医療法人社団鴻愛会 こうのす共生病院

    「退院して終わり」にしない。 コミナス専従職員が地域との“再接続”を支える新たな退院支援モデル

    病院で治療し、地域へつなぐ。こうのす共生病院が実践する「暮らしまで支える医療」

    病棟での何気ない時間の中から、患者さんの思いや「これからの暮らし」を丁寧にくみ取っていく
    病棟での何気ない時間の中から、患者さんの思いや「これからの暮らし」を丁寧にくみ取っていく

    医療法人社団鴻愛会 こうのす共生病院(埼玉県鴻巣市)では、退院後の生活に不安を抱える患者さんに対し、コミュニティナースの考え方を取り入れた「コミナス」の活動を通じて、医療だけではなく地域とのつながりまで見据えた退院支援に取り組んでいます。

    このたび、コミナス専従職員が病棟で関わった退院された方が、地域の子ども食堂との出会いをきっかけに笑顔を取り戻し、新たな一歩を踏み出した事例が生まれました。

    当院では、この事例を一人の成功体験として終わらせるのではなく、「病院から地域へ人をつなぐ」という新しい地域医療の実践として発信してまいります。

    退院後、本当に「地域で暮らせている」と言えるでしょうか。

    退院できたとしても、それだけで安心して生活できるとは限りません。
    身体は回復しても、
    「誰とも話す相手がいない」
    「外へ出るきっかけがない」
    「地域とのつながりがなくなってしまった」
    そんな不安を抱えながら暮らしている方は少なくありません。
    こうのす共生病院では、退院は治療の終わりではなく、その人らしい暮らしの始まりであると考えています。
    だからこそ、私たちは病院の中だけで完結しない支援に取り組んでいます。

    コミナスとは

    コミナス専従職員・田中さん。病棟で患者さん一人ひとりに寄り添い、退院後の暮らしまで見据えた関わりを行っている。
    コミナス専従職員・田中さん。病棟で患者さん一人ひとりに寄り添い、退院後の暮らしまで見据えた関わりを行っている。

    当院では、コミュニティナースの考え方を取り入れた活動を「コミナス」と呼んでいます。
    コミュニティナースとは、病院や施設の中だけではなく、人と人とのつながりを育みながら、地域で暮らす人の健康や生活を支える実践の考え方です。
    こうのす共生病院では、この考え方を退院支援に取り入れ、コミナス専従職員が病棟や地域など院内外を横断しながら活動しています。
    対象となるのは、すべての患者さんではありません。
    退院後の生活に特に不安を抱える方を中心に、一人ひとりの思いや生活背景に寄り添いながら支援を行っています。
    病棟では、話をしたり一緒に編み物をしたりする時間もあります。

    しかし、それは単なる交流ではありません。
    何気ない会話の中から、退院後への不安や、本人が大切にしていること、「本当はやってみたい」と思っていること、地域でどのように暮らしたいかなどを丁寧にくみ取り、その人に合った地域との接点や居場所へつないでいくことが、コミナス専従職員の役割です。

    地域との「再接続」が生んだ、小さな一歩

    「ひなとま子ども食堂」の様子。子どもたちだけでなく地域とのつながりを生み出す場の一つとなっている。
    「ひなとま子ども食堂」の様子。子どもたちだけでなく地域とのつながりを生み出す場の一つとなっている。

    今回ご紹介するのは、コミナス専従職員が病棟で関わり退院された方の事例です。

    退院後、その方は気持ちが落ち込み、人との交流も少なくなっていました。
    コミナス専従職員は、病棟で築いた信頼関係をもとに、患者さんが外来受診した際も声掛けをしています。継続してお話を伺う中で、患者さんから「あなたがやっている子ども食堂を手伝いたい」と申し出がありました。
    退院された方は実際に食堂を訪れ、地域の方々や子どもたちと交流し、お手伝いにも参加されています。

    子ども食堂はゴールではありません。
    その人に合った地域とのつながりを見つけ、自分らしく暮らしていくための入り口の一つです。
    「誰かと関わる」「地域の中に自分の居場所がある」「誰かの役に立っている」と感じられる経験が、新たな一歩を踏み出すきっかけとなりました。

