【筑前りょう太インタビュー】『全国プロレス選手権大会 グローカル・タッグトーナメント2022』10.4開幕!テーマは「地方創生、プロレス業界の発展」

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    2022年9月14日 12:00

    『全国プロレス選手権大会 グローカル・タッグトーナメント2022』の実行委員である筑前りょう太氏(九州プロレス理事長)にプロレスTODAYが独占インタビューを行った。

    今大会では全国の地方プロレス12団体+グローバル枠1枠の計16チームによるタッグトーナメントを東京都・大阪府・福岡県の3都市で開催され、日本のプロレス史上最大規模のタッグトーナメント戦が実現する。

    グローカル・タッグトーナメント実行委員会には、九州プロレス:筑前りょう太、琉球ドラゴンプロレスリング:グルクンマスク、みちのくプロレス:新崎人生、大阪プロレス:ゼウス、2AW:十枝利樹の5団体による主催と言う事が発表された。

    10月4日、東京・後楽園ホールで開幕する全国プロレス選手権大会『グローカル・タッグトーナメント2022』に向けて、「私の中ではテーマがあります。1つは地方創生、もう1つはプロレス業界の発展」と語る筑前りょう太実行委員に、開催に向けての意気込みや、各団体と連携する為に努力や工夫した事、前回大会でつかんだ手応えなどを伺った。

    全国プロレス選手権大会『グローカル・タッグトーナメント2022』
    〜開幕戦〜
    10月4日(火)東京・後楽園ホール
    開場17:30/開始18:30

    〜2回戦〜
    11月12日(土)大阪・アゼリア大正
    開場17:00/開始17:30

    準決勝・決勝
    12月3日(日)福岡・アクロス福岡
    開場16:00/開始17:00

    「私の中ではテーマがあります。1つは地方創生、もう1つはプロレス業界の発展」

    ①全国プロレス選手権大会 グローカル・タッグトーナメント2022開催の意気込み

    ――今回は全国の地方プロレス12団体+グローバル枠1枠、そして一般応募1枠の計16チームによるタッグトーナメントを東京、大阪、福岡で開催ということで、日本のプロレス史上最大規模のタッグトーナメント戦となります。今回で2回目となる大会開催への意気込みをお聞かせください。
    筑前 もともとは、いち産業としてのプロレスの発展ということが発想の根底にあります。九州プロレスでたくさんの企業様とお付き合いする中で、例えばトップパートナーの第一交通産業さんはグループを通して年商1,000億ですし、他にも年商何百億という会社が世の中にはたくさん存在します。プロレス業界は推計140億と言われていますが、社会全体を見渡した時に、プロレスがまだこれだけっていうことはないんじゃないか、業界全体でもっとマーケットを広げていきたいという思いを持つようになりました。それには1社だけではなく、みんなでがんばっていく雰囲気を醸成させることが必要なので、まずは同じ立場である地域密着団体同士でつながり、それぞれのビジネスリテラシーを上げていきたいということでこの大会を企画しました。昨年初めて各社に声を掛け、福岡で3大会、1回戦から決勝まで開催しました。

    ――記者会見では、新崎人生選手から「九州プロレスのトーナメントだと思っていた」という発言がありました。自分の団体の選手が優勝しているにもかかわらず……。でも、人生選手らしい発言でしたね。一緒にやっていくメンバーとして、この5団体の実行委員会のみなさんをどのように決められたのでしょうか?

    筑前 今はプロレスラーやプロレス団体の「プロ」としての線引きが非常に難しい状況ですが、そこをきちんとしたいという思いがあり、まず事業として活動していらっしゃる団体さんに声を掛けさせていただきました。何より、地域密着プロレス団体のパイオニアであるみちのくプロレスさんは欠かせませんでした。大阪プロレスさんもそうです。琉球さんも2AWさんも、それぞれ会社として運営していらっしゃるということでお声掛けさせていただきました。昨年の失敗として、九州プロレスが主催だったことで非常に発信力の弱さを感じたので、今回はぜひ一緒にやりましょうと4名の方にお願いをして、ご了承いただきました。

    ――普段なかなか顔を合わせない5団体のみなさんですが、裏側ではどんな話をされるのでしょうか?

