近畿大学原子炉で放射線医学の人材育成 近大炉で初!診療放射線技師・医学物理士を目指す学生対象の運転実習

    2017年9月6日 14:00

    近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成29年(2017年)9月11日(月)、12日(火)に、診療放射線技師※1 や医学物理士※2 を目指す学生を対象とした原子炉照射実験・実習を実施します。
    ※1 医師の指示のもとで主に放射線を用いた検査及び治療業務、機器やシステムの管理などをおこなう医療職。
    ※2 放射線を用いた医療が適切に実施されるように、医学物理の専門家としての役割を業務とする医療職。

    【本件のポイント】
    ●診療放射線技師・医学物理士を目指す学生を対象とした原子炉照射実験・実習は初めて
    ●原子力・放射線に関する科学に基づいた知識を提供
    ●医療現場における放射線に関する知識を持った人材育成

    【本件の概要】
    近畿大学原子炉は、診療放射線技師や医学物理士を目指す医療系の学生を対象とした原子炉照射実験・実習を実施し、医学分野で活用されている原子力・放射線の科学を基礎から理解するための機会を提供します。
    従来より原子力や放射線を専門とする工学系の学生や中学・高校の理科の教員などを対象とした運転実習や研修会を実施していますが、医療系学生を対象として実施するのは近大炉では初めて。医学分野においても原子炉の役割や中性子の測定法などを主に座学で学ぶ機会がありますが、自らの手で原子炉を運転して実習する機会は非常に貴重であり、超低出力(熱出力1W)の教育訓練用原子炉である近畿大学原子炉だからこそ実現できました。
    本実習を機に、医療現場における原子力・放射線の専門知識を持った人材の育成への貢献にも注力します。

    ■日時:平成29年(2017年)9月11日(月)12日(火)
    ■会場:近畿大学東大阪キャンパス 原子力研究所(大阪府東大阪市小若江3-4-1)

    【詳細スケジュール】
    ■日  時:平成29年(2017年)9月11日(月)12日(火)
    ■参加学生:首都大学東京 健康福祉学部放射線学科眞正研究室(3年生4人、4年生4人)
          首都大学東京 大学院人間健康科学研究科 眞正研究室(1年生1人)
    ■内  容:
    9月11日(月)
    9 : 00– 9 :30 スケジュール説明・保安教育
    9 : 30–10:00 【見学】原子炉見学
    10:00–10:30 【実験】照射試料準備・設置
    10:30–11:30 学生発表(首都大学東京)
    11:30–13:00 昼食
    13:00–13:30 【実験】試料取り出し
    13:30–15:00 【実験】放射能測定
    15:00–15:30 【実験】試料取出し
    15:30–17:00 研究室紹介(首都大学東京)
    17:00–17:30 【実験】試料取り出し

    9月12日(火)
    9 : 00–10:00 【講義】原子炉運転
    10:00–12:00 【実習】原子炉運転
    12:00–13:00 昼食
    13:00–15:00 【実習】中性子ラジオグラフィ
    15:00–16:00 【実習】データ整理・修了証授与

    *学生による原子炉運転は12日のみです

    【近畿大学原子力研究所概要】
    近畿大学原子力研究所は、昭和35年(1960年)4月1日、原子力に関する研究・教育を目的とする全学共同利用研究所として設立されました。近畿大学原子炉は、同年8月12日に設置が認可され、昭和36年(1961年)11月11日に臨界に到達し(熱出力0.1W)、我が国最初の民間原子炉・大学原子炉として運転を開始しました。
    その後、昭和49年(1974年)10月に熱出力を1Wに増加し、昭和59年(1984年)1月には小動物用照射設備、中性子ラジオグラフィ用設備および拡大垂直照射設備が新設されました。近畿大学理工学部の学生実習および大阪大学、神戸大学、名古屋大学、九州大学などの学生の原子炉教育・訓練ならびに広範な分野の原子力研究に利用されています。

    炉心部
    炉心部

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