    「支え続ける」のではなく、「地域へつなぐ」

    こうのす共生病院が目指しているのは、病院が退院された方を支え続けることではありません。
    病院で治療し、コミナス専従職員が必要に応じて寄り添い、その人らしい暮らしをともに考えながら、地域住民や活動団体、企業など、その方に合った地域とのつながりへ橋渡しをしていきます。
    その先に目指しているのは、退院された方が地域の中で新たな役割や居場所を見つけ、自分らしく暮らしていくことです。
    そして、その暮らしを支えるのは病院だけではありません。
    地域住民や企業、地域活動に関わる人々、そして医療・介護の専門職など、それぞれが同じ地域で暮らす一員として支え合う関係を育んでいくことが大切だと考えています。

    患者さんも、職員も、地域で暮らす一人の住民。

    その垣根を越え、ともに地域をつくり、ともに支え合う関係を育んでいくこと。
    それが、こうのす共生病院が目指す「暮らしまで支える医療」です。

    コミナス専従職員・田中さん コメント

    「病棟で患者さんとお話しする時間は、その方の思いや価値観に触れる大切な時間です。何気ない会話の中から、その方が大切にしていることや、本当はやってみたいことが見えてきます。
    今回は、私が個人的に活動している子ども食堂が一つのきっかけになりましたが、大切なのはその人に合った地域とのつながりを一緒に探すことです。
    『また行ってみようかな』『また誰かと話してみようかな』と思えるきっかけをつくることが、私たちの役割だと考えています。」

    理事長・神成 文裕 コメント

    「これからの医療は、病気を治すことだけではなく、その人が地域の中で自分らしく暮らし続けられることまで考える必要があります。
    しかし、その役割を病院だけで担うことには限界があります。
    私たちが目指しているのは、病院が主体となるのではなく、地域住民や企業、地域活動など、さまざまな人たちが一緒になって地域を支えることです。
    その輪の中に病院も一員として加わり、人と地域をつないでいく。コミナスは、そのための橋渡し役です。
    このような取り組みが特別なものではなく、全国のさまざまな地域で当たり前になっていくことを願っています。」

    他院からも注目される取り組み

    こうのす共生病院のコミナス活動には、他医療機関からも関心が寄せられています。
    2026年4月には、カマチグループの職員5名が当院を訪れ、コミナス活動や退院支援、退院後の生活を実際に訪ねるフィールドワークを視察しました。
    現在は講演依頼もいただいており、医療と地域をつなぐ実践として、学び合いの輪が広がっています。

    本取り組みは「Social Goodプロジェクト」の一環です

    今回のコミナス活動は、単独の取り組みではありません。
    こうのす共生病院では、「医療だけで地域課題を解決するのではなく、地域住民や企業、行政など多様な主体とともに、人と人とのつながりを育む地域づくり」を目指し、Social Goodプロジェクト(SGPJ)を推進しています。
    退院後の患者さんを地域へつなぐコミナス活動も、その取り組みの一つです。

    Social Goodプロジェクトについて

    Social Goodプロジェクトは、医療・福祉の枠を超えて地域の孤立を防ぐことを目的とした取り組みです。

    主な活動の一部として、コミュニティナースによる伴走支援、地域交流拠点「こうのすえん」の運営、地域住民との対話の場「井戸端会議」などを行っています。病院を地域コミュニティの拠点として機能させる新しいモデルを目指しています。

    今後の展開

    当院では今後も、コミナス活動を通じて、一人ひとりに合った地域とのつながりを生み出し、退院後も安心して暮らせる地域づくりに取り組んでまいります。

    病院だけで完結する医療ではなく、地域とともに人を支える新しい地域医療の実践を、これからも発信していきます。

    本件に関するお問い合わせ・取材のお申し込み

    医療法人社団鴻愛会
    こうのす共生病院 広報室
    電話:048-541-1131
    メール:info@kouaikai.jp
    公式サイト:https://kouaikai.jp/
    Social Goodプロジェクトページ:https://kouaikai.net/sgpj/
    見学をご希望の病院関係者様、取材をご希望のメディア関係者様は、広報室までお気軽にご連絡ください。

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