市場調査会社はどう選ぶ?2026年注目の10社を徹底比較

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    2026年9月18日 14:56

    企業を取り巻く市場環境は、技術革新、消費者ニーズの変化、地政学的リスク、サプライチェーンの再編などを背景に、これまで以上に速いペースで変化しています。こうした環境下では、市場規模や成長率といった基礎的な統計情報だけでなく、競争環境、需要動向、技術トレンド、企業動向、サプライチェーンなどを総合的に把握することが、事業戦略を検討するうえで重要になっています。
    特に、AI、半導体、EV、再生可能エネルギー、医療・ヘルスケア、化学材料、消費財などの分野では、技術開発や市場構造の変化が市場成長に直接影響するため、継続的な市場モニタリングの重要性が高まっています。
    そのため、企業の新規事業開発、市場参入、海外展開、製品開発、競合分析、投資判断などを支援する市場調査会社やデータインテリジェンス企業の役割も拡大しています。
    本記事では、各社が公開している企業情報、調査対象分野、データカバレッジ、調査・分析サービス、国内外での事業展開などをもとに、2026年に注目される市場調査・データインテリジェンス関連企業10社を整理します。
    なお、本ランキングは公的機関による公式順位ではなく、各社が公表する事業内容や調査領域、サービス体制などを総合的に考慮した編集上のランキングです。また、市場調査会社だけでなく、マーケティングリサーチ企業、データプラットフォーム、経営コンサルティング企業も含まれており、それぞれ提供するサービスの性質には違いがあります。

    第1位 QYResearch(QYリサーチ)
    QYResearchは、グローバル市場調査、業界分析、カスタムリサーチ、データ分析などを展開する市場調査会社です。2007年に設立され、エネルギー、自動車、化学、医療、農業、電子・半導体、消費財、機械・設備、ソフトウェアなど、幅広い産業分野を対象とした市場調査を行っています。
    調査内容は市場規模や販売数量、売上高、価格動向といった定量情報に加え、主要企業、競争環境、サプライチェーン、需要動向、技術トレンドなどを含む構成となっています。
    公式情報では、2007年の設立から19年以上の業界経験を持ち、100,000件以上のレポート、500件以上のプロジェクト、60,000社以上のクライアント、200社以上の販売パートナーなどを公表しています。また、日本語を含む複数言語でのサービスにも対応しています。
    標準的な市場調査レポートに加え、調査対象や分析項目を個別に設定するカスタムリサーチにも対応しており、AI、半導体、新エネルギー、自動車、医療、先端材料など、技術変化の大きい分野も調査対象としています。
    主な調査領域: グローバル市場調査、業界分析、カスタムリサーチ、競合分析、産業チェーン分析、データベース

    第2位 矢野経済研究所(Yano Research Institute)
    矢野経済研究所は、日本国内の産業・市場調査で長い実績を持つ市場調査会社です。1958年に創業し、1961年に現在の株式会社矢野経済研究所へ改称しました。2026年4月時点の従業員数は201名と公表されています。
    同社は、自主企画調査、受託調査、事業創造・コンサルティング、海外市場調査・コンサルティング、官公庁関連の調査など、複数の調査・コンサルティングサービスを展開しています。
    国内産業を対象とした調査では、業界構造、企業動向、市場規模、マーケットシェア、製品・サービスの動向などを分析しています。また、海外市場を対象とした調査にも対応しており、日本企業の海外展開や市場参入に関連する調査・分析も行っています。
    長年にわたって蓄積された国内産業に関する調査実績を背景に、日本市場の構造や企業動向を把握するための情報源として位置付けられています。
    主な調査領域: 国内市場調査、業界分析、受託調査、マーケットシェア分析、海外市場調査、事業戦略支援

