「第61回 東京都公園協会賞」受賞作が決定しました!
この度、第61回東京都公園協会賞について、次のとおり入賞作品12点が決定したのでお知らせします。
24点の応募のうち、都立代々木公園の多年草花壇を継続観察し、多年草花壇の特性・課題・社会的受容性を明らかにした研究が最優秀賞を受賞しました。

最優秀賞受賞作品
「公共花壇における多年草植栽の特性把握と社会的受容に関する研究 ―都立代々木公園を例に―」
藤本 美晴(千葉大学大学院 園芸学研究科)
東京都公園協会賞とは
東京都公園協会賞は、東京市の公園課長であり当協会の2代目理事長である(故)井下清(いのした きよし)氏の寄付を基金として、1964年(昭和39年)に制定されました。1965年4月に第1回贈呈式が行われて以来、毎年実施しています。
東京を緑豊かな都市にするため、「緑と水」の普及啓発等に参加・貢献した個人または団体を対象に、「技術」「論文」「実施記録及び報告」「ボランティア・社会貢献活動」の4部門に分けて作品を公募し、優れた作品を表彰しています。
入賞者及び入賞作品
※情報は令和8年3月31日現在
1.最優秀賞 1点
≪論文部門≫
藤本 美晴 (千葉大学大学院 園芸学研究科)
「公共花壇における多年草植栽の特性把握と社会的受容に関する研究 ―都立代々木公園を例に―」
都立代々木公園の多年草花壇を継続観察し、多年草花壇の特性・課題・社会的受容性を明らかにした研究である。公共花壇における多年草導入の研究事例が少ない中で、長期かつ多角的な調査を行った点が高く評価できる。丁寧で緻密な調査に基づく非常に優れた研究であり、植物ごとの特性差異を明確にした点は他公園での多年草花壇設計に有用な基礎資料となる。
2.優秀賞 4点
≪論文部門≫
(1)石井 豪 (千葉大学 園芸学部 緑地環境学科)
「石神井川下流域の水質変化と空間的特徴に関する研究」
石神井川下流域における都市河川の水質悪化及び 局所的な水質逆転現象を対象に、 護岸形態・下水道構造・土地利用・地形など多角的な視点から分析した研究である。
長期水質データ、スカム調査、GIS分析、行政ヒアリングを統合した点は評価が高く、 都市河川における局所的な水質逆転現象を説得的に示した点は実務的にも有意義である。
(2)福島 志歩 (日本大学 生物資源科学部 環境学科)
「CS分析による都立庭園の来園者評価構造の解明 ―評価特性の差異と空間設計・管理運営に関する考察―」
3つの庭園を対象に、来園アンケートを用いて顧客満足度構造を分析し、庭園利用者の評価構造や認知度を明らかにした研究である。庭園に対するカスタマー構造を理解する上で興味深く、管理運営に役立つ知見を提供する研究として評価できる。アンケート結果の分析も丁寧で細かく行われている。
(3)山中 美樹 (東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科)
「世田谷区の街路樹を対象とした炭素固定機能の定量評価に関する研究」
樹種・生育環境・露光条件・電線干渉などが炭素固定量に与える影響を、国際的に広く用いられている i-Tree Ecoを用いて個体単位で定量評価した研究である。樹種ごとの炭素固定量の変動要因を詳細に分析した点に新規性がある。現地での地道な樹木計測、膨大なデータ分析は高く評価できる点である。
≪実施記録及び報告部門≫
空堀川清水富士見緑地運営委員会(代表 横山 哲)
「行政と地域住民の協働で育てる緑地と雑木林」
清水富士見緑地において、行政と地域住民が20年近く協働しながら緑地を育ててきた取組である。都市に残された水辺緑地における長年の協働的・実践的な取組を高い解像度で示した貴重な記録であり、地域に根ざした緑地管理の成功例として大きな価値を持つ取組である。
3.奨励賞 6点
≪論文部門≫
(1)高木 一
「サイレント・ランドスケープ ― デフリンピックを契機とした視覚型グリーンインフラ普及モデルの提案 ―」
本論文は、言語・音声依存の環境啓発の限界を踏まえ、視覚的・直観的認知を重視した「視覚型グリーンインフラ」普及モデルを提案する研究である。手話アバターによる情報可視化や土壌・水質データの視覚化など、知識偏重から知覚重視への転換という着想は新鮮であり、若年層や聴覚障害者を含む多様な利用者に対応するインクルーシブデザインとして評価できる。
(2)中西 梓穂(東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科)
「都立砧公園・宿根草ガーデンにおける生物種の多様性に関する研究」
砧公園の宿根草ガーデンを対象に、植物が生物多様性へ与える影響を検証した研究である。調査は緻密でかつ丁寧になされている。宿根草ガーデンをケーススタディとして扱っており、新規性があり価値ある研究である。都市公園の今後の植栽管理に示唆を与える研究となっている。
≪実施記録及び報告部門≫
特定非営利活動法人 生態教育センター(代表 吉田 祐一)
「都市公園における湿地再生と市民参加型保全の実践―葛西臨海公園鳥類園におけるタイコウチ繁殖確認―」
