン)の日本法人です。アレクシオンは、重篤な希少疾患を抱える患者さんの生活を一変させる治療薬の開発と提供に注力するグローバルなバイオ製薬企業です。
    アレクシオンは補体阻害におけるグローバル・リーダーであり、生命を脅かす2つの超希少疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)および非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の治療薬として、初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬を開発し、製造販売しています。また、アレクシオンの代謝性フランチャイズは、低ホスファターゼ症(HPP)とライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)といった生命を脅かす超希少疾患の患者さんに対する2つの非常に革新的な酵素補充療法を有しています。さらに、アレクシオンは、複数の治療領域にわたる極めて革新的な製品候補を擁し、バイオテクノロジー業界において最も強固な希少疾患パイプラインを進展させています。本プレスリリースとアレクシオン合同会社関する詳細については http://alexionpharma.jp をご覧ください。


    ■参考文献:
    1. Bernstein DL, et al. Chloesteryl ester storage disease: review of the findings in 135 reported patients with an underdiagnosed disease. J Hepatol. 2013;58:1230-43. doi:10.1016/j.jhep.2013.02.014.

    2. Reiner Z, et al. Lysosomal acid lipase deficiency - an under-recognized cause of dyslipidemia and liver dysfunction. Atherosclerosis. 2014;235:21-30. doi:10.1016/j.atherosclerosis.2014.04.003.

    3. Hamilton J, et al. A new method for the measurement of lysosomal acid lipase in dried blood spots using the inhibitor Lalistat 2. Clin Chim Acta. 2012;413:1207-10. doi:10.1016/j.cca.2012.03.019.

    4. REGULATION (EU) No 536/2014 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 16 April 2014 on clinical trials on medicinal products for human use, and repealing Directive 2001/20/EC. http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32014R0536&qid=1421232837997&from=EN

    5. 「平成27年1月1日施行の指定難病(新規)」『厚生労働省ホームページ』
    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000089978.pdf

    6. 「小児慢性特定疾病の医療費助成について」『小児慢性特定疾病情報センターホームページ』
    http://www.shouman.jp/assist/

    7. 「カヌマ点滴静注液20mg」添付文書


    <製品関連情報>
    ◆「カヌマ(R)点滴静注液20mg」の製品概要
    ・製品名
    カヌマ(R)点滴静注液20mg

    ・一般名
    セベリパーゼ アルファ(遺伝子組換え)

    ・効能・効果
    ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(コレステロールエステル蓄積症、ウォルマン病)

    ・用法及び用量
    通常、セベリパーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり1mgを2週に1回、点滴静注する。効果不十分な場合には、1回体重1Kgあたり3mgを2週に1回又は週1回まで増量し、点滴静注する。
    ただし、乳児期発症の急速進行性の場合には、セベリパーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1Kgあたり1mgを週1回、点滴静注する。効果不十分な場合には、1回体重1Kgあたり3mgを週1回まで増量し、点滴静注する。
    なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

    ・製造販売承認日
    2016年3月28日

    ・薬価基準収載日
    2016年5月25日

    ・薬価
    カヌマ点滴静注液20mg 1バイアル10mL
    1,277,853円

    ・発売日
    2016年5月25日

    ・製造販売元
    アレクシオンファーマ合同会社


    <製品写真>
    https://www.atpress.ne.jp/releases/103361/img_103361_1.png

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