【心理的安全性】“罰ゲーム化”が問題視される管理職、 弱みの見せ方に差。“ゴール添え”で伝えた上司は、 添えずに伝えた上司の約4.3倍 「部下から率直な意見が出るようになった」| 「上司のヴァルネラビリティ調査2026」の結果を発表
上司200名調査。伝え方9項目のうち、差が最も大きかったのは「ゴール添え」。 一方で、上司の約3割は本音を十分に話せない“隠れ孤立”の状態に
株式会社キャリ・ソフィア(大阪本社:大阪府吹田市、代表取締役:木山 美佳)は、「上司が部下に自分の弱みを見せることに関する調査(上司のヴァルネラビリティ調査2026)」の結果を発表いたします。
「管理職の罰ゲーム化」が指摘され、管理職の負担軽減や支援のあり方が人材マネジメントの課題となっています。また、心理的安全性を高めるために、上司が部下に弱みを見せることの重要性が語られています。一方で、どのように弱みを見せれば心理的安全性につながるのかは、十分に示されてきませんでした。本調査では、部下を指導・育成する立場にある上司200名を対象に、何を弱みと捉え、何を、どのように伝え、その後どのような変化があったかを明らかにしました。
調査の結果、部下に弱みを伝えた上司148名のうち、達成したい目的や目標を併せて伝えた上司(以下、「ゴール添え」の上司)は、「部下から率直な意見が出るようになった」と答えた割合が58.7%でした。目的や目標を添えずに伝えた上司では13.7%で、「ゴール添え」の上司の割合は約4.3倍です(いずれも上司本人が感じた変化です)。Q4で尋ねた伝え方9項目(文末に記載)それぞれについて、選んだ上司と選ばなかった上司で「部下から率直な意見が出るようになった」の割合を比べると、最も差が大きかったのが「ゴール添え」でした。ただし、弱みを伝えた上司148名のうち、「ゴール添え」で伝えた上司は31.1%と約3割にとどまっています。
また、上司が「部下に伝えると、上司として弱みを見せることになる」と感じる内容を12項目(複数回答)から選んでもらったところ、最も多い「失敗や間違い」「不安やプレッシャー」(各29.0%)から同率6位の「分からないことがある」「今後の見通しを持てていない」(各23.5%)までが5.5ポイントの僅差で並び、突出した項目はありませんでした。何を弱みと感じるかは、上司によって異なります。さらに、仕事上の本音や不安、迷いを安心して話せる相手が「いない」(10.5%)、「いるが、十分には話せていない」(18.5%)上司は、合わせて29.0%にのぼりました。
本調査では、この状態を“隠れ孤立”と呼んでいます。部下に弱みを伝えるときは、目的や目標を添えるなど伝え方を工夫すること。それとは別に、上司自身の不安や迷いを受け止める場として、メンタリングを用意すること。当社は、この2つが心理的安全性の高い職場づくりに向けた重要な視点だと考えています。
※ヴァルネラビリティ(バルネラビリティ/vulnerability):英語で「傷つきやすさ」「弱さ」を意味する言葉。組織やリーダーシップの分野では、自分の弱みや不確かさを他者に開示することを指して用いられる。本調査では、上司が部下に自分の弱みや迷いを伝えることを扱っている。
弱みの見せ方に差。「ゴール添え」は約4.3倍、管理職の約3割が“隠れ孤立”

図1 キービジュアル:弱みの見せ方に差。「ゴール添え」は約4.3倍、管理職の約3割が“隠れ孤立”
■主なトピックス
1) 伝え方(1)「ゴール添え」:目的や目標を添えて伝えた上司は、添えずに伝えた上司の約4.3倍「部下から率直な意見が出るようになった」(58.7%と13.7%)。伝え方9項目の中で最大の差
2) 伝え方(2)「整理」:現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた上司は、マイナスの変化があった割合が9.8%と少ない(整理せずに伝えた上司は24.1%)
3) 「部下に伝えると、上司として弱みを見せることになる」と感じる内容は、上位7項目が23.5~29.0%の僅差で並び、突出した項目はない。何を弱みと感じるかは上司によって異なる
4) “罰ゲーム化”が問題視される管理職、29.0%が“隠れ孤立”。本音を話せる相手が「いない」「いるが十分には話せていない」
「ゴール添え」の有無別 弱みを伝えた後の変化

図2 ゴール添えと変化:「ゴール添え」の有無別 弱みを伝えた後の変化
「現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた」か否か別 伝えた後の変化

