イーサリアムのThe Merge(ザ・マージ)とは?PoW、PoSも含めて初心者向けに解説

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    2022年9月5日 00:00
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    イーサリアム(ETH)のThe Merge(ザ・マージ)が近づいてきました。2022年の9月15日頃に実施されると言われています。
    イーサリアム(ETH)のThe Merge(ザ・マージ)とは、イーサリアムの大型のアップデートのことで、これによりイーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがこれまでのPoWからPoSに移行することになります。
    ・・・と言われて殆どの人がピンとこないと思いますので、今回はそういった方々向けにThe Mergeとは何か、それによってイーサリアムは何が変わるのか、について丁寧に解説していきたいと思います。

    https://media.threeweb.jp/posts/about-ethereum-merge

    イーサリアム(Ethereum)のThe Merge(ザ・マージ)とは?

    The Merge(ザ・マージ)とは、この9月に行われる予定のイーサリアムの大型のアップデートの名前です。かなり大きなインパクトがあり、注目を集めています。
    内容は、イーサリアムブロックチェーンの「コンセンサスアルゴリズム」をPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行する、と言うことなのですが、、、難しいですよね。。
    単語の意味を一つずつ説明していきたいと思います。

    コンセンサスアルゴリズムとは?

    コンセンサス(consensus)とは「合意」という意味の英語です。コンセンサスアルゴリズムとは、合意方法ですね。

    例えばビットコインを送金する、NFTを購入する、などのような何かの取引を行ったとします。それに対し誰かが承認を行ってOKとなるとブロックチェーン上に取引が登録されるのです。
    この承認作業の仕組みをコンセンサスアルゴリズムと呼んでいます。

    今回のイーサリアムのThe Mergeでは取引の合意方法を変更しよう、というものなのです。
    今まではイーサリアムはPoWというコンセンサスアルゴリズムでしたが、それをPoSというコンセンサスアルゴリズムに変えようとしています。
    では、まずそもそもPoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは一体なんでしょう?

    PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とは?

    PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とはコンセンサスアルゴリズムであり、現在のイーサリアムもこのPoWの仕組みを採用しています。
    PoWは、簡単に言うと、何か取引が発生した時に、沢山のマイナーと呼ばれる人たちが承認作業のための計算を行い、一番早く計算できたマイナーのみが承認作業を行うことができ、さらにそのマイナーに報酬が与えられる、という仕組みです。
    マイナーは報酬が与えられるので高性能のマシンを用意し計算処理を行い、競って承認を行います。

    PoW(プルーフ・オブ・ワーク)のデメリット

    PoWでは膨大な計算処理が必要となるため、膨大な電力量を必要とします。
    そのため、現在の環境問題の意識が高まっている現代では受け入れにくく、エコを重視する団体からイーサリアムの電力消費量について指摘を受けることもあります。

    PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは?

    PoS(プルーフ・オブ・ステーク)もブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムの一つです。
    PoSは、ステークする仮想通貨の割合に応じてブロックを新たに承認する権限が得られるようなコンセンサスアルゴリズムです。PoSはその暗号資産の保有量が多いほど承認の役割を割り当てられる確率が高くなっています。

    PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のメリット

    PoSではPoWと異なり膨大な計算処理をする必要がありません。そのため、消費電力量が圧倒的に少なくなります。
    イーサリアム財団によると、イーサリアムをPoWからPoSにすることで電力量の消費を99.5%削減できる可能性があるそうです。

    イーサリアムのThe Merge(ザ・マージ)の目的は?

    さて、上記でPoS、PoWとコンセンサスアルゴリズムについて説明してきました。
    これらがわかったところで、ではいよいよ「何のためにThe Mergeをやるの?」という話をしていきましょう。
    目的は、エネルギー効率と安全性を高めることが大きな目的となります。
    PoSのメリットのところでも書きましたが、現在のイーサリアムのPoWのコンセンサスアルゴリズムは膨大な電力量を消費しているところを、PoSに変えることで99.5%削減できますし、ネットワークが中央集権化するリスクも低くすることができます。
    これは大きなメリットですよね。
    また、もう一つの大きな目的として、今後のスケーラビリティ問題を解決するための準備としての土台づくりという、観点もあります。2023年にはシャードチェーンという仕組みを導入するとこで将来的にスケーラビリティ問題を解決する計画があり、そのための下地づくりも今回のアップデートの目的のようです。

    イーサリアムのThe Mergeでガス代は安くならない!?

    今回のThe Mergeのアップデートで、イーサリアムの「ガス代」と言われる手数料は安くなるのでしょうか?
    なんとなく、PoWのような膨大な計算処理がなくなるためガス代も安くなるのではと思ってしまいがちですよね。
    しかし、実際は今回のThe Mergeで安くなるというのは間違いだそうです。
    イーサリアムは、将来的にシャーディングというスケーラビリティやキャパシティの問題を解決する方法を用いて対応する予定ですが、今回のアップデートではそのシャーディングの土台作りを行うようです。
    そして、今回のアップデート・The Mergeではシャーディング自体は実施されないため、ガス代が安くなることはないようです。
    同じ理屈で、イーサリアムのトランザクション速度も変わらないそうです。

    イーサリアムのThe Merge(ザ・マージ)まとめ

    今回はイーサリアムのThe Mergeについて説明してきました。
    いかがでしたでしょうか。
    暗号資産、イーサリアムの初心者の方には、コンセンサスアルゴリズム、PoW、PoSといった謎の単語が乱立し中々理解しにくいところですよね。
    まとめるとこんな感じです。

    コンセンサスアルゴリズムとはブロックチェーンの取引を承認するやり方の一つ。
    PoWとは今のイーサリアムのコンセンサスアルゴリズム。マイナーが競って膨大な計算し承認する仕組み。電気量の消費が大きい。
    PoSとは暗号資産の保有量の多い人が承認する権限を得やすい仕組み。膨大な計算が不要で電力量の消費が小さい。
    The Mergeとは、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへ移行すること。
    移行の目的は、電力量の消費や中央集権化のリスクを抑え、シャーディングのための土台づくりをすること。
    The Mergeではガス代は安くならないし処理速度も速くならなそう。

    実際に移行したらどうなるか、楽しみですね。
    それではまた次回。

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