3部門で「2025年度グッドデザイン賞」を受賞!

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    2025年10月15日 14:00

     近鉄では、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2025年度グッドデザイン賞」において「新型一般車両8A系」、「大阪上本町駅、近鉄上本町バスターミナル」、「可動式ホーム柵 [昇降ロープ式]ホーム柵(鶴橋駅2番線のりば)」の計3件が受賞しました。

     グッドデザイン賞は1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。

     今回の受賞を励みとし、今後もさまざまな視点で、今までにない新しい発想や独創的なアイディアを探求し、未来へ繋がる取り組みを推進します。

     詳細は以下のとおりです。


    新型一般車両8A系


    大阪上本町駅、近鉄上本町バスターミナル

        駅とバスターミナルをつなぐ連絡通路  


    可動式ホーム柵 [昇降ロープ式]ホーム柵

    (鶴橋駅2番線のりば)


    ○「新型一般車両8A系」

      ※株式会社イチバンセン・近畿車輛株式会社・株式会社GKインダストリアルデザインとの共同受賞

     2024年10月にデビューした新型一般車両「8A系」は、奈良・京都・橿原・天理線で運行を開始し、2025年度までに21編成84両を導入しています。

     ベビーカーや大型荷物などをお持ちのお客さまが気兼ねなく着席して過ごせるスペース「やさしば」を1両あたり2カ所設置したほか、混雑状況に応じてロングシートとクロスシートを切り換えることができるL/Cシート、車内防犯対策として防犯カメラの設置、従来車両と比較して消費電力の45%削減など、安全と環境に配慮した車両としています。


    ■審査員による評価コメント

     沿線の人口変化や、子育て世代、高齢者、インバウンドなどの新しい乗客のニーズ、利用シーンの変化に寄り添うべく、長い期間をかけて丁寧にデザインされた、新型一般車両である。地域の乗客たちと、乗務員など、さまざまなユーザーの意見を取り入れるデザインプロセスや、沿線の調査、地元アイデンティティを保つための外装やカラーリングが車両の完成度と、愛着を高めている。特に、入口付近にベビーカーや大型の荷物を持った人たちが、気兼ねなく利用できる座席「やさしば」や、週末になるとロングシートをクロスシートに変更できる機能など、一般車両でありながら、観光列車のような様相もあり、多様なユーザーの自由なモードに対応した、新しい鉄道と人々の関わり方を提示している。また、女性乗務員の背丈の違いにも細かい配慮がされている点なども、今後の車両開発の好事例となるだろう。


    〇「大阪上本町駅、近鉄上本町バスターミナル」

        ※近鉄不動産株式会社・株式会社大林組との共同受賞

     大阪・関西万博のシャトルバス発着場決定に伴い、バスターミナルのリニューアル及び駅連絡通路の新設計画を行いました。駅1階の3番線ホームを廃止し、2階バスターミナルへと続く動線として通路を整備しました。新設通路は、曲線を多用した柔らかいデザインとすることで旅に出る期待感と上質で落ち着いた空間を創出しました。改札からエスカレーターまでの床タイルは色を変えることでかつての線路跡を想起させ、壁面はガラス張りと曲面壁の異なるデザインとすることで通路の行き道と帰り道の表情に変化を与えました。


    ■審査員による評価コメント

     かつて市電が交通の主役だった時代は主要ターミナルだった上本町だが、今は少し寂しさと昭和の雰囲気を残す駅と地域になっている。行き止まり式の大規模な鉄道駅が地上レベルにあることは我が国では珍しく、上本町駅はその点で極めてバリアフリーかつ地域と一体化された空間と言える。このバスターミナルのリニューアルは、鉄道駅構内とバスターミナル側の境界線を撤去し、薄暗かった駅が大きく明るく広がった印象を受ける。万博シャトルバスへの発着場としてのリニューアルだが、上本町駅全体の再開発も発表されており、このバスターミナルから周辺地域の活性化につながる新しい展開を期待している。


    〇「可動式ホーム柵 [昇降ロープ式]ホーム柵」(鶴橋駅2番線のりば)

      ※株式会社GKインダストリアルデザインとの共同受賞

     当社で2例目のホームドアとして安全性と機能性を兼ね備えるだけでなく、駅空間の景観調和を追及したデザインを目指して開発し、2025年3月30日から2番線のりばで運用を開始しました。

     柱や梁は突起のない柔らかな構造とし、昇降ロープは張力を調整し直線的に、また上下に帯を取り付け、ロープ全体を面として表現することによる安心感、必要最小限の注意喚起色とグレーを基調とした本体色とコントラストにより視認性を確保することで駅空間との調和を実現しました。


    ■審査員による評価コメント

     さまざまな車両が乗り入れるホームでは、ロープ型のホーム柵が採用されているが、無骨な見栄えは、必ずしもよいとは言えなかったが、本製品は、ロープの設置とホームの美観整備を同時に行うデザインとして評価された。  構造体となるアルミの柱に、天井にあった煩雑なケーブルを仕舞い込み、必要なサインの掲出所として設置することや、構造体とロープとの色合わせなど、機能面にプラスして、統一した配色、プラットフォームの構造体にも見える安定感のある造形によって、プラットフォームの風景、景観を変えることにも成功している。パブリックスペースのデザインソリューションとして秀逸なデザインである。

    (以 上)

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