図3 整理とマイナスの変化:「現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた」か否か別 伝えた後の変化
部下に伝えると「上司として弱みを見せることになる」と感じる内容

図4 弱みと感じる内容:部下に伝えると「上司として弱みを見せることになる」と感じる内容
管理職の約3割が“隠れ孤立”

図5 隠れ孤立:管理職の約3割が“隠れ孤立”
■「ゴール添え」の伝え方を広げ、“隠れ孤立”を防ぐための提案
本調査では、弱みは伝え方によって、その後の変化が異なりました。「ゴール添え」で伝えた上司は、部下から率直な意見が出るようになったと答えた割合が、添えずに伝えた上司の約4.3倍で、伝え方9項目の中で最も大きな差でした。しかし、弱みを伝えた上司148名のうち、「ゴール添え」で伝えた上司は約3割にとどまります。一方で、自分の不安や負担を伝えることが中心だった上司は、マイナスの変化があった割合が高い傾向が見られました。上司の不安そのものは、部下ではなく、部下以外の相手が受け止めることが望ましいと当社は考えます。しかし、本音を誰にも十分に話せていない“隠れ孤立”の上司は約3割にのぼります。“隠れ孤立”は、いわゆる「管理職の罰ゲーム化」の背景の一つになり得ます。
管理職に対して弱みの開示を一律に求めるのではなく、部下に伝えるときは何を、どのような目的で伝えるかを学ぶ教育を、それとは別に上司の不安を部下以外が受け止める仕組みを用意することが重要です。当社は、「ゴール添え」をはじめとする弱みの捉え方と伝え方を学ぶ教育(研修・チームビルディング)と、仕組みとしてのメンタリングの両面から、管理職を支えることを提案します。
■調査結果を受けて
心理的安全性のために部下に弱みを見せる、というところで終わらせず、どのように伝えればマネジメントに活きるのかを考えることが大切です。本調査でも、目的や目標を添えて伝えた上司ほど、部下から率直な意見が出るようになったと感じていました。そして、それとは別に、上司自身が不安や迷いを安心して話せる場も必要です。約3割の上司が本音を十分に話せていない現実は、管理職を支える仕組みとしてのメンタリングの必要性を示していると感じています。
株式会社キャリ・ソフィア 代表取締役 木山 美佳

代表取締役 木山 美佳
■調査結果の引用について・補足事項
●本調査を引用いただく際は、出所として「株式会社キャリ・ソフィア『上司のヴァルネラビリティ調査2026』」と記載してください。
●調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
URL: https://www.career-sophia.jp/vulnerability-survey-2026/
●“隠れ孤立”の割合(29.0%)とQ1は200名、トピックス1・2はQ3で具体的な内容を回答した148名が母数です。
●「ゴール添え」は、Q4で「達成したい目的や目標を併せて伝えた」と回答した伝え方を指す当社の呼称です。
●マイナスの変化は、Q5の「部下を不安にさせたと感じた」「部下から頼りなく思われたと感じた」「自分の専門性や判断力に対する評価が下がったと感じた」「部下との関係がぎこちなくなった」「自分自身の心理的な負担が増えた」の5項目を当社が区分したものです。
●伝え方9項目(Q4):「達成したい目的や目標を併せて伝えた」「現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた」「自分が引き受ける責任や役割を明確にした」「代替案や別の方法を示した」「今後の対応や次の行動を示した」「部下に求める協力を具体的に伝えた」「部下に意見や提案を求めた」「自分の不安や負担を伝えることが中心だった」「解決方法やその後の対応を部下に委ねた」。それぞれについて、選んだ上司と選ばなかった上司の「部下から率直な意見が出るようになった」の割合を比べています(「解決方法やその後の対応を部下に委ねた」は8名のため比較から除外)。
■調査概要
調査名 :上司が部下に自分の弱みを見せることに関する調査
(上司のヴァルネラビリティ調査2026)
調査主体 :株式会社キャリ・ソフィア
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :部下を指導・育成する立場にある上司(スクリーニング済み)
有効回答数:200名(男性150名・女性50名)
調査期間 :2026年9月15日
■会社概要
会社名 : 株式会社キャリ・ソフィア
代表者 : 代表取締役 木山美佳
所在地 : 〒564-0082 大阪府吹田市片山町3-11-16
ワークスタイルイノベーションオフィス(大阪本社)
拠点 : 東京サテライトオフィス(東京都中央区)、
福岡ワーケーションオフィス(福岡県大牟田市)
設立 : 2011年3月
事業内容: 人材育成・キャリア開発・ダイバーシティ研修、
教材開発(キャリアエレメンツカードほか)























