微量採取デバイスの世界市場規模:最新トレンド、成長要因、今後動向2026-2032
微量採取デバイス市場におけるコアポイント
QYResearchの分析によれば、世界の微量採取デバイス市場は2025年に96.16百万米ドルとなった。
2032年には242.36百万米ドルに達する見通しである。
2026~2032年の年平均成長率は13.7%と予測される。
上位3社23.57%、上位5社35.0%、上位10社45.0%で、頭部企業が先行する一方、極端な寡占には至っていない。

微量採取デバイス(Microsampling Devices)は、指先、踵、上腕などから、主にマイクロリットル単位の毛細血管血を精確に採取する専用機器である。対象には、容量吸収型マイクロサンプリングや定量型乾燥血液スポットなどの固定容量型製品と、少量の全血を専用容器へ回収する液体試料型の自己採血製品を含む。一般的なランセット、汎用採血管、通常の静脈採血システム、一般的な検体前処理用消耗品は対象外とする。
市場規模と今後5年予測:在宅採取と分散型医療が成長を牽引
市場は技術実証中心の段階から、診断、臨床研究、遠隔モニタリングへ商用導入が広がる局面に移っている。QYResearchの最新レポートでは、2025年に96.16百万米ドルとなった市場が、2032年には242.36百万米ドルへ拡大すると予測される。13.7%のCAGRは一時的な需要増ではなく、採血工程の簡素化を背景とする構造的成長を示している。
需要を支えるのは、低侵襲採血、在宅診断、分散型臨床試験、治療薬物モニタリング、慢性疾患管理である。必要血液量の削減は患者負担を抑え、来院や専門採血者への依存を軽減する。試料の保管・輸送を簡素化できる製品では、臨床試験の参加率や継続率を改善する効果も期待される。
北米市場は2025年の48.76百万米ドルから2032年に120.76百万米ドルへ拡大し、最大市場を維持する見通しである。アジア太平洋市場は15.98百万米ドルから42.46百万米ドルへ増加すると予測される。同地域のCAGRは15.27%で、北米の13.00%を上回る。

主要企業ランキングと市場シェア:頭部先行と専門企業の分散が併存
主要企業は、Tasso、YourBio Health、Owen Mumford、RDA Spot、Drawbridge Health(Thorne)、BD、Lipomic Healthcare、Trajan Group、Hemaxis、Lameditechの順に位置付けられる。2025年の売上高ベースでは、上位3社が23.57%を占めた。上位5社は約35.0%、上位10社は約45.0%となっている。
上位企業は一定のブランド認知、規制対応力、顧客基盤を有している。一方、上位10社でも市場の過半には届かず、単一企業群による寡占構造は形成されていない。採取方式、試料形態、対象用途ごとに専門企業が競合する、多層的な市場構造と判断される。
主要企業の動向
用途拡張では、2026年2月、米国コロラドスプリングスおよびシアトルで、TassoとInnoVeroが2026年冬季オリンピック向けに、乾燥血液スポット方式を用いたアンチ・ドーピング採血システムを供給すると発表した。臨床用途以外でも、試料の安全性、追跡性、常温安定性を備えた採取技術の導入が進んでいる。
事業統合では、2025年12月、米国サンフランシスコおよびボストンで、Hims & HersがYourBio Healthを買収する正式契約を締結した。デジタルヘルス基盤とTAP/HALO技術の統合は、自己採血デバイスを単体製品から継続的な検査サービスへ組み込む動きを示している。
製品高度化では、2024年11月、スウェーデン・ストックホルムのCapitainerが、遠心分離を用いずに定量した血漿様乾燥試料を作製できるCapitainer SEP10を発表した。競争軸は採取時の負担軽減にとどまらず、前処理、常温輸送、分析適合性まで広がっている。
今後の展望
北米は高度な検査・臨床試験基盤を背景に中心市場を維持する一方、アジア太平洋地域では医療アクセスの拡大と在宅検査需要が成長余地を押し上げる。用途面では、治療薬物モニタリング、慢性疾患管理、分散型臨床試験、新生児スクリーニング、アンチ・ドーピングの重要性が高まる。
競争は単純な市場集中よりも、用途別・技術別の分化が進む可能性が高い。固定容量精度、血球容積率の影響低減、既存分析法との同等性、規制認証、デジタル追跡、物流安定性を一体で提供できる企業が優位となる。検査会社、製薬企業、CRO、デジタルヘルス事業者との提携力も、商用展開を左右する要素となる。
日本企業への示唆
日本企業にとって本市場の情報は、在宅診断、臨床試験支援、検体物流を含む新規事業の参入可否を検討する基礎資料となる。提携先の選定では、デバイス性能だけでなく、分析適合性、規制対応、量産能力、データ連携まで確認する必要がある。調達・供給網の判断では、特定製品への依存度、消耗品の安定供給、常温輸送への対応力を比較すべきである。競合追跡では、製品発売に加え、買収、臨床検査機関との連携、用途別認証の進展が重要な先行指標となる。投資評価や社内稟議では、世界市場の成長率と地域差を、対象用途ごとの実装難易度と合わせて検証することが経営判断に資する。
本記事は、QY Researchが発行したレポート「微量採取デバイス―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」 を紹介しています。
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https://www.qyresearch.co.jp/reports/1660069/microsampling-devices
会社概要
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