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~気温が高くなり始める時期、ダニ対策は大丈夫?~ ダニ対策の第一歩、ダニを知ることからはじめよう

 「部屋に入ったら、何かムズムズする…」「布団の上げ下げのときにくしゃみが…」このよう経験はありませんか?それは、ダニの仕業かもしれません。
 そこで、ライオン株式会社が発売する殺虫剤ブランド「バルサン」の開発を手がける薬品第2研究所の亀崎 宏樹 副主席研究員がダニの生態について解説するとともに、効果的な駆除方法についてご紹介します。

虫博士
虫博士

<ライオン株式会社 薬品第2研究所 副主席研究員 亀崎 宏樹(通称:虫博士)プロフィール>
 学生時代に応用昆虫学を専攻。以来、約30年間、ゴキブリやダニなどの害虫の生態や駆除剤の研究に携わる。殺虫剤ブランド『バルサン』の商品開発を担当し、研究成果を学会で報告する他、大学での特別講演や、生活者向け講座などで「害虫の生態や駆除方法」についての講演も行っている。
http://www.atpress.ne.jp/releases/59171/img_59171_1.jpg


1.「ダニ」とは、どのような生き物?
■ダニは世界で約40,000種類!
 ひと口にダニと言っても、生態や形・大きさなどは様々です。世界中には約40,000種類のダニがいると言われており、大部分は土の中や枯葉の下で暮らしています。そこでは、腐りかけた枯葉を食べて土に返すなど、生態系のなかで大切な役割を担っています。
 ちなみにダニの脚は8本あり、昆虫ではなくクモの仲間になります(昆虫は脚が6本)。

■害虫と呼ばれるダニ
 一般的に、人や農作物、家畜など、人の生活にとって害になる虫を「害虫」と言います。害虫と呼ばれる代表的なダニは下表のとおりです。
 植物に寄生することで農作物に被害を与えたり、動物や人に寄生したり、屋内の塵に生息することでアレルギーの原因になったり、貯蔵食品に発生するなど様々です。ツツガムシ病の原因となるツツガムシもダニの1種です。
http://www.atpress.ne.jp/releases/59171/img_59171_2.jpg


~コラム~ <春から増加!近年知られるようになったマダニ媒介性疾病>
 2013年、国内で初めてウイルス性の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者の発生が報告され、このウイルスをマダニが媒介することが知られるようになりました。厚生労働省の感染症発生動向調査では、2015年3月時点で110名の患者が報告され、マダニの分布が全国的に広がっていることがわかっています。
 マダニの生息地は主に山間部ですが、庭や公園など、身近な場所でマダニが繁殖している例もあります。原因は不明ですが、人やペットとの接触頻度が高くなっているのかも知れません。マダニに刺されないためには、ガーデニングや散歩など、野外活動を行うときは、できるだけ肌の露出を避け、家に入る前は衣服をはらうなどの注意が必要です。


2.要注意!アレルギーの原因にもなる「ヒョウヒダニ」
 病院でアレルギーの検査をしたとき、検査結果の欄に「コナヒョウヒダニ」や「ヤケヒョウヒダニ」という項目を目にしたことはありませんか?これらのダニの糞や死骸などを吸入したり接触することで、気管支喘息や鼻炎、皮膚炎などのアレルギー症状が引き起こされることから、ヒョウヒダニはアレルギーの原因と言われています。
 コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニは、外見上はほぼ同じ形をしており、大きさは0.3~0.4mm程度です。違いは、コナヒョウヒダニよりもヤケヒョウヒダニの方が若干高い湿度を好むと言われています。
 餌はヒトのフケや食べこぼしなどです。ある程度湿度があり、屋内や塵など隠れる場所があれば、家の様々な場所で生育し、繁殖します。代表的な生息場所はカーペットや畳、クッションなどで、玄関やお風呂の足拭きマット、ソファーや布製椅子なども要注意です。


3.ダニの住みにくい家にするには
 ヒョウヒダニは屋内の環境に適応しているので、人にとって快適な環境はダニにとっても快適な環境といえそうです。しかし、ちょっとした心がけでダニの少ない環境をつくることは可能です。以下の中から、できそうなことから始めてみましょう。
 ダニ対策のポイントは、以下の3点です。

(1) 発生しやすい場所をなくす
 ダニは適度な湿気が保たれる環境が大好きです。カーペットや塵の中にダニが多いのはそのためです。カーペットやソファーやクッションなどは、こまめに掃除しましょう。

(2) 餌をなくす
 掃除機をしっかりかけ、餌となるフケや食べこぼしを除去するのが効果的です。また、餌をなくすだけでなく、アレルゲンであるダニの死骸や糞を除去する効果もあります。

(3) ダニをこまめに駆除する
 代表的な生息場所である、足拭きマットなどは洗濯を行い、クッションなどは日光に当てるなどして対処しましょう。ただし、ダニを完全に駆除できるわけではありません。ダニの駆除には殺虫剤の使用が効果的です。ダニは部屋のどこにいるか分からない場合が多いので、お部屋をまるごとくん煙するタイプがおすすめです。
 使用するタイミングは、ダニが発生し始める暖かくなる少し前が適切です。その後は定期的に使いましょう。


以上の対策を行い、ダニに悩まされることのない快適な環境をキープしましょう。


■あなたの家は大丈夫?「ダニに好かれる家」度チェック
 下表を参考に、ダニに好かれる家になっていないか、チェックしてみましょう。

□カーペットやソファーは、あまり掃除をしていない
□畳の上からカーペットを敷いている
□家具の隙間、ベッドの下にホコリがたまっている
□部屋の掃除機がけは週に1回程度か、それ以下である
□布団に掃除機をかけたことがない
□布団の天日干しはあまりしない
□窓を閉め切っていることが多い
□家の中でペットを飼っている
□いつも同じ部屋でお菓子を食べる
□押入れの湿気が高い

<チェックが付いた個数>
2個以下:かなりダニが住みにくい環境といえそうです。
3~5個:アレルギー症状はでていませんか?ダニが住みやすい環境です。
6個以上:かなり多くのダニが繁殖している可能性があります。すぐに対策を。

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