企業のデジタル・インフラの複雑化が、約100万ユーロ*相当の成長機会損失と AI戦略停滞を招く ― Colt調査
―日本企業150社全てが、自身の複雑なデジタル・インフラが エージェント型AIのような新興テクノロジー導入遅れの原因になっていると指摘―
注:本リリースは英国において2026年6月30日(火)に発表されたリリースの日本語訳版です。
*: 1ユーロ=185円換算で約1億8500万円。
英国ロンドン発2026年6月30日–グローバル・デジタル・インフラストラクチャ企業であるColtテクノロジーサービス(本社:英国ロンドン、代表:ケリー・ギルダー(Ms. Keri Gilder), CEO、以下Colt)が本日発表した独自調査によると、企業は複雑化したデジタル・インフラによって、年間約100万ユーロ(約1億8500万円)相当の成長機会を失い、AI導入の進展も停滞していることが明らかになりました。
この複雑性による遅延や手戻りにより、年間40万ユーロ以上(同約7400万円)の損失が発生している他、イノベーション施策の停滞により、更に50万8,000ユーロ相当(同9398万円)の価値が奪われています。この結果、年間で合計約100万ユーロ分の事業成長、及びイノベーションの可能性が阻害されていることになります。
本調査結果は、『The Cost of Complexity(複雑性のコスト)』と題したレポートで公開されました。調査対象は、英国、フランス、ドイツ、オランダ、日本の大企業600社のシニアリーダーで、平均従業員数は26,055人です。
調査回答者は、複数ベンダーの管理(57%)、レガシーシステムの運用(48%)、セキュリティ及びコンプライアンス要件への対応(36%)など、様々なネットワーク複雑性の要因を挙げています。これにより、社内コストの増加、プロジェクト進行の遅延、サプライヤーコストの増大、売上計上の遅れ、セキュリティ及びコンプライアンスリスクなどが生じています。
AI推進への影響:
複雑かつ分断されたインフラにより、AI導入は停滞しています。
回答者の60%が、「デジタル・インフラの複雑性が、AIを大規模に活用する上で障壁となっている」と回答しました。また、2/3の66%が「企業はAI活用の機会を逸している」と考えています。
財務面への影響:
自社への財務的影響¹について尋ねたところ、回答者は、複雑性による事業進行の遅延によって、過去12カ月で平均約40万1,400ユーロ(同約7425万9000円)の価値が失われたと推定しています。
国別では、英国企業が45万400ユーロ(38万7,400ポンド)で最も高く、調査平均を約12%上回りました。続いてドイツが44万5,400ユーロ、フランスが42万9,000ユーロでした。
日本企業は40万5,000ユーロ(同約7492万5000円)、オランダ企業は25万5,300ユーロと回答しています。
これらのコストは、事業進捗の遅延によって生じたものと推定されています。調査対象企業の57%が、「デジタル・インフラが事業成長のスピードに追いつかないことで、毎年収益機会を失っている」と回答しました。
さらに過去12カ月間において、これら調査対象となった大企業600社では、デジタル・インフラの複雑性が要因となり、平均14件のイノベーション施策を十分に推進できませんでした。
これら停滞した施策の年間平均価値は50万8,000ユーロ(同約9398万円)でした。
国別では、フランス企業が75万3,000ユーロ、英国企業が74万3,600ユーロ(63万5,500ポンド)と特に高く、続いてドイツが55万4,700ユーロ、オランダが33万5,100ユーロ、日本が22万9,900ユーロ(同約4,253万1,500円)でした。
時間面への影響:
複雑なデジタル・インフラは、事業拡大や変革推進などの重要な業務オペレーションを遅らせており、過去12カ月間で累計7週間分に相当する遅延を生み出しています。
企業の91%が、「この複雑性により、エージェント型AIのような新興テクノロジー導入が遅れている」と回答しました。特に日本では100%がそう回答しており、英国(88%)、ドイツ(88%)、フランス(86%)を上回りました。
また、93%がM&A統合の遅延、84%が市場拡大の遅れ、83%が製品上市の遅延を経験していると回答しています。さらに、56%が「複雑性がイノベーションを阻害している」、44%が「運用コスト増加につながっている」、39%が「収益成長を妨げている」と回答しました。
日本では、組織が特に高いレベルのデジタル・インフラの複雑性に直面しており、基幹システムは平均で18のベンダー、プラットフォーム、ツールにまたがっています。これは世界平均を大きく上回る水準です。この複雑性の主な要因は、複数ベンダーの管理(63%)、及びレガシーシステム(61%)であり、いずれも全調査国の中で最も高い割合となっています。更に、セキュリティやコンプライアンスの課題(34%)も継続的に存在しています。
