一般用医薬品(OTC医薬品)の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「一般用医薬品(OTC医薬品)の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Over the Counter (OTC) Drugs Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、一般用医薬品(OTC医薬品)の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場は、2025年時点で31.4億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)5.7%で拡大し、2035年には54.7億米ドルに達すると予測されている。市場成長を支える主な要因は、高齢化、セルフケア需要の増加、処方薬からOTCへのスイッチ促進、オンライン販売の拡大、そして規制改革による販売チャネルの多様化である。
日本では、軽度の症状について医療機関を受診せず、自分で対処したいというニーズが強まりつつある。頭痛、筋肉痛、関節痛、風邪、咳、胃腸症状、皮膚トラブルなど、日常的な不調に対してOTC薬を利用することで、受診の手間を減らし、必要なときにすぐ治療を開始できる点が評価されている。
高齢化は特に重要な成長要因である。レポートでは、2023年時点で日本では10人に1人以上が80歳以上とされており、高齢者ほど軽度の疼痛、胃腸不調、皮膚症状などを日常的に抱えやすい。そのため、病院へ毎回行かずに使える鎮痛薬、胃腸薬、ビタミン・ミネラル、セルフケア関連製品への需要が高まりやすい。
一方で、高齢者では複数の処方薬を併用しているケースも多いため、OTC薬の利用拡大には薬剤相互作用や重複投与への注意も必要になる。この点で、薬剤師による相談や適切な情報提供の重要性はむしろ高まると考えられる。
市場のもう一つの大きな変化は、処方薬からOTC薬へのスイッチである。2025年6月にはEisaiが「Pariet S」を発売し、レポートでは日本初の処方薬からOTCへスイッチされたプロトンポンプ阻害薬(PPI)として紹介されている。これにより、胃痛や胸やけに対して、医療機関で処方を受けずに薬局で購入できる選択肢が広がったとされる。
こうしたRx-to-OTCスイッチは、市場規模の拡大だけでなく、OTC市場の高機能化にもつながる。従来は比較的軽い症状向けの製品が中心だったが、医療用として実績のある成分がOTC化されることで、消費者が自宅で管理できる症状の範囲が広がる可能性がある。
流通面でも制度変更が進んでいる。2025年5月には、日本の国会で、店舗に薬剤師が常駐していなくても一定のOTC医薬品をコンビニで販売できるようにする法改正が成立したとレポートではしている。購入者はオンラインで薬剤師の相談を受け、確認証を取得したうえで購入する仕組みで、2027年春頃の導入が見込まれている。
この制度は、薬局が少ない地域や、営業時間外の購入ニーズに対応できる可能性がある。コンビニという日本全国に広く分布する店舗網を利用できれば、OTC薬へのアクセスは大きく改善する。一方で、安全性を維持するため、オンライン相談、本人確認、販売管理などの仕組みが重要になる。
オンライン薬局やECも市場成長を支えている。特に若年層では、医薬品やサプリメントをオンラインで購入することへの抵抗が比較的小さく、価格比較や自宅配送などの利便性が利用を促している。今後はオンライン販売と薬剤師相談を組み合わせるモデルが重要になりそうである。
製品タイプ別では、鎮痛薬、風邪・咳薬、消化器・腸管関連薬、皮膚治療薬、ビタミン・ミネラル、その他に分類される。歴史的には風邪・咳薬が約30%のシェアを占めて市場を主導していたとされる。
一方、今後は鎮痛薬が最大カテゴリーになると予測されている。頭痛、筋肉痛、関節痛など幅広い症状に使われ、高齢者を含め日常的な需要が大きいためである。セルフケア志向が高まるほど、すぐに購入できる鎮痛薬の需要は安定しやすい。
風邪・咳薬も引き続き重要な市場である。季節性の呼吸器症状に対して利用頻度が高く、ドラッグストアでの購入習慣が定着している。歴史的に約30%を占めたというレポートの記載からも、OTC市場の基幹カテゴリーであることが分かる。
消化器・腸管関連薬では、胃痛、胸やけ、消化不良、便通関連などの日常症状が対象となる。Pariet SのようなスイッチOTCが増えれば、この分野では従来品より作用機序が高度な製品が増え、市場単価やセルフケア範囲が広がる可能性がある。
皮膚治療薬では、かゆみ、炎症、軽度の皮膚疾患などが主要用途となる。外用OTC薬は患部へ直接使用でき、医療機関を受診する前の初期対応として利用しやすい。
ビタミン・ミネラルも、高齢化と予防志向を背景に一定の需要を持つ。OTC薬と健康補助食品の境界は製品によって異なるが、消費者が「病気を治療する」だけでなく「健康状態を維持する」目的で商品を購入する傾向は市場を下支えしている。
投与経路別では、経口、局所、非経口、吸入、その他に分類され、歴史的には経口剤が最大であった。錠剤、カプセル、液剤などは自宅で使いやすく、多くのOTCカテゴリーをカバーできるためである。
外用剤は皮膚症状や筋肉・関節痛などで重要であり、吸入剤は呼吸器症状に利用される。ただし、非経口製剤をOTC市場の主要セグメントとして含めている点には注意が必要である。一般的なOTC市場では注射剤などの非経口薬は限定的であり、今回のセグメンテーションは医薬品市場全体の分類が一部混在している可能性がある。
実際、資料内にはさらに大きな分類上の不整合がある。OTC医薬品市場の「製品タイプ」として、Biologics and Biosimilars、Monoclonal Antibodies、Vaccines、Cell and Gene Therapyなどが列挙されているが、これらは通常の日本OTC市場の中心的な製品カテゴリーとは整合しない。したがって、この部分は別の医薬品市場テンプレートが混在した可能性が高く、OTC市場の実態を分析する際には、鎮痛薬、風邪・咳薬、胃腸薬、皮膚薬、ビタミン等の分類を中心に見るのが妥当である。