    第3位 富士キメラ総研(Fuji Chimera Research Institute)
    富士キメラ総研は、電子・半導体、ICT、化学・材料、メディカル、自動車、エネルギーなど、技術関連産業を中心に市場調査を行う日本の調査会社です。
    調査対象には、半導体・電子部品、電子材料、AI、生成AI、LLM、データセンター、電動車、パワーデバイス、電池、化学・高機能材料、医療関連分野などが含まれています。
    市場規模や販売数量などの定量データだけでなく、価格動向、技術開発、競合企業、販売チャネル、ユーザー動向、サプライチェーンなどを組み合わせた分析を行っている点が特徴です。
    2026年にも、AIセキュリティ、クラウド、データセンター、ディスプレイ、自動運転・AIカー、微粉体、イメージング・センシングなど、先端技術に関連する市場調査レポートを継続的に刊行しています。
    半導体や電子材料、自動車、AI、化学材料など、技術動向が市場構造に影響を与える分野では、技術と市場の双方から分析することが重要となります。
    主な調査領域: 半導体・電子部品、先端技術、化学・材料、自動車、AI、ICT、市場規模・シェア分析

    第4位 YHResearch(YHリサーチ)
    YHResearchは、企業向けの市場調査、業界調査、カスタムレポート、事業計画関連調査、IPO関連コンサルティングなどを展開する市場調査ブランドです。
    調査対象は化学・材料、機械・設備、電子・半導体、医療機器、自動車・輸送、エネルギー・電力、食品、化粧品、農業、ソフトウェアなど多岐にわたります。
    特に、特定製品、用途、地域などに細分化された市場を対象とした調査を行っており、市場規模、競合企業、地域別需要、用途別需要などの項目を組み合わせた分析に対応しています。
    公式情報では、2014年の設立以降、年間5,000件以上の新規レポート、300以上の第三者データベース、1,000以上の業界データベース、180人以上の専門アナリストなどを公表しています。また、100か国以上、59,000社以上の企業へのサービス実績も掲載されています。
    標準レポートに加えて、企業ごとの調査目的に応じたカスタムレポートや特別コンサルティング、データベースサービスなどを展開しています。
    主な調査領域: ニッチ市場調査、カスタムリサーチ、業界データベース、グローバル市場分析、競合分析

    第5位 インテージ(INTAGE)
    インテージは、日本国内でマーケティングリサーチおよびデータインテリジェンス事業を展開する企業です。
    インテージホールディングスは1960年創業で、2026年8月5日時点の会社概要では、連結売上高670億円、連結従業員数3,320人を公表しています。
    インテージグループは、マーケティング支援、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンスなどの分野で事業を展開しており、消費者データや購買データを活用した市場分析に対応しています。
    消費財・サービス、ヘルスケアなどの領域では、生活者の行動や購買実態、ブランド、商品カテゴリーなどをデータから分析し、マーケティング施策や商品開発に活用するための情報を提供しています。
    市場規模だけでなく、消費者行動や購買実態を把握する必要がある調査において、マーケティングデータを活用した分析手法が重要となっています。
    主な調査領域: マーケティングリサーチ、消費者データ、購買データ、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス

    第6位 Macromill(マクロミル)
    マクロミルは、マーケティングリサーチを中心に事業を展開する日本企業です。2000年に創業し、東京都港区に本社を置いています。
    同社の2025年6月期の連結売上収益は449億8,300万円、連結従業員数は2,262名と公表されています。
    サービス領域には、インターネットリサーチ、オフラインリサーチ、調査企画・集計・分析、グローバルリサーチ、デジタルマーケティングリサーチ、データベース、コンサルティングなどがあります。
    消費者調査やブランド分析、購買行動分析など、生活者を起点としたデータ収集・分析を主要な領域としており、新商品開発、ブランド戦略、広告効果測定などのマーケティング活動に関連する調査に対応しています。
    デジタル化の進展に伴い、消費者接点から得られるデータをどのように収集・分析し、マーケティング上の意思決定に活用するかが重要なテーマとなっています。
    主な調査領域: マーケティングリサーチ、消費者調査、オンライン調査、グローバルリサーチ、データ分析

