祖母の遺した着物を世界の舞台へ 着物リメイクで日本の伝統美を発信
着物の新たな可能性を世界へ届けるとともに、見習い作家の仕事や活躍の場にもつなげていきます
株式会社Kanomade(代表:永吉郁音)は、2026年4月にカナダで開催される国際ファッションショー「Global Fashion Collective」への出展を予定している。亡くなった祖母から受け継いだ着物をリメイクし、日本の伝統美と現代デザインを融合させたサステナブルファッションを世界に届ける取り組みを進めている。

眠る着物を救う新たな選択肢としてのリメイク
タンスの中で眠る着物は、日本の多くの家庭に今も存在している。親や祖父母から受け継いだ大切な衣装であっても、現代の生活では着用する機会が限られており、着付けのハードルや保管の難しさもあって、そのまま長年しまわれたままになっているケースは少なくない。思い出や価値が詰まっているにもかかわらず、「着ないけれど捨てられない」「残したいけれど活かし方がわからない」という悩みを抱える人は多い。
一方で世界的には、サステナブルファッションやアップサイクルへの関心が年々高まっている。大量生産・大量消費ではなく、既にあるものに新たな価値を与え、未来へつないでいく考え方は、今の時代に強く求められている価値観のひとつである。こうした流れの中で、日本の着物は本来、非常に高い可能性を秘めた素材だといえる。美しい柄、繊細な色彩、丁寧な縫製、そして一着ごとに異なる背景。着物には、ただの古い衣服ではない、文化と記憶の積み重なりがある。
しかし日本国内では、着物リメイクはまだ十分に一般的な選択肢として浸透しているとはいえない。着物を「特別な日に着るもの」として捉える意識は根強く、日常に取り入れる方法や、新しい形で活かす発想が広く共有されているとは言い難いのが現状である。そのため、本来なら新しい命を吹き込めるはずの着物が、活用されないまま眠り続けている。
代表の永吉郁音は一昨年、祖母の遺品として多数の着物を引き取った。丁寧に仕立てられ、長年大切に保管されてきた着物を前にしたとき、「捨てる」という選択ではなく、別の形で生かす方法があるのではないかと考えるようになった。祖母が大切にしていた着物の価値を、次の世代へとつなぎたい。そして、今の時代を生きる人たちが自然に楽しめる形で、もう一度日常や特別な場に取り入れてもらいたい。そうした思いから、着物リメイクの活動を本格的に始めた。

着物リメイクは、単に古い布を洋服へ作り替えることではない。一着一着の柄の出方、色の組み合わせ、素材感、空気感を丁寧に読み取り、その着物にしかない魅力を活かしながら、新たな表情を持つ一着へ再構築していく営みである。受け継がれてきた想いを大切にしながら、現代のライフスタイルに合うかたちへと変えていくことで、着物は再び「誰かに着てもらえる服」として息を吹き返す。
SNSを通じて発信を続ける中で、「実家にたくさん着物がある」「捨てられずに困っていた」「こういう形なら着物を残したいと思える」といった声が多く寄せられた。これは、同じような悩みや想いを抱えている人が少なくないことの表れでもある。だからこそ着物リメイクは、個人の表現にとどまらず、文化継承、サステナブルな選択、そして思い出を未来へつなぐ新しい方法として、今後さらに広がっていく可能性を持っている。

日本の美と現代性を融合させたプロジェクトの展開
今回のプロジェクトでは、祖母の着物をメインに使用し、それぞれの個性を活かしたデザインで12着の衣装を制作する。2026年4月にカナダのバンクーバーで開催される「Global Fashion Collective」のランウェイで、現地のモデルと日本から参加する協力者が着用して披露される予定である。
同社の強みは、単なる衣装製作にとどまらない点にある。着物リメイク製作過程で生まれるハギレを活用し、洋裁技術を習得中の見習い作家らとともにバッグやアクセサリーなどの小物製作を行っている。これにより、技術を身につけながらも実践機会や仕事の機会が限定的だった作家志願者に、具体的なキャリア形成の道を提供している。
クラウドファンディングを通じたプロジェクト支援者には、ショー衣装と同じ生地を使用したハギレ小物やバッグ、セミオーダー・フルオーダーでの着物リメイク制作、オンライン相談など多彩なリターンを用意している。支援金はファッションショーの参加費用約118万円、渡航費・宿泊費約120万円、作品制作費5万円、作家志願者への制作委託費用などに充てられる予定である。

多彩なオーダー制作で培われた高いデザイン力
また、Kanomadeの強みは、着物リメイクに限らない幅広い制作経験にある。これまでコスプレ衣装やドレス制作、メンズ衣装制作など、多様なジャンルのオーダー作品を手がけてきたことで、求められる世界観やシルエット、着る人の魅力を引き出す表現力を磨いてきた。その積み重ねがあるからこそ、着物という素材に対しても固定観念にとらわれず、一着ごとの個性を見極めながら新たな魅力を引き出すことができるのである。

着物リメイクは、既存の布をそのまま洋服に置き換えるだけでは成立しない。それぞれの着物が持つ柄の出方、色の重なり、素材感、空気感に丁寧に向き合い、その一着にしかない表情を活かしながら、現代のファッションとして再構築していく力が求められる。着物はどれも同じではなく、それぞれに背景や表情がある。Kanomadeは、その個性を大切に受け止めながら、現代のファッションとして自然に着たくなるデザインへと昇華している。だからこそ、その作品にはただ美しいだけではない、その着物にしか生み出せない説得力と存在感が宿っている。
伝統を尊重しながらも、今の時代に「着たい」と思える形へと昇華させる感性は、数多くのオーダー制作を通して培われた経験に裏打ちされている。こうした柔軟な発想と高い表現力こそが、Kanomadeの着物リメイクを唯一無二のものにしている大きな理由だろう。
プロジェクト概要
ファッションショー名:Global Fashion Collective
開催日時:2026年4月11日
開催地:カナダ・バンクーバー
出品内容:着物リメイク衣装12着の発表
目標金額:200万円
募集期間:クラウドファンディング実施中(2026年4月30日まで)
本プロジェクトでは、祖母から受け継いだ着物をはじめとする大切な着物を使用し、現代のファッションとして楽しめるリメイク衣装12着を制作・発表します。
舞台は、カナダ・バンクーバーで開催される国際ファッションショー「Global Fashion Collective」。日本の伝統美を活かした着物リメイク作品を通して、海外へ向けて新たな和の魅力を発信することを目指しています。
ご支援いただいた資金は、ショー参加費、渡航費・宿泊費、作品制作費、ならびに制作に関わる見習い作家さんたちへの実践機会や仕事づくりにも大切に活用させていただく予定です。
会社概要
企業名:株式会社Kanomade
代表取締役:永吉郁音
事業内容:着物リメイク、ファッションデザイン、洋裁指導
SNS発信:TikTok・Instagram(@kanomade)で着物リメイク作品を継続発信中






