    筑前 通常、控室で会うことはあっても、試合の話で完結してしまって、お互いの会社の課題とかを言い合うことはまずないですよね。でも、やっぱり経営者として話すべきことがあるんじゃないかとはずっと思っていたので、会見の日、終わった後に初めてそういう話を5人でしました。

    ©グローカル・タッグトーナメント2022実行委員会
    ©グローカル・タッグトーナメント2022実行委員会

    ――会見では、筑前さんが九州プロレスの売上や選手の平均年収についてもお話しされました。プロレス業界ではあまり表に出さない数字を口にされたところに、今大会への本気度を感じました。

    筑前 経営情報の共有については業界の課題で、僕は開示を進めていくべきだと思っています。自分のところはそもそもNPOなので公開していますし、隠すべきことではないので、現在の我々の状況について話させていただきました。

    ②前年度の大会の手応え(昨年優勝:友達タッグ、GAINA&のはしたろう)

    ――あのような記者会見の場で勇気ある発言だと感じました。それが他団体のみなさんにもいい形で伝わり、場がポジティブな空間になっていましたね。今回は第2回の開催となりますが、前回大会の手応えはいかがでしたか?

    筑前 前回は企画や試合内容は本当におもしろいものになりましたが、九州プロレスからの発信ということで、なかなかたくさんの方に魅力をお伝えしきれませんでした。それで、今回は主催者や会場をもう1回しっかり考え直した形で開催することにしました。

    ――実行委員会のメンバーはレスラー兼社長が多いですが、その方々は今回は出場できないんですね。

    筑前 あくまで全国のプロレス団体を見渡すような立場でいてほしいということがありまして。

    ――やめておこうというのは、暗黙の了解だったのでしょうか?

    筑前 そうですね。人生さんはご自身からそういう申し出がありました。

    ――2AWの十枝会長も含め、これだけのメンバーが揃うのはすごいことですね。

    筑前 5人のLINEグループができた時は感動しました。「つながった!」と思って。

    ――前回はみちのくプロレスの友達タッグ(GAINA&のはしたろう)が優勝されましたが、他団体の選手の優勝をどのように感じましたか?
    筑前 僕は実行委員会という立場でしたので、地方密着のプロレス団体のパイオニアの意地を見せていただいたことは、全国の団体にとっても刺激になったと思いますし、改めてみちのくプロレスは目指すべき団体だということを示してくれて、すごくありがたかったですね。

    ③各団体と連携する為に努力や工夫した事

    ――過去のプロレスの歴史を紐解いても、団体連携は非常に難しい印象があります。今回は上手く連携されていますが、そのために努力されてきたことや工夫
    されたことはありますか?

    筑前 自社の利益ではなく業界としての利益を追求すること、その姿勢をみんなに伝えることだったと思います。現時点でプロレス業界がどれだけ世の中に元気を届けられているのかを省みることからスタートして、より業界を繁栄させていくためにはもっと経営者が学ばないといけない。業界内で限られた人たちのシェア争いをするのではなくて、もっと手を組んでプロレスというすばらしいものの魅力を広く世界に伝えていかなくてはいけないというところで、みんなの気持ちが1つになっている感じはしますね。

    ――この大会の構想はいつ頃から練られていたのでしょうか?

    筑前 創業当時から考えていました。在京のプロレス団体と地方のプロレス団体のビジネススキームはまったく別もので、僕は地域密着のプロレス団体としての形を1つ作りたかったんです。それでビジネスが継続して成り立った試しって、これまでなかったと思うんですよ。選手の経済的な我慢も含めてなんとかやってきたところがあると思うので、きちんとビジネスとして成立するプロレスの会社を地方に作り上げたかったんです。それでできた仕組みを各社でシェアし合って、各地が盛り上がっていければということで会社を少しずつ作り上げていった経緯があるので、もともとそういう思いはありましたね。

    ――この構想を、一番最初にどなたに相談されたんですか?