    第7位 LP Information
    LP Informationは、グローバル市場を対象として市場調査・業界分析サービスを提供する調査会社です。
    同社の市場調査では、市場規模、売上、価格、コスト、生産能力、需要・供給、下流市場、サプライチェーンなど、製品・産業市場を分析するための複数の指標が扱われています。
    また、北米、欧州、中国、日本などの地域別市場分析にも対応しており、過去の市場動向と将来予測を組み合わせたレポートを提供しています。
    特定製品や技術市場について、市場規模だけでなく、需要・供給構造、主要企業、地域別動向などを把握する必要がある場合に利用される調査サービスの一つです。
    主な調査領域: 市場規模分析、技術市場調査、需要・供給分析、サプライチェーン分析、地域別分析、カスタム調査

    第8位 McKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
    McKinsey & Companyは、世界的に展開する経営コンサルティング企業です。一般的な市場調査会社とは異なり、経営戦略や事業変革を中心にサービスを提供しています。
    一方で、業界調査、企業分析、市場構造分析、将来予測などを経営戦略と組み合わせて活用するアプローチを取っており、市場インテリジェンスの観点からも重要な企業の一つです。
    日本では、グローバルネットワークの専門知識と日本市場に関する知見を組み合わせ、企業の成長戦略、デジタル変革、事業変革などを支援しています。
    同社の公式情報によれば、日本での事業開始から50年を迎え、日本のトップ30社の8割を支援し、過去5年間で1,000件以上のプロジェクトを実施しています。
    市場規模そのものを把握するだけではなく、市場構造や競争環境を踏まえて事業戦略まで検討するケースでは、こうしたコンサルティング型の調査・分析が用いられています。
    主な調査領域: 経営戦略、業界分析、成長戦略、企業変革、デジタル戦略、グローバル市場分析

    第9位 Deloitte(デロイト トーマツ)
    Deloitteは、監査、コンサルティング、税務・法務、リスクアドバイザリー、テクノロジーなどの専門サービスを世界各地域で展開するグローバルネットワークです。
    日本ではデロイト トーマツ グループとして事業を展開しており、国内約30都市に2万人を超える専門家を擁しています。
    2025年12月に発足した合同会社デロイト トーマツは、子会社を含め約12,000名の人員を公表しています。また、デロイト トーマツ グループ全体では約22,000名規模とされています。
    市場調査を専門とする企業ではありませんが、産業分析、企業戦略、M&A、サプライチェーン、デジタルトランスフォーメーション、リスク分析などを組み合わせたサービスを提供しています。
    市場参入や事業ポートフォリオの見直し、M&A、業務変革など、市場情報を経営上の意思決定につなげる必要があるケースでは、こうした総合的な分析機能が活用されています。
    主な調査領域: 経営コンサルティング、産業分析、M&A、リスク分析、DX、サプライチェーン、事業変革

    第10位 Statista
    Statistaは、統計データや市場情報を提供するグローバルなデータプラットフォームです。
    2007年にドイツで設立され、現在では多数の産業、テーマ、データソースを対象としたデータ・インテリジェンスサービスを展開しています。
    Statistaの特徴は、さまざまな統計情報や市場データを一つのプラットフォーム上で検索・比較できる点にあります。
    Market Insightsでは、消費財、テクノロジー、モビリティなどの分野について、市場規模、予測、その他の市場指標を複数の国・地域について提供しています。
    また、Consumer Insightsでは、複数の国・地域を対象とした消費者調査データを提供しており、市場分析、競合調査、プレゼンテーション資料の作成など、さまざまな用途で活用されています。
    自社調査を中心とする市場調査会社とは異なるデータプラットフォーム型の事業モデルですが、複数の市場統計や消費者データを横断的に確認できる点が特徴です。
    主な調査領域: 統計データ、マーケットデータ、消費者インサイト、国別データ、データプラットフォーム