年齢別では、子ども、成人、高齢者に分類される。高齢者市場は、慢性的な軽度症状やセルフケア需要を背景に重要性が増している。一方、子ども向けでは用量管理や成分安全性がより重要になり、保護者が薬剤師へ相談しながら購入するケースも多いと考えられる。
流通チャネル別では、病院薬局、小売薬局、オンライン薬局に分類され、歴史的には小売薬局が最大シェアを占めていた。日本ではドラッグストアや薬局が生活圏に広く存在し、医薬品だけでなく日用品や健康食品もまとめて購入できるため、OTC販売の中核となっている。
今後は小売薬局が引き続き重要である一方、オンライン薬局とコンビニ販売が新しい成長軸になる。特に2027年頃から予定されるコンビニでのOTC販売制度が実際に広がれば、店舗網の多さを生かして市場の裾野が広がる可能性がある。
競争環境では、Roche、Novartis、Sanofi、Pfizerが主要企業として紹介され、このほかAbbVie、Johnson & Johnson、Merck & Co.、Bristol Myers Squibb、GSK、AstraZenecaなどが挙げられている。
ただし、この競争企業リストにもかなり注意が必要である。挙げられた企業の多くはグローバル処方薬市場では大手だが、日本のOTC市場における主要プレイヤーとしての位置付けは、今回の資料だけでは十分に裏付けられていない。特にRoche、AbbVie、Bristol Myers Squibb、AstraZenecaなどは処方薬事業の比重が大きく、OTC市場との関連についてはレポート上の記載として扱うのが適切である。
同様に、NovartisやPfizerについて「OTC製品を幅広く展開」「Rx-to-OTCを積極的に支援」といった説明があるが、現在の消費者向けヘルスケア事業の企業構造を考えると、記述が古い企業情報や旧事業構成を引き継いでいる可能性もある。そのため、競争環境についてはこの資料の企業一覧をそのまま現在の市場シェア順位と解釈すべきではない。
一方で、市場そのものの成長方向は比較的明確である。OTC市場は、単なる風邪薬・鎮痛薬中心の市場から、スイッチOTCによる高機能化、オンライン相談、EC、コンビニ販売などを組み合わせた「セルフメディケーション基盤」へ変化している。
特に日本では、医療費や医療従事者負担を抑えながら、高齢者を含む国民が軽度症状を自分で管理できる環境を整えることが重要になる。OTC薬へのアクセス改善はその一手段だが、適切な情報提供や薬剤師との連携を維持することが前提となる。
総合すると、日本のOTC医薬品市場は2025年の31.4億米ドルから2035年には54.7億米ドルへ拡大し、CAGR5.7%の安定成長が見込まれる。歴史的には風邪・咳薬と経口剤、小売薬局が市場の中心であったが、今後は鎮痛薬、スイッチOTC、オンライン薬局、デジタル薬剤師相談が市場構造を変える可能性が高い。
2035年に向けた主要テーマは、「高齢化」「セルフメディケーション」「Rx-to-OTCスイッチ」「鎮痛薬」「胃腸薬」「オンライン薬局」「コンビニ販売」「オンライン薬剤師相談」に集約できる。日本のOTC市場は、単なる一般用医薬品販売市場から、デジタル相談と規制改革を組み合わせ、消費者が軽度の健康問題をより主体的に管理するセルフケア市場へ発展していくと考えられる。
※目次構成
序文
1.1 調査目的
1.2 主要前提条件
1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
1.4 調査方法エグゼクティブサマリー
一般用医薬品(OTC医薬品)市場概要
3.1 アジア太平洋地域の一般用医薬品(OTC医薬品)市場概要
3.1.1 アジア太平洋地域の一般用医薬品(OTC医薬品)市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.1.2 アジア太平洋地域の一般用医薬品(OTC医薬品)市場予測(2026~2035年)
3.2 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場概要
3.2.1 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.2.2 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場予測(2026~2035年)
- 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場ランドスケープ
4.1 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場:開発企業ランドスケープ
4.1.1 設立年別分析
4.1.2 企業規模別分析
4.1.3 地域別分析
4.2 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場:製品ランドスケープ
4.2.1 薬剤タイプ別分析
4.2.2 製品タイプ別分析
4.2.3 投与経路別分析
- 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場ダイナミクス
5.1 市場促進要因および制約要因
5.2 SWOT分析
5.2.1 強み
5.2.2 弱み
5.2.3 機会
5.2.4 脅威
5.3 PESTEL分析
5.3.1 政治的要因
5.3.2 経済的要因
5.3.3 社会的要因
5.3.4 技術的要因
5.3.5 法的要因
5.3.6 環境要因
5.4 ポーターの5フォース分析
5.4.1 サプライヤーの交渉力
5.4.2 買い手の交渉力
5.4.3 新規参入の脅威
5.4.4 代替品の脅威
5.4.5 競争の激しさ
5.5 主要需要指標
5.6 主要価格指標
5.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
5.8 バリューチェーン分析
- 日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場セグメンテーション(2019~2035年)
6.1 薬剤タイプ別・日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場(2019~2035年)