    筑前 誰でしょうか……。誰にも相談できなかったかもしれないですね。でも、なんとなく業界に対する危機感はみなさんお持ちなので、そういった部分で声掛けはしやすかったとは思います。

    ――昨今のコロナ禍がプロレス界に与えたダメージは本当に大きいものでした。その危機感がこのような形につながったのでしょうか?

    筑前 そうですね。コロナもありますが、選手がだんだん年を重ねていっている中、彼らの生活がよくなっていっているのかということに対して、常に「これでいいのかな」っていう問題意識も、各団体のみなさんはお持ちだったと思います。

    ④グローバル枠「世界的に活動する選手に入っていただく予定」
    (昨年はクワイエット・ストーク&ディラン・ジェイムス)

    ――グローバル枠では「世界的に活動する選手に入っていただく予定」ということですが。

    筑前 TAJIRI選手から参戦表明があって、彼がマルタ共和国からギアニー・ヴァレッタ選手を連れてくると。ヴァレッタ選手は全日本プロレスさんの世界最強タッグへのエントリーやヨーロッパを中心にアメリカやメキシコでも実績ある選手だという情報を得ていますので、楽しみですし脅威ですね。

    ――今回、「一般公募枠」が設けられましたが、これはどういったものでしょうか?

    筑前 それが、最終的に応募がまったくなくて……。

    ――(笑)。

    筑前 僕らが知らないだけで、実際に地方で会社として運営していらっしゃるプロレスの会社があるんじゃないかという期待を込めて一般募集をかけたんですけど、残念ながら応募はありませんでした。実際にそのような団体が存在しなかったのかもしれないし、スケジュールが合わなかったり、声をあげづらい呼びかけ方だったのかもしれないですので、これは次回以降への実行委員の良い反省材料にしたいと思います。今回は招待枠として、大日本さんにお声がけさせていただきました。横浜代表として参戦していただきます。

    ⑤トーナメントの組み合わせが発表

    ――先日、トーナメントの組み合わせも発表されましたね。

    筑前 はい、1回戦の全8試合とトーナメント組み合わせを先日、発表させていただきました。各団体のトーナメントの捉え方によって、団体内で今一番強い2人であったり、将来最も期待される2人であったりと、いずれも楽しみなチームを各団体が送り出していただきましたので、最高に充実した全国大会になると思います。是非、将来のプロレス界を背負う、もしくはその地域を活性化してくれるスーパースターがこのトーナメントから誕生していってほしいですね!

    ――今後、大会情報の発信はどのようにされていくのでしょうか?

    筑前 大会の公式Twitterから発信させていただきます。

    【公式Twitter】全国プロレス選手権大会 グローカル・タッグトーナメント2022
    https://twitter.com/GLOCALTAG2022

    ⑥プロレスラーとしての線引き

    ――記者会見では筑前さんから「プロレスラーとしての線引き」といった発言がありました。現時点ではそこはどのように考えていらっしゃいますか?

    筑前 ベースボールマガジン社のプロレス名鑑によると日本にはプロレス団体が49団体あるということですが、私の見立てではその中で職業としてされているのは20団体、半分以下という感じがしています。男子のレスラーも、掲載されている約850人のうち、職業として取り組まれているのは400人以下だと思います。半分以上が職業として取り組まれていない現状で、線引きをしていないことで生き方に迷っている人間を作ってしまっているんじゃないかと、業界としての責任を感じるんですよね。私もこの業界に25年いて、それはずっと思っています。それから、やっぱりプロレスラーは子どもが憧れる職業であってほしいですよね。子どもたちのためにも、戦う選手たちのためにも、やはり線引きというのは必要かなと思いますね。

    ――古くは日本プロレスから始まり、枝分かれしながら、いつかは業界団体を作って基準を設けようという話は立ち上がっては消えの繰り返しになっています。個人的には日本プロレス協会のようなものが本格的に立ち上がり、「プロとはなんぞや」の基準がきちんと設けられることを期待しています。プロレスラーは普通の人ではなれない超人で、選ばれし者が鍛え上げた身体と身体でぶつかり合う世界だと思います。ぜひそんなプロレスをこれからも応援していきたいと思っています。

