9月1日から全国の一般道の約7割が時速30キロに 対象道路の地図が公表されていないため、福井のひとり事業者がAIで判定した推定マップを無料公開
国土地理院の道路データと警察庁の交通規制基準をAIが突き合わせて道路1本ずつを判定し、住所を入れるだけで地図に表示。県庁所在地の中心部を比較すると、対象の割合は奈良市85%、札幌市35%と地域差があることも分かった
2026年9月1日、改正道路交通法施行令が施行され、中央線のない一般道路の法定速度が時速60キロから30キロに引き下げられました。報道によれば、全国の一般道のうち約7割が対象とされています。ただし、どの道路が対象になったのかを示す地図や一覧は公表されていません。
福井県越前市でウェブ制作を行うYNHT WEB DESIGNERは、この対象道路を地図上に推定表示する無料サービス「この道30キロ?」を公開しました。
■ 背景:法律は変わったが、どの道が対象かの地図が無い
引き下げの対象は、中央線や車両通行帯がなく、往復の通行が構造的に分けられていない一般道路です。全国の一般道およそ122万キロのうち、報道によれば約7割が該当するとされています。
ただし、対象になった道路すべてに新しい標識が立つわけではありません。標識のない道路の速度が変わったという性質上、走っているだけでは変更に気づけない道路が数多く残ります。
そして現在のところ、当方が確認した範囲では、警察庁および各都道府県警察は、どの道路が対象になったのかを示す地図や一覧を公表していません。公式の案内は「不明な場合は最寄りの警察署へお問い合わせください」という趣旨にとどまっています。
つまり、法律は変わったのに、自分がふだん走っている道が対象かどうかを確かめる手段が、一般の運転者にも事業者にも用意されていない状態が続いています。
■ 公開したもの:住所を入れて道に触れると、対象かどうかの推定が出る地図
「この道30キロ?」は、住所を入力するか現在地を許可すると、その周辺の地図が表示され、カーソルを置いた(スマートフォンでは指で触れた)まわりの道路だけが色分けされるウェブサービスです。赤く表示された道路が、時速30キロの対象と推定される道路です。あわせて、画面内の道路延長のうち対象と推定される割合を表示します。会員登録は不要で、無料で利用できます。
道路を選ぶと、なぜその判定になったのかという根拠も表示されます。エリア全体を色分けした地図は、後述の事業所向け資料に含めています。
■ 判定の方法と、その限界
法律上の基準は「中央線・車両通行帯があるかどうか」ですが、一般に公開されている地図データに中央線の有無は収録されていません。
そこで本サービスでは、警察庁の交通規制基準において中央線が車道幅員5.5メートル以上の道路に設置されるとされていることを根拠に、国土地理院が公開している道路データの幅員区分(5.5メートルを境とする区分)と、中央分離帯の有無で代替して判定しています。この突き合わせを、画面に表示された道路1本ずつに対してAIが行っています。
このため、本サービスの表示はあくまで推定です。とくに幅員が5.5メートル以上あっても中央線が引かれていない道路は、地図上では対象外と表示されますが、実際には時速30キロの対象となります。また、標識で速度が指定されている道路は、標識の速度が優先されます。
サービス上ではこの点を明示し、現地の中央線と標識で確認するよう案内しています。
なお地図は、あらかじめ作成したものを配信しているのではなく、利用のたびに国土地理院の最新の道路データを取得して判定しています。
■ 分かったこと:対象の割合は、街によって大きく違う
47都道府県の県庁所在地について、それぞれ市役所を中心とした約4キロ四方を同じ条件で計測したところ、対象と推定される道路の割合(その範囲の道路延長に占める割合)に大きな地域差がありました。
最も高い :奈良市 85% 甲府市 84% 福島市 84%
最も低い :札幌市 35% 名古屋市 41% 横浜市 51%
福井市 :65%(47都道府県中 35位)
碁盤の目状に広い道路が整備された都市では対象の割合が低く、細い道が入り組んだ都市では高くなる傾向が見られました。いずれも当方による推定値です。
この47都道府県分の計測結果(対象率・対象延長・総延長)は、報道機関からのご請求に応じて無償で提供します。
■ 社用車を使う事業所向けに、教育用の資料一式も提供
