ハザードマップ、確認はしても覚えていない!? 「ほぼ1000人にききました」が調査結果を発表。
〜高まる防災意識と行動のギャップが明らかに〜
くらしにまつわる旬の話題やちょっとしたトピックをオレンジページが読者アンケートでリサーチする「ほぼ1000人にききました」。近年、地震や豪雨など自然災害の増加を実感する声が高まる中、生活者の防災意識や対策の実態について、国内在住の20歳以上の女性1078名を対象に調査しました。その結果、防災意識は高いものの、具体的な行動にはまだ多くの課題があることが明らかになりました。
【ダイジェスト】
自然災害への備え重視98%、ハザードマップ理解は36%どまり
職場など外出先での避難場所、6割が「把握していない」
「ローリングストック」実践は53.7%。物価高騰がハードルに
自然災害への備え重視98%、ハザードマップ理解は36%どまり
今回の調査で、近年、地震や豪雨など自然災害が増えていると感じる人は96.2%に上り(「感じる」61.7%、「やや感じる」34.5%)、多くの人が災害の脅威を身近に感じていることが分かりました。特に危険を感じる災害としては、「地震」89.5%、「豪雨(台風以外)」69.7%、「台風」61.0%がトップ3を占めました。また、自然災害への備えを「重要」と考える人は98.1%。実際に自宅周辺のハザードマップを確認したことがある人も86.1%にのぼる一方、その内容まで理解している人は36.1%にとどまり、半数は「確認したが覚えていない」と回答。ハザードマップを確認しても、その内容の理解や活用には課題が残ることがうかがえます。
職場など外出先での避難場所、6割が「把握していない」
自然災害への備えとして大切だと思うことでは、「食料や水などの備蓄」82.5%に次いで「避難場所、避難ルートの確認」70.6%が2位となり、昨年の調査から11ポイント増加しました。自宅周辺の避難場所を実際に歩いて、もしくは地図上で確認した人は合わせて56.7%で、こちらも昨年から12ポイント以上アップ。備蓄に加え、避難についても意識する人が増えている傾向が見られました。一方で、職場や学校、買い物などふだんよく行く外出先の周辺の避難場所については59.1%が「把握していない」と回答しており、自宅周辺と比べ、外出先での避難の備えがまだ十分ではない現状が明らかに。「どこへ避難すればいいか右往左往しそう」(40代・みかんタルト)といった不安の声も聞かれました。ちなみに、被災時の家族との連絡方法や集合場所について話し合ったことがある人は78.1%いるものの、「具体的に決めている」人は12.1%と少数派でした。
「ローリングストック」実践は53.7%。物価高騰がハードルに
災害時の自宅避難生活を想定した備蓄法「ローリングストック」の言葉の認知度は81.5%と、2年前の調査から5ポイント以上アップ。しかし、実践している人は53.7%と、2年前からほぼ横ばいの結果となりました。実践していない理由としては、「お金がかかる」39.7%が最も多く、「家計が苦しくて、災害時のことまで手が回らない」(40代・うらたろう)といった声も寄せられ、物価高騰がローリングストック実践へのハードルとなっている実態が浮き彫りになりました。一方で、実践している人からは、続ける工夫として「家族においしいと好評だったものを積極的にストックしている」(30代・ゆん)、「多少期限が過ぎてしまっても、ふだんでもあることだしと、気楽に考えている」(60代・まろん)といった声が聞かれました。また、「給料日前に食費が厳しくなったらストックを夕飯に使い、給料が出たらまた買い足している」(30代・ぐりーん)など、日々の生活と無理なく結びつける工夫も見られました。
今回の調査では、多くの生活者が自然災害の増加を実感し、防災意識も高まっていることが明らかになりました。特に「避難場所・避難ルートの確認」への意識が高まり、実際に確認する人も増えています。しかしその一方で、ハザードマップの理解不足や、物価高騰などによるローリングストック実践の難しさ、そして外出先での被災に対する備えの遅れなど、具体的な行動へのハードルも浮き彫りに。生活者の防災意識が高まるなか、より具体的な行動につながる情報やサポートが、ますます重要となりそうです。
アンケート概要
●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数1078人)
●調査方法:インターネット調査
●調査期間:2025年6月13日~6月22日
●「ほぼ1000人にききました」について
読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた生活感度の高い読者が数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて、「くらしのリアル」な数字、リアルな声を集めたのが「ほぼ1000人にききました」企画です。WEB上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展開いたします。
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