芝浦工業大学大学院生開発ゲームアプリが 大阪・関西万博「Quantum Museum」に登場
~量子コンピュータを楽しく学べるゲームアプリを学生が制作~
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田 純)工学部・渡部 昌平 准教授(量子情報工学研究室)、同大学院理工学研究科 修士課程 電気電子情報工学専攻 2年・水野 航太さんが開発した量子コンピュータゲームアプリが、2025年8月20日(水)に大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」で開催されるイベント「Quantum Museum」(主催:文部科学省委託事業「光量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」量子情報処理技術領域)にて展示されます。
展示されるゲームアプリは、今回、国立研究開発法人理化学研究所の普及活動の一環として開催されるイベントに際し、展示の機会をご提案いただいたことから、本学の渡部准教授が専門的・教育的観点から助言を行い、大学院生の水野さんが開発を進めたものです。量子コンピュータに関する最先端の専門性を背景にしながらも、一般来場者にとって内容の“わかりやすさ”を重視し、体験の面白さ・楽しさが追求されています。量子について楽しんで遊べるゲームアプリとして、子どもから大人まで幅広い来場者に体験してもらうことが期待されます。
■ポイント
・大阪・関西万博会場で開催される量子×芸術の特別イベント
「Quantum Museum」にて、本学学生が開発したゲームアプリが公開
・「量子って難しそう」を変える体験設計──
量子コンピュータの仕組みについて遊びながら学べるインタラクティブな
ゲームアプリ
・最先端分野のアウトリーチ──
量子コンピュータの専門的知見を、一般来場者にも親しみやすい形で
可視化・体験化
■イベント概要
〇ステージイベントの概要
イベント名: Quantum Museum
開催日 : 2025年8月20日(水)11:00~14:00 体験展示
会場 : 大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」
「エンタングル・モーメント ー[量子・海・宇宙]×芸術」(※)
展示場内中央ステージ
主催 : 文部科学省委託事業「光量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)*1」
量子情報処理技術領域
共催 : 理化学研究所、内閣府SIP*2「先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」
※「エンタングル・モーメント ー[量子・海・宇宙]× 芸術」の概要
会期:2025年8月14日(木)-8月20日(水)
場所:大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」
主催:内閣府、文部科学省
共催:総務省、経済産業省
イベントの詳細は下記リンクよりご確認ください。
https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/
■展示アプリの特長・体験内容
展示されるゲームアプリは、量子コンピュータの「量子ゲート操作」といった概念をゲームで遊びながら学べる設計で、量子に関する知識がなくても直感的に楽しむことができます。ゲームで楽しく遊びながら、量子コンピュータの考え方に親しむことができます。
来場者は、ゲームアプリ開発者である水野 航太さん本人と直接話しながらゲームを体験でき、質問や感想を交わすことで双方向的なインタラクションができる場となります。
■展示に至る背景と連携の経緯
万博内で開催されるイベントは、量子技術の研究開発・社会普及・人材育成を目指すQ-LEAPの取り組みの一環であり、量子コンピュータと情報工学の研究を行う量子情報工学研究室の水野さんが制作したゲームが展示される運びとなりました。これまでも、日本科学未来館のイベント「クイズとゲームでせまる!量子コンピュータ」において、子どもたちを対象に量子を楽しく学べるゲームアプリが展示されており、来場者から好評を得てきました。また、2025年3月に開催された大阪・関西万博「エンタングル・モーメント ー[量子・海・宇宙]×芸術」プレイベント企画「ゲームで体験!作って実感!量子の世界」においても、水野さんが開発した量子コンピュータのゲームアプリが展示されました。会場では、子どもたちが楽しみながら遊ぶ中で、量子コンピュータへの理解や関心を深める様子が見られました。
日本科学未来館のイベントで展示されたゲームアプリ“Quantum Pizza”
日本科学未来館のイベントで展示されたゲームアプリ“Quantum Pizza”
日本科学未来館のイベントでゲームを プレイする子供たちとサポートの大学院生
プレイベントで展示されたゲームアプリ“Quantum Super Techshiba.”
■開発者のコメント
〇 理工学研究科 修士課程電気電子情報工学専攻 水野 航太さん
量子コンピュータという抽象的で理解が困難な分野を、「楽しい」「面白い」と感じてもらえる体験に変換する挑戦は、私自身にとって大きな学びとなりました。過去のイベントでは、参加した子どもたちが楽しみながら量子の概念に触れる姿を見て、体験型学習の効果を実感しました。大阪・関西万博という国際的な舞台で多くの方々にゲームをプレイしていただけることで、量子技術への関心の扉を開くきっかけになれば幸いです。今後も研究で培った知識を活かし、最先端技術と社会を繋ぐ新たな表現方法を模索していきたいと思います。
〇 指導教員 工学部 渡部 昌平 准教授
量子コンピュータという最先端の技術を、子どもや一般の方々にどのように伝えるかという課題に対し、水野さんは、研究を通じた高い専門性と、自身の特技であるアプリ開発の力を組み合わせて取り組んでいます。大阪・関西万博という大きな舞台で、本学の学生が開発した成果が展示されることを大変嬉しく思うとともに、より多くの人々に量子の世界を身近に感じてもらうきっかけになればと願っています。今後もこのような取り組みを通じて、学生が研究だけでなく社会ともつながりながら成長していけるよう、引き続き支援していきたいと考えています。
語句解説
*1 「光量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」
経済・社会的な重要課題に対し、量子科学技術(光・量子技術)を駆使して、非連続的な解決(Quantum leap)を目指す研究開発プログラム。
*2 内閣府SIP
内閣総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を持つ、科学技術イノベーション実現のために創設されたプロジェクト。
■芝浦工業大学とは
工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科
https://www.shibaura-it.ac.jp/
理工系大学として日本屈指の学生海外派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の大学です。東京都(豊洲)と埼玉県(大宮)に2つのキャンパス、4学部1研究科を有し、約10,000人の学生と約300人の専任教員が所属。2024年には工学部が学科制から課程制に移行。2025年にデザイン工学部、2026年にはシステム理工学部で教育体制を再編し、新しい理工学教育のあり方を追求していきます。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。