    筑前 プロレスラーという存在をしっかり確立することで、社会人でプロレスをやっている方の立場も尊重されることになると思うんですよね。だって、普通の仕事をやりながらプロレスをやるってすごいことですよ。それがプロレスの偽物みたいに思われてしまうのは、本人たちにとってももちろん心外だと思うし。実際にやられているのはすごいことなので、線引きをすることで、それぞれ自分がやりたい生き方をまた自覚するいいきっかけにもなるんじゃないかなというのはありますね。プロレスに携わるすべての人に尊厳を提供するための線引きということです。

    ――そこに一歩踏み込む発言をされたことで、筑前さんの本気度を感じました。

    ⑦今後の目標

    ――最後に、今後の目標をお聞かせください。

    筑前 業界全体の成長を目指すために、まずは全国の地方団体がつながること。そして在京の団体も含めて、みんなで業界の将来を考えられるような集まりにできればいいかなと思いますね。1つになって強くなることで、スポーツ庁との連携や、ナショナルクライアントの獲得を通して業界全体のマーケットを拡大していければいいなと思います。「プロレス」と聞いたらみんながリングに立っている選手の姿をイメージできる、こんな国は他にないですよね。これは先輩方からいただいた何よりのアドバンテージで、それを利用すれば可能性は無限だと思います。ゴールデンタイム時代のプロレスを味わった方も、40代、50代と、これからだんだん少なくなってきてしまう中、僕は今がチャンスだと思うので、ぜひみんなで明日を目指す、そういう業界になるためにがんばっていきたいと思います。

    <インタビュアー:プロレスTODAY総監督 山口義徳>

    【グローカル・タッグトーナメント2022大会概要】
    参加団体は14団体、全16チームが地域の誇りを懸けて戦うタッグの祭典
    【開幕戦】10月4日(火)後楽園ホール
    【2回戦】11月12日(土)大阪・アゼリア大正
    【準決勝・決勝】12月3日(日)福岡・アクロス福岡の3都市

    全国プロレス選手権大会「グローカル・タッグトーナメント2022」

    ★10月4日(火)東京・後楽園ホール(18:30)
    【開幕戦カード】

    ▼神戸代表・DRAGONGATE(堀口元気&望月ススム)vs 川崎代表・HEAT-UP(TAMURA&今井礼夢)

    ▼沖縄代表・琉球ドラゴンプロレスリング(ウルトラソーキ&首里ジョー)vs 横浜代表・大日本プロレス(関札皓太&吉田和正)

    ▼大阪代表・大阪プロレス(HUB&タイガースマスク)vs 東北代表・みちのくプロレス(ザ・グレート・サスケ&山谷林檎🍎)

    ▼海外代表・グローバル(TAJIRI&ギアニー・ヴァレッタ)vs 九州代表・九州プロレス(玄海&佐々木日田丸)

    ▼九州代表・九州プロレス(めんたい☆キッド&野崎広大)vs 千葉代表・2AW(真霜拳號&花見達也)

    ▼愛媛代表・愛媛プロレス(ライジングHAYATO&イマバリタオル・マスカラス)vs 栃木代表・栃木プロレス(田中将斗&星野良)

    ▼東北代表・みちのくプロレス(GAINA&のはしたろう)vs 東京代表・いたばしプロレスリング(いたばし印刷マン&いたばし不動ッピー)

    ▼名古屋代表・チームでら(高井憲吾&影山道雄)vs 新潟代表・新潟プロレス(シマ重野&ビッグ・THE・良寛)

    全国プロレス選手権大会「グローカル・タッグトーナメント2022」
    〜開幕戦〜
    10月4日(火)東京・後楽園ホール
    開場17:30/開始18:30

    〜2回戦〜
    11月12日(土)大阪・アゼリア大正
    開場17:00/開始17:30

    準決勝・決勝
    12月3日(日)福岡・アクロス福岡
    開場16:00/開始17:00

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    ©グローカル・タッグトーナメント2022実行委員会
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