奈良県助産師会に「近大マスク」を寄贈 表情が見えないと伝わりづらい妊産婦向けの教室などで活用

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    2021年2月8日 14:00
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    寄贈する近大マスク
    寄贈する近大マスク
    サージカルマスクを使用しての活動の様子
    サージカルマスクを使用しての活動の様子

    近畿大学(大阪府東大阪市)は、理工学部機械工学科教授の西籔 和明らが開発した、全面が透明なプラスチック製の飛沫防止マウスシールド「近大マスク」200個を、一般社団法人奈良県助産師会に寄贈します。
    つきましては、令和3年(2021年)2月12日(金)に奈良県庁にて、寄贈式を行います。
    なお、本件は、近畿大学が全学を挙げて取り組んでいる「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施します。

    【本件のポイント】
    ●150人の助産師が所属する奈良県助産師会に「近大マスク」200個を寄贈
    ●表情が見えることで妊産婦ケアの際に助産師による説明がより伝わりやすくなり、安心感を与えられる
    ●近大マスクの寄贈によって助産師の活動を安全かつ円滑にし、社会貢献につなげる

    【本件の内容】
    近畿大学は、医学から芸術までの研究分野を網羅する総合大学と附属学校等の力を結集し、「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」に取り組んでおり、その一環として理工学部機械工学科教授の西籔 和明らがプラスチック製の飛沫防止マウスシールド「近大マスク」を開発しました。
    今回、公立病院や地域の助産所、産科施設、保健センター等での妊産婦等の業務に従事する一般社団法人奈良県助産師会から近畿大学に、「近大マスク」を使用したいという要望が届きました。奈良県助産師会では、通常、医療用サージカルマスクを使用して活動していますが、健康教育講座や赤ちゃん訪問、妊産婦の教室においては、表情が見えないと助産師による説明が伝えづらく、出産を前にした妊婦の方や赤ちゃんには笑顔で接したいという希望がありました。そこで、助産師の方が安全かつ円滑に活動できるように、飛沫対策ができ、表情が見えることに特化した「近大マスク」200個を近畿大学から奈良県助産師会に寄贈することになりました。
     
    【寄贈式開催概要】
    日 時:令和3年(2021年)2月12日(金)14:00~14:30
    場 所:奈良県庁 本館5階 記者会見場
        (奈良市登大路町30、「近鉄奈良駅」から徒歩約5分)
    出席者:近畿大学 社会連携推進センター センター長 伊藤 哲夫
        近畿大学 理工学部機械工学科 教授 西籔 和明
        一般社団法人奈良県助産師会 会長 織田 智子
    贈呈品:近大マスク200個

    【近大マスクの開発】
    「近大マスク」は、近畿大学が全学を挙げて取り組んでいる「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として近畿大学理工学部機械工学科教授の西籔 和明らが企画立案し、開発されたプラスチック製の飛沫防止マウスシールドで、新型コロナウイルス対策として社会に役立つ製品を創出するべく、東大阪市のものづくり企業の協力を得て製作されました。製作にあたっては、理工学部が文部科学省からの助成を受けて大阪東部地域の金型産業発展のために技術研究を行っている「金型プロジェクト」で得られた高度な技術が用られています。
    マスクの透明カップ部分はとても薄く複雑な3次元曲面になっており、プラスチック製品の設計、高度なプラスチック射出成形および金型技術が活用されています。耳部のツルは透明カップから取り外し可能であり、ツル装着位置は2段階に調整できるようになっています。さらに、本学文芸学部文化デザイン学科准教授の柳橋 肇が、透明で軟らかく顔に沿ったユニークなデザインに仕上げ、息苦しさがなく掛け心地のよい製品となりました。
    開発過程においては、医学部の感染症対策の専門家の意見を反映しながら、理工学部が開発した超高速ビデオカメラを用いたマスク内の気流の可視化実験を実施し、マスク着用時の飛沫防止効果が高いことを明らかにしました。さらに、陸上競技部の装着テストによる意見を反映し、使用感を向上させました。このように、近畿大学の複数の学部やクラブが連携し、製品化が実現しました。なお、製造は、東大阪市内のものづくり企業である、株式会社モールドサポートが主として行い、金型の製造は藤塚精密金型株式会社、プラスチック成型品の試作は株式会社沢井製作所の協力により行われました。
    これまでに、マスクの着用で唇の動きや表情が読めず、意思の疎通が困難になっている聴覚障がいがある子どもたちのために大阪府下の支援学校に1,200個、また大阪難波エリアの飲食店などに3,000個、奈良県大和高田市に120個を寄贈しました。

    <近畿大学「近大マスク」プロジェクトメンバー>
    研究代表者:理工学部機械工学科 教授 西籔 和明
          (企画・立案、マスク製作作業全般)
    共同研究者:文芸学部文化デザイン学科 准教授 柳橋 肇
          (マスクおよびパッケージデザイン)
    共同研究者:理工学部社会環境工学科 教授 竹原 幸生
          (高速度カメラによるマスク装着時の飛沫検証
           および気流可視化実験)
    共同研究者:経営学部教養・基礎教育部門 教授 佐川 和則
          (陸上部装着テスト、アンケート実施)

    【"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト】
    近畿大学は、令和2年(2020年)5月15日から「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動させました。これは、世界で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症について、医学から芸術までの研究分野を網羅する総合大学と附属学校等の力を結集し、全教職員から関連研究や支援活動の企画提案を募って実施する全学横断プロジェクトです。72件の企画提案が採択され、約1億3千万円の研究費をかけて実施しています。

    【一般社団法人奈良県助産師会の概要】
    奈良県助産師会は、昭和2年(1927年)奈良県産婆会として創設され、平成22年(2010年)には一般社団法人奈良県助産師会として、法人格を取得し事務局を移転し現在に至っております。その間、約一世紀、93年の歴史を持つ、伝統ある助産師の専門職団体です。
    HP:https://www.jyosansinara.com/

    【関連リンク】
    理工学部 機械工学科 教授 西籔 和明(ニシヤブ カズアキ)
    https://www.kindai.ac.jp/meikan/923-nishiyabu-kazuaki.html
    理工学部 社会環境工学科 教授 竹原 幸生(タケハラ コウセイ)
    https://www.kindai.ac.jp/meikan/284-takehara-kousei.html
    経営学部 教養・基礎教育部門 教授 佐川 和則(サガワ カズノリ)
    https://www.kindai.ac.jp/meikan/1195-sagawa-kazunori.html
    文芸学部 文化デザイン学科 准教授 柳橋 肇(ヤナギバシ ハジメ)
    https://www.kindai.ac.jp/meikan/1445-yanagibashi-hajime.html
    社会連携推進センター 特任教授 伊藤 哲夫(イトウ テツオ)
    https://www.kindai.ac.jp/meikan/254-itou-tetsuo.html

    理工学部
    https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/
    経営学部
    https://www.kindai.ac.jp/business/
    文芸学部
    https://www.kindai.ac.jp/lit-art-cul/
    社会連携推進センター
    https://www.kindai.ac.jp/rd/research-center/usr/

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