自動車を5台以上(乗車定員11人以上の自動車なら1台以上)使用する事業所には、安全運転管理者を選任する義務があります。内閣府の資料によれば、全国でおよそ39万2千事業所、管理される車両は523万台にのぼります。福井県内では、福井県警察が公表している一覧によると3,412事業所が選任しています。
安全運転管理者の業務には、運転者に対する交通安全教育・指導が含まれています(道路交通法施行規則第9条の10第9号)。今回の法改正はその対象になりますが、どの道路が対象かは会社ごとに異なるため、全国共通の資料では運転者に伝えきれないという事情があります。
そこで、事業所の所在地を指定すると、その周辺の推定マップに加えて、掲示用ポスター、運転者が自分のよく走る道路の中央線を確認して記入するシート、交通安全教育の実施記録の様式をA4のPDFで作成する「生活道路 安全教育セット」を用意しました。
確認シートは、推定の限界を運転者自身の目で補うためのものです。同時に、その確認作業そのものが交通安全教育にあたるため、記入済みの用紙がそのまま実施の記録になります。
■ 開発の経緯
当方は福井県内の中小事業者のホームページを制作しており、社用車を使う事業所と接する機会があります。今回の改正を知った際、対象道路の地図が公表されていないことに気づきました。
公開されている国土地理院のデータに道路の幅員区分が含まれていることから、完全ではないものの、おおよその見当をつける地図であれば作れると考えたことがきっかけです。企画から開発、運用まで、すべてひとりで行っています。
開発そのものにもAIを使っています。当方は従業員を雇わないひとり事業者ですが、判定の設計から地図の実装、資料の自動生成までをAIとともに進めることで、この規模でも全国分の道路データを扱うサービスを形にできました。AIを地域の事業者の役に立つ形で使う、という取り組みでもあります。
■ 代表者の話
YNHT WEB DESIGNER 代表 見延 陽一(みのべ よういち)
「法律は変わったのに、自分がふだん走っている道が対象かどうかを確かめる手段がありませんでした。完全な地図は作れませんが、見当をつけられるだけでも違うと思い、公開しました」
「従業員を雇わないひとりの事業者でも、AIを使えば全国分のデータを扱うものが作れます。地元の会社の役に立つ形で使いたいと考えています」
■ 提供条件
サービス名 :この道30キロ?
地図 :無料・会員登録不要 https://www.ynht-web.com/30km
生活道路 安全教育セット :14,800円(税込・買い切り)
掲示用ポスター/営業エリアの推定マップ/運転者の確認シート/
交通安全教育の実施記録の様式(いずれもA4のPDF)
お支払い後、専用ページで住所を入れて作成・保存
サービスサイト:https://www.ynht-web.com/seikatsudoro
■ 今後について
まずは対象道路の見当をつける手段として使っていただくことを目指します。判定の精度については、実際に現地を確認された方からの指摘を受け付け、改善していく予定です。
■ 会社概要
名称 :YNHT WEB DESIGNER(YNHT)
代表者 :見延 陽一(みのべ よういち)
所在地 :福井県越前市
事業内容 :ホームページ・ランディングページの制作および保守、
小規模事業者向けWebサービスの開発・運営
ホームページ :https://www.ynht-web.com/
Instagram :https://www.instagram.com/ynht2026/
■ 本リリースに関するお問い合わせ先
YNHT WEB DESIGNER
Mail :ynht.webdesign@gmail.com
サービスサイト:https://www.ynht-web.com/seikatsudoro
無料の地図 :https://www.ynht-web.com/30km
取材、写真・画像の提供、47都道府県分の計測データの提供に応じます。
※法改正の内容の出典:警察庁および各都道府県警察の公表資料
※道路データ:国土地理院ベクトルタイル提供実験を加工して作成
※安全運転管理者の事業所数・車両数の出典:内閣府「令和6年交通安全白書」
※福井県内の選任事業所数の出典:福井県警察「安全運転管理者選任事業所一覧」(令和8年6月30日時点)
※本サービスによる判定は推定であり、現地の道路標識および中央線が優先します。