6.1.1 バイオ医薬品・バイオシミラー(高分子医薬品)
6.1.1.1 モノクローナル抗体
6.1.1.2 ワクチン
6.1.1.3 細胞・遺伝子治療
6.1.1.4 その他
6.1.2 従来型医薬品(低分子医薬品)
6.2 製品タイプ別・日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場(2019~2035年)
6.2.1 鎮痛薬
6.2.2 かぜ・咳治療薬
6.2.3 消化器・腸疾患治療薬
6.2.4 皮膚治療薬
6.2.5 ビタミン・ミネラル
6.2.6 その他
6.3 疾患タイプ別・日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場(2019~2035年)
6.3.1 感染症
6.3.2 呼吸器疾患
6.3.3 女性の健康
6.3.4 皮膚疾患
6.3.5 眼疾患
6.3.6 アレルギー
6.3.7 その他
6.4 投与経路別・日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場(2019~2035年)
6.4.1 経口投与
6.4.2 外用
6.4.3 非経口投与
6.4.4 吸入
6.4.5 その他
6.5 年齢層別・日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場(2019~2035年)
6.5.1 小児
6.5.2 成人
6.5.3 高齢者
6.6 流通チャネル別・日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場(2019~2035年)
6.6.1 病院薬局
6.6.2 小売薬局
6.6.3 オンライン薬局
規制枠組み
特許分析
8.1 技術別分析
8.2 公開年別分析
8.3 特許発行機関別分析
8.4 特許年齢別分析
8.5 CPCコード別分析
8.6 特許価値評価別分析資金調達・投資分析
9.1 資金調達件数別分析
9.2 資金調達タイプ別分析
9.3 資金調達額別分析
9.4 主要企業別分析
9.5 主要投資家別分析
9.6 地域別分析戦略的取り組み
10.1 パートナーシップ件数別分析
10.2 施策タイプ別分析
10.3 主要企業別分析
10.4 地域別分析サプライヤーランドスケープ
11.1 ベンダーポジショニング分析
11.1.1 主要ベンダー
11.1.2 将来有望なリーダー企業
11.1.3 ニッチ市場のリーダー企業
11.1.4 ディスラプター/市場変革企業
11.2 国別市場シェア分析
11.3 F. Hoffmann La Roche
11.3.1 財務分析
11.3.2 製品ポートフォリオ
11.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.3.4 企業ニュースおよび事業展開
11.3.5 認証
11.4 Novartis AG
11.4.1 財務分析
11.4.2 製品ポートフォリオ
11.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.4.4 企業ニュースおよび事業展開
11.4.5 認証
11.5 Sanofi SA
11.5.1 財務分析
11.5.2 製品ポートフォリオ
11.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.4 企業ニュースおよび事業展開
11.5.5 認証
11.6 Pfizer, Inc.
11.6.1 財務分析
11.6.2 製品ポートフォリオ
11.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.6.4 企業ニュースおよび事業展開
11.6.5 認証
11.7 AbbVie Inc.
11.7.1 財務分析
11.7.2 製品ポートフォリオ
11.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.7.4 企業ニュースおよび事業展開
11.7.5 認証
11.8 Johnson & Johnson Innovation Medicine
11.8.1 財務分析
11.8.2 製品ポートフォリオ
11.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.8.4 企業ニュースおよび事業展開
11.8.5 認証
11.9 Merck & Co., Inc.
11.9.1 財務分析
11.9.2 製品ポートフォリオ
11.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.9.4 企業ニュースおよび事業展開
11.9.5 認証
11.10 Bristol-Myers Squibb Company
11.10.1 財務分析
11.10.2 製品ポートフォリオ
11.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.10.4 企業ニュースおよび事業展開
11.10.5 認証
11.11 GSK plc
11.11.1 財務分析
11.11.2 製品ポートフォリオ
11.11.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.11.4 企業ニュースおよび事業展開
11.11.5 認証
11.12 AstraZeneca plc
11.12.1 財務分析
11.12.2 製品ポートフォリオ
11.12.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.12.4 企業ニュースおよび事業展開
11.12.5 認証
日本の一般用医薬品(OTC医薬品)市場 ― 流通モデル(追加分析)
12.1 概要
12.2 潜在的な販売・流通事業者
12.3 流通パートナー評価の主要項目キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)
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