これらの結果は、複雑性が運用効率や日本における大規模な変革・イノベーション加速能力に深刻な影響を与えていることを示しており、デジタル・インフラの簡素化が成長の鍵であることを示唆しています。
上記は、経済産業省が2018年9月に発表した、DXレポート**に記載されている、いわゆる「2025年の崖」問題の解決策と一致しています。
**: https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/20180907_01.pdf
https://www.meti.go.jp/english/press/2025/0528_001.html
Colt テクノロジーサービス、 Enterprise Sales担当上級副社長のラウラ・ファリーナ(Ms. Laura Farina)は次のように述べています。
「多くの複雑な企業ネットワークは、異なる世代のLEGOブロックを積み重ねるように構築されてきました。理論上は互換性があっても、クリーンで安定した構造を形成するようには設計されていません。この複雑性はいまや調査対象の大企業600社に、実際的な財務面・運用面への影響を及ぼしており、AI導入を遅らせ、将来的な成長を危険にさらしています。」
主なポイント:
デジタル・インフラをシンプル化する企業ほど、財務パフォーマンス向上やAIの展開拡大において優位に立っています。その実現には、以下の基盤が重要です。
・シンプル化は継続的に行うべき:一度限りの整理ではなく、継続的な設計原則として取り組む
・バランスが重要:レガシーシステムを簡素化しながら、並行して変革とイノベーションを推進する
・新たな複雑性を追加しない:新しいツール、プラットフォーム、ベンダーは摩擦を減らすべきであり、新たなサイロ化や階層化を生んではならない
・モダナイゼーションと廃止を同時に進める:新システム導入時には、旧システムの統合・廃止も実施する
・外部支援が必要な場合も多い:障害発生リスクや、複雑なシステムへの依存による不安から、多くの企業が外部専門家を求めている。
ファリーナは更に次のように述べています。
「Coltは、ネットワーク自体の摩擦を減らすことで、ITリーダーによるデジタル・インフラの簡素化を支援しています。よりクリーンな設計、少ない構成要素、自動化、そしてAIのような現代的ニーズに対応したインフラを通じて、企業が成長し、競争し、AI経済の中で成功出来る、安全かつスケーラブルなネットワークを実現しています。」
本数値は、複雑なデジタル・インフラによる遅延を原因とした企業の年間推定損失額の平均値。新市場参入、M&A統合、製品・サービス立ち上げ、ワークロード移行、コンプライアンス・セキュリティ対応、エージェント型AIなど新興技術導入における遅延や手戻りを基に算出。
² 換算レート:1ユーロ=185円を使用
※ 本調査に於ける「デジタル・インフラ」は、「ネットワーク、及びネットワーク・セキュリティ、ユニファイドコミュニケーション、クラウド・プラットフォーム」を指す。
――――――――――――――――――
調査概要
Coleman Parkesは2026年2〜3月にかけて、英国(117社)、フランス(117社)、ドイツ(116社)、オランダ(100社)、日本(150社)の企業に所属するCEO、CIO、CTO、IT部門責任者計600人を対象に調査を実施しました。対象企業の平均従業員数は26,055人です。
なお、本調査におけるデジタル・インフラは、ネットワーク、セキュリティ、クラウド/データプラットフォームで構成されるものと定義されています。
Colt テクノロジーサービスについて:
Coltは、グローバルAIエコノミーを支える、卓越したデジタル・インフラストラクチャを所有・運用し、社会をつなぎ、コミュニティを築き、人々の生活を変革する企業です。欧州、アジア、北米における65以上の事業所で活躍する数千名の社員が、「お客様にとって全ての体験をシームレスに」という共通の思いを持って取り組んでいます。
お客様やパートナーは、大陸をまたぎ海を越えるネットワークで提供される、Coltの受賞歴あるファイバー・インフラ、デジタル・プラットフォーム、セキュリティ・ソリューションを選択しています。Coltは欧州最大のB2B通信事業者であり、40カ国以上を接続し、32,000の商用ビル、275以上のPoP、12のケーブル陸揚げ局を結び、8つの海底ケーブル・システムを管理しています。また、世界で最も相互接続されているネットワークであるAS3356を共同運用しています。
Coltは30年以上前にロンドンで設立され、公正性、包含性、公平性の価値観に基づき、非上場企業として運営されています。社会課題と持続可能性への強いコミットメントで知られ、あらゆる活動の中心に「お客様・コミュニティ・従業員に想像を超える結果をもたらす、“無理なくつながる世界”の創造」という目的を掲げています。
詳しくは www.colt.net/ja/ をご覧頂くか、LinkedIn、Instagram、TikTok、Facebook、YouTube のコミュニティにご参加ください。

















