買占めの行列、迷惑な人たち、医療崩壊、 不条理な社会で、幸せとは何かを改めて考える

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    2020年4月14日 14:00

    3000人以上を看取ってきたホスピス医が教える つらく苦しい今だからこそ、知ってほしい、 幸せの三大原則。

    ホスピス医。めぐみ在宅クリニック院長
    小澤竹俊医師。
    2006年めぐみ在宅クリニックを開院。「自分がホスピスで学んだことを伝えたい」との思いから、2000年より学校を中心に「いのちの授業」を展開。2015年、有志とともに一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立し、理事に就任。「だれもが生きてきてよかったと思えるように。自分の人生に誇りを持てる最期を迎えられるように」全国の医療従事者とともに活動を続けている。

    新型コロナウイルス感染拡大が本格的になってきました。目に見えない敵と向き合うということは、精神的なストレスは、数倍増します。普段の生活の中で、自分が感染するのではないか、あるいは、自分が他の人にうつしてしまうのではないか。何気ない生活にあって、最善を尽くしても、決して100点を取れるとは限りません。
    父として家族を養う役目を果たしたい。母として子どもたちの健康を守りたい。息子として、娘として、年老いていく親が穏やかに過ごしてほしい。仕事を通して、誰かの力になりたい。

    願うことはあれど、できないもどかしさに負けそうな日もあるでしょう。
    精神的なストレスが強い日常を過ごす中では、自分自身を見失い自暴自棄にもなります。

    しかし、自暴自棄になりそうなとき、自分を見失いそうな時に思い出してほしいのが「幸せの3大原則」です。
    これまで3000人以上の方を看取ってきた中で、数多くの患者さんが残してくれたメッセージでもあります。

    【社会不安に負けない幸せの三大原則①】

    ●どんな状況にあっても、あなたが価値のある人間だという事実は変わらない

    社会がどれほど不安な状況になったとき、思い出していただきたいのが、あなたが価値のある人間だという事実です。
    いくつになってもどんな状況にあっても、かけがえのない自分、かけがえのない自分の人生を肯定し、受け入れる。それは人生最後の瞬間まで幸せに生きるために、必要不可欠なことです。ご自身が果たしてきた役割、家族とのつながり、人生で味わった喜び、どれも色あせるものではありません。

    【社会不安に負けない幸せの三大原則②】

    ●このために生まれてきたと心から思えたとき、人は究極の幸せを味わう

    人はみな、さまざまな事情を抱えて生きています。「愛された経験がない」「つらい結婚生活だった」「希望の職種につけなかった」「重い病気を抱え、余命わずかだと宣告された」
    こうした過去の経験、現在の状況から自分は幸せでなかったと感じる人がいても、仕方がないことかもしれません。
    ただ、緩和ケアの現場で患者さんと関わる中で、私が確信したことがあります。
    それは、『自分はこのために生まれてきた』と思えたとき、つらく苦しい出来事にも意味が生まれるということ。その瞬間、過去のイヤな思い出、つらさは希望へと変わり、人生は大きく変わります。
    大きなことを達成する必要はありません。自分がこのために生まれてきたと思えることは、身近にあります。心を穏やかにして探してみてください。

    【社会不安に負けない幸せの三大原則③】

    ●死を前にして後悔しない人はいない。だからこそ、一瞬を楽しんで暮らす

    病気になり、余命わずかであると知ったとき、まったく後悔しない人はほとんどいません。
    元気なときに、もっと家族を大事にしておけば。もっと人の役に立つ仕事をすれば。
    旅行、結婚、子供、友人や家族との関係。「十分に生き切った」と思っている患者さんでさえ、何かしらの後悔を抱えています。そして、この世を去る前に少しずつ後悔を手放していける方もいれば、後悔という苦しみを抱えたまま、この世を去る方もいます。
    ですから、私はできるだけ多くの方に「一瞬一瞬を楽しむこと」を心掛けてほしいと思っています。また「何を楽しいと思うのか」を突き詰めることで、自分にとって本当に大事なもの、望んでいるものが見えてきます。一瞬一瞬を楽しむこと。それはあなたに本当に幸せな日々をもたらしてくれます。

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