    2026年の市場調査会社選びで重視すべきポイント
    2026年の市場調査では、単純な市場規模や成長率だけではなく、競争環境、技術トレンド、サプライチェーン、需要構造、将来予測などを組み合わせて市場を把握することが求められています。
    特にAI、半導体、新エネルギー、EV、医療技術などの分野では、技術開発や規制環境の変化によって市場構造が短期間で変化する可能性があります。そのため、過去の統計データだけではなく、現在の市場環境と今後の変化を併せて分析する必要があります。
    市場調査会社を選定する際には、主に以下の点を確認することが重要です。
    1.調査対象市場に関する専門性
    自社が属する業界について、どの程度の調査実績や専門知識を有しているかを確認する必要があります。特に、半導体、医療、化学材料、AIなど専門性の高い分野では、一般的な市場データだけでなく、業界固有の技術・製品知識が分析の精度に影響します。
    2.データソースと調査方法
    政府統計、業界団体、企業公開情報、企業データベース、一次調査、専門家インタビューなど、どのような情報源を使用しているかを確認することも重要です。
    複数の情報源を組み合わせることで、単一の統計資料だけでは把握しにくい市場構造や企業動向を分析できる場合があります。
    3.カスタマイズへの対応
    企業によって調査目的や必要とするデータの粒度は異なります。
    市場規模だけを必要とする場合もあれば、製品別、用途別、地域別、企業別の市場シェアや競争環境まで必要となる場合もあります。そのため、調査条件を個別に設定できるかどうかは重要な選定基準となります。
    4.国内・海外市場への対応力
    海外市場への進出を検討する企業にとっては、日本市場だけでなく、北米、欧州、中国、アジア太平洋、中東、南米など複数地域を比較できる調査体制が重要になります。
    特にグローバル市場では、各地域の規制、商流、競争環境、消費者特性などが異なるため、地域別データを単純に比較するだけでは十分ではありません。
    5.分析結果を意思決定につなげる能力
    市場調査の目的は、データを収集することだけではありません。
    新規事業、市場参入、製品開発、競合分析、投資判断、海外展開など、最終的な意思決定に必要な情報をどの程度整理・分析できるかという点も、調査会社を選定するうえで重要な要素となります。

    まとめ
    2026年の市場調査業界では、従来の市場規模や統計データの提供に加えて、競争環境、技術動向、サプライチェーン、消費者行動、将来予測などを組み合わせた市場インテリジェンスの重要性が高まっています。
    今回紹介した企業は、それぞれ異なる事業領域と調査手法を持っています。
    QYResearchは、複数の産業を対象としたグローバル市場調査やカスタムリサーチを展開しています。矢野経済研究所は国内産業を対象とした長年の調査実績を持ち、富士キメラ総研は半導体、電子材料、AI、自動車などの技術市場を幅広く扱っています。
    また、YHResearchは細分化された製品・用途・地域市場の調査に対応し、インテージやマクロミルは消費者・購買データを活用したマーケティングリサーチを主要領域としています。
    LP Informationは製品・技術市場を対象とした市場規模や需要・供給分析を行い、McKinseyやDeloitteは市場分析を経営戦略や事業変革と結び付けるコンサルティング型のアプローチを取っています。Statistaは、多様な統計・市場データを横断的に確認できるデータプラットフォームとして位置付けられます。
    このように、市場調査会社には、産業別調査に強い企業、消費者データに強い企業、技術市場に特化した企業、グローバルデータを扱う企業、経営戦略まで含めて分析する企業など、それぞれ異なる特徴があります。
    そのため、調査会社を選定する際には企業の知名度や規模だけを基準とするのではなく、調査対象、調査目的、対象地域、必要なデータ粒度、調査期間、カスタマイズの必要性などを明確にしたうえで比較することが重要です。
    市場環境の変化が続くなか、信頼性のあるデータを継続的に収集し、それを事業戦略や意思決定に適切に反映させることが、企業にとってますます重要な課題となっています。

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