「第2回中国における日系自動車製造業の市場動向」調査結果を発表
~新設企業は直近10年間で最低水準に。 既存拠点の再編・効率化、EV化対応への移行が重要に~
法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一)の連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(以下「リスクモンスターチャイナ」)は、利墨リスモン調べ「第2回中国における日系自動車製造業の市場動向」調査結果を発表しました。
※調査詳細ページ
https://www2.rismon.com.cn/report251102_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251120

「第2回中国における日系自動車製造業の市場動向」調査結果を発表
「利墨リスモン調べ」は、リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポートです。今回は、2025年4月時点で開示されていた中国全土の法人登記情報から、日本企業が出資する中国企業およびグループ企業のうち、自動車製造業に分類される772社を対象に調査しました。
■日系企業数は前回調査より減少、主な日系完成車メーカーの本社所在地においても同様の傾向に2024年9月に発表した前回調査(2023年3月時点の法人登記情報)から2年が経過し、この間、中国ではEV車への流れが加速し、中国系完成車メーカーのシェアが高まるなど自動車市場は大きく変容しました。これらを踏まえ、日系自動車製造業の実態を把握するために再調査を実施しました。
日系自動車製造業が日系企業全体に占める割合は2.8%で、前回調査(825社、3.0% ※1)より53社減少し、シェアも0.2ポイント減少する結果となりました。
地域分布では、主な日系完成車メーカーの本社所在地である「広東省」、「湖北省」、「天津市」に加え、陸海交通の利便性が高い「江蘇省」を中心に分布しています。(図1)

図1 中国日系自動車製造業の地域分布
一方で、上位10地域の企業数は、日系完成車メーカーの本社が多く所在する3地域を含む7地域において、前回調査よりも減少しており、「遼寧省」、「山東省」の2地域のみ増加する結果となりました。(表1)

表1 中国日系自動車製造業 地域別企業数ランキング 1~10位
■日本親会社別動向:「住友電気工業」が電動化対応部品の需要拡大で首位に浮上
日本の親会社別で集計した結果、トップ10の企業に大きな変化はなかったものの、細かな順位の変動が見られました。(表2)
電動化対応部品の需要拡大を背景にプレゼンスを高めた「住友電気工業株式会社」が「日産自動車株式会社」を上回り、首位となりました。次いで、3位「トヨタ自動車株式会社」、4位「株式会社アイシン」、5位「本田技研工業株式会社」となり、上位企業の構成が安定している様子がうかがえます。
現地法人数が減少した日本の親会社は72社存在し、減少数の多い企業としては、「日産自動車株式会社」(▲4社)、「株式会社エイチワン」(▲3社)、「日本精工株式会社」(▲3社)となりました。一方で、現地法人数が増加した日本企業は38社に留まり、日系自動車製造企業は新規投資よりも既存拠点の再編・効率化を優先する傾向があることが明らかになっています。

表2 中国日系自動車製造業の親会社別企業数ランキング 1~10位
■新設企業数では中国系自動車メーカーの本社所在地があるエリアへの設立が増える
直近10年間の新設企業数の推移は、2019年をピークに減少を続けており、2024年には過去最低水準の7社となりました。日系企業の拠点拡大は落ち着き、新規投資を控えていることがうかがえます。(図2)

図2 中国日系自動車製造業 直近10年新設企業数推移
2023~2024年に設立された日系自動車製造業17社を地域別でみると、安徽省、湖北省がそれぞれ3社で最多となりました。(表3)
安徽省は中国自動車メーカーの奇瑞(Chery)、江淮(JAC)、蔚来(NIO)などの本社所在地であり、2024年の自動車地域別生産台数は2位の262万台に達しています。表1の日系自動車製造業にて従来の上位地域にない地域(安徽省、甘粛省、河北省、江西省、四川省)もあり、地域分散の傾向が見られます。

表3 中国日系自動車製造業 2023~2024年新設企業地域別企業数ランキング 1~10位
■総評
日系自動車製造業は企業数・シェアともに縮小傾向となり、電動化対応部品の需要を背景にEV化の波に乗り遅れた完成車メーカーは存在感が薄れています。日本親会社別ランキングの上位企業や地域分布はおおむね安定しているものの、新設企業数は減少し、中国系完成車メーカーの本社拠点地域への進出が進むなどの変化が見られました。
2024年、中国系完成車メーカーのシェアが前年度より9.2ポイント増の65.2%に達したことやEV車の販売比率が全体の40%を超えているため、日系自動車製造業の企業には、より一層の現地化戦略の強化と、EV関連部品供給への迅速なシフトが求められます。
■本調査結果の全文
中国日系自動車製造業の親会社別企業数ランキング11~23位までの企業は、リスクモンスターチャイナの掲載サイトでご覧いただけます。
https://www2.rismon.com.cn/report251102_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251120
※1 前回調査時点では、業種情報未取得の企業が一部存在し、集計対象外。今回新たに取得した業種情報を前回データに紐づけて再集計を実施。
※2 前回企業数・順位を今回と同一の範囲基準にて再集計を実施。
[実施概要]
・調査名称 :第2回中国における日系自動車製造業の市場動向
・調査方法 :中国における日系企業の法人登記情報に基づく調査
・調査対象時期 :2025年4月時点で開示されていた法人登記情報
・調査対象企業 :中国全土で登記されている日本企業出資の中国企業
及びそのグループ企業
(株式保有率50%以上の会社及び
その会社が支配している会社(50%)をグループ会社とする)
・調査対象企業数:772社
■リスクモンスターチャイナについて
2012年9月、上海にリスモングループ初の海外拠点として設立。中国に進出する日系企業を対象に与信管理サービスを中心とした経営支援サービスを提供。また、日中両言語対応のクラウド型グループウェアや社員教育に役立つeラーニングを展開し、日系企業の経営・リスクマネジメントを管理面からサポート。2025年9月末時点で525会員の利用実績。
ホームページ:
https://www2.rismon.com.cn/jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251120
■リスクモンスターの概要
(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年9月末時点で14,710(内、与信管理サービス等8,072、ビジネスポータルサイト等3,034、教育事業等3,079、その他525)となっております。
【会社概要】
会社名 : リスクモンスター株式会社(英名:Riskmonster.com)
本社所在地 : 東京都中央区日本橋2丁目16番5号 RMGビル
代表取締役社長: 藤本 太一
設立 : 2000年9月
資本金 : 1,188,168,391円(2025年9月末現在)
HP : https://www.riskmonster.co.jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251106






















