多診療科連携で挑む難病医療の最前線。大阪で難病医療シンポジウムを開催

医誠会国際総合病院併設の劇場に医療従事者が集結し、診療科を超えて難病医療の現在地と課題を共有

調査・報告
2025年6月12日 10:00
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医療法人医誠会(本社:大阪府大阪市、代表者:谷幸治)は、5月24日(土)大阪市北区の扇町ミュージアムキューブにて、医師をはじめとした医療従事者向けの「難病医療推進センターシンポジウム2025 総合力で難病医療に挑む」を開催しました。医師、看護師や遺伝カウンセラーなど38名が参加し、活発な質疑応答を交えながら、難病医療の最新知見や課題を共有しました。
本シンポジウムは多診療科、専門分野による連携を活かし難病医療の知見共有と連携を広げるための取り組みとして開催されました。

難病医療の知見共有と連携強化の場として開催されたシンポジウム

難病患者の数は年々増加しており、日本国内での指定難病患者数は累計100万人を超えるとも言われています。こうした中、医療従事者間の連携や専門知識の共有は喫緊の課題です。医療法人医誠会では、こうした状況に対応するため、複数の診療科が連携して難病医療にあたる「難病医療推進センター」を医誠会国際総合病院内に設置し、総合的な難病医療を提供しています。
今回の「難病医療推進センターシンポジウム2025」は「難病の日(難病法が2015年5月23日制定されたため)」にあわせて実施し、各講演終了後の質疑応答も活発に行われました。講演プログラム終了後には情報交換会も開会され、地域・診療科を超えた交流が有りました。

多診療科による講演が生む難病医療の実践知

本シンポジウムでは、耳鼻科・皮膚科・消化器内科・小児科の医師が座長を務め、それぞれの専門分野から難病医療に迫る講演が行われました。
第一部講演では、国立病院機構東京医療センター聴覚・平衡覚研究部部長/臨床遺伝センターセンター長の松永達雄先生による「難聴ゲノム医療の最新情報」が、難聴のゲノム診断と現状、ゲノム治療の最新情報について語られ、難聴患者の診療にゲノム情報を活用することで、個別により適切な医療を提供できる事を理解できる内容となりました。
また、第二部「皮膚から膠原病を疑うには」では、大阪大学大学院医学研究科皮膚科学教授の藤本学先生が希少疾患である膠原病の皮膚症状と診断材料について講演。症状に応じて膠原病の可能性を想起する事の大事さ、膠原病の皮膚症状はQOLを大きく障害するので、いかに治療するかが重要だと認識できた。第三部では「潰瘍性大腸炎の初期治療と病診連携」と題し、福知クリニック大阪梅田院長の福知工先生が地域クリニックの視点から病診連携の具体的実践と指定難病の潰瘍性大腸炎について講演いただきました。
さらに第四部では、ニュートンバイオキャピタルパートナーズで最高薬事開発責任者を務める和田道彦先生が登壇し「ドラッグラグ・ロス」に関する社会的課題と実体験を紹介。臨床と制度、研究と薬事の橋渡しを考える貴重な機会となりました。

専門家が語る現場の知見と、診療科・地域を超えた医療の連携

それぞれの講演では、病態・診断・治療に加え、ゲノム医療やドラッグラグ・ロスのような制度的課題まで幅広く扱われました。これは医誠会国際総合病院が、単一の診療科では対応しきれない「難病」という課題に、病院全体で取り組むという姿勢を示す象徴的な場でもありました。
知見を共有することにとどまらず、参加者同士の交流を促し地域を超えた診療連携の活用へとつながる一歩となりました。
医誠会国際総合病院では今後も難病医療に関するシンポジウムを継続開催し、難病医療の啓発とネットワーク構築に取り組んでまいります。

難病医療推進センター

医療法人医誠会

医療法人医誠会は1979年に大阪市で創立され、ホロニクスグループとして大阪を中心に全国で病院、クリニック、介護老人保健施設などを運営しています。
医誠会国際総合病院は46診療科、総職員数1,971名の体制※で、低侵襲治療、先進・先制医療、医療DX、本格的タスクシフト・タスクシェア、中央管制システム導入に取り組み、先進的かつ国際標準の総合病院を目指しています。地域医療に貢献するとともに、2024年12月にはJCI認証を取得、国際医療ツーリズムにも挑戦します。
また、救急医療では、24時間365日の体制で救急医療を提供しています。初期救急から2.5次救急患者を対象に診療を行い、必要に応じて各診療科が支援する救急医療体制をとっています。救急車6台(ドクターカー4台・救急車2台)、医師9名、看護師30名、救急救命士25名で、「断らない救急」「待たせない救急」をスローガンに、様々な救急患者さんを受入れ、重症度によって医師・看護師が同乗する救急救命士3名体制の医誠会無料救急搬送を行い、広域医療に取り組んでいます。※ 2025年4月現在

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