本作品は葛西臨海公園における、市民参加型湿地再生・保全活動をまとめたものである。市民と専門家の協働により湿地を再生し、絶滅危惧種タイコウチの繁殖成功は象徴的成果である。調査・整備・学習を一体化した仕組みは、環境改善と地域の環境教育の両面で評価できる。
≪ボランティア・社会貢献活動部門≫
(1)さーくる・ガーデン・クラブ(代表 中村 玲子)
「自然に優しい循環園芸で、幅広いコミュニケーションの場を提供」
本取組は、中目黒公園開園時から20年以上続く、地域住民主体の生物多様性に配慮した花壇づくりである。開園準備段階から市民が関わり、活動エリアを段階的に拡大したプロセスは理にかなっている。循環園芸の理念に基づいた植栽管理を継続し、地域コミュニティ形成にも寄与している点が評価に値する。
(2)特定非営利活動法人 日本トピアリー協会(理事 宮崎 雅代)
「日比谷公園における間伐竹の再資源化による低コスト・持続可能なトピアリー制作の実践」
2008年以降、日比谷公園の花壇植栽・維持管理を担う市民主体の取組である。植物への負担が小さい竹を再利用したトピアリー導入は評価が高く、循環型花壇として完成度も高い。工程や成果が体系的に整理されており、今後の発展も期待される。
(3)みずもと自然観察クラブ(代表 五十嵐 吉夫)
「キツネ発見!と冊子「水元公園のトンボ」作成からみる地域活性化事業×助成金×地元ボランティア団体の相互作用」
水元公園において、地域団体・行政が連携して取り組んできた成果を整理した記録である。キツネの確認という希少な成果は地道な観察活動の積み重ねがもたらした象徴的成果として高く評価される。40年にわたる調査・記録の蓄積が、生物多様性の可視化と公園価値の向上に寄与しており、その実践は評価されるとともに、今後の発展が期待される。
4.特別賞 1点
≪実施記録及び報告部門≫
川村 隆太郎(横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府)
「Water, People, Insects—水を媒介とした人と生物の弱い絡み合い、「水空録音」を通したその可聴化—」
都市公園の水域で録音した音を、水中音と陸上音を融合して編集し、水辺環境を「可聴化」した意欲的な試み。水生昆虫の鳴音や微細な水中音を捉えた新規性が高く、サウンドスケープを通じた新たな環境認知手法として、芸術性と科学的応用の両面で評価される。今後の継続的な記録や分析の深化が期待される。
ご案内
東京都公園協会 緑と水の市民カレッジ事務局にて発行の「都市公園 251号(7月号)」で受賞者紹介
を、「都市公園252号(9月号)」以降、順次作品の詳細を掲載します。
また、今回の受賞作品は東京都健康プラザハイジア(新宿区)1階 展示コーナーにて8月22日(土)から9月17日(木)までパネル展示を行います。
緑と水の市民カレッジについて
◆緑と水の市民カレッジ講座
緑と水に関する知識が学べる講座を実施し、多くの方々にご参加いただいています。
講座はカレッジ講座教室のほか東京都内の公園や緑地、河川などのフィールドでも行っています。
【緑と水の市民カレッジHP】https://www.tokyo-park.or.jp/college/
◆みどりの図書館 東京グリーンアーカイブス
動植物や環境、公園、庭園、都市計画等に関する図書、雑誌だけでなく、東京を中心とした公園に関する貴重な古写真、図面などを所蔵している緑の専門図書館です。窓口では、図書、資料探しのお手伝いをするレファレンスサービスや資料複写(有料)、図面資料等のデータ貸出を行っています。その他所蔵している貴重な資料の一部を特別公開する所蔵資料紹介コーナーを設置しています。また、インターネット上から資料を検索することができます。
■HP:https://www.tokyo-park.or.jp/college/green/
■E-mail:green-archives@tokyo-park.or.jp
◆HIBIYA PARK BIZ
公園の中のマイルームとして、ワーク&スタディにご利用ください。緑と水の市民カレッジ開館時間内に
ご利用いただけます。
・カウンターテーブル席(電源あり)12席
・ソファ席4席
・丸テーブル席6席
HIBIYA PARK BIZは、リニューアル工事のため、2026年7月1日(水)から9月30日(水)まで休館となります。詳細はホームページ(https://www.tokyo-park.or.jp/college/)をご覧ください。
【開館時間】9時~ 17時
【休館日】日曜・祝日・年末年始(12月29日~ 1月3日)
【住所】千代田区日比谷公園 1-5
【交通】
・東京メトロ丸ノ内線・千代田線・日比谷線「霞ケ関」下車 B2・C1出口徒歩3分
・都営地下鉄三田線「内幸町」下車 徒歩5分
・JR山手線「有楽町」下車 徒歩15分
【入館料】無料
【問い合わせ先】
緑と水の市民カレッジ事務局
TEL:03-5532-1306




















