【岡山理科大学】生徒たちが育てたベニザケを調理/1年生が3年生を招待して試食会/東岡山工業高

好適環境水を利用して魚養殖とともに野菜・果物を栽培する循環型農法「アクアポニックス」に取り組んでいる岡山県立東岡山工業高校(岡山市中区)で12月17日、工業化学科の生徒たちが育てたベニザケを1年生が調理し、3年生を招待した試食会が開かれました。
生徒自らが育てた食材を活用することで「食育」とし、循環型農法への理解を深めるのが狙いで、これまで養殖を頑張ってきた3年生に「自分たちが調理したベニザケを味わってほしい」という感謝の気持ちも込めて実施されました。同校では専門科(工業化学科)と共通科(家庭科)の初の連携です。
ベニザケは今年5月、岡山理科大学生物生産教育研究センターの水槽から125匹が提供されたもので、当時は体重約30㌘だったのが、今では60㌘~100㌘、体長20㌢前後にまで育っています。このうち60匹を水揚げし、体長・体重を計測したうえで下処理。ぶつ切りにし、アクアポニックスで水耕栽培したミズナなど葉物のほか、ジャガイモ、パプリカ、ブロッコリーなどの野菜と合わせて、「ベニザケと野菜のオーブン焼き」を作りました。
下処理を担当した女子生徒は「魚に触ったのは初めてです。前からやってみたかったので、とても面白かった」と笑顔で話していました。
また、1年生たちの真心のこもったベニザケ料理を試食した3年生男子の一人は「臭みやえぐみもなく、とてもおいしいです」と話し、「ベニザケの養殖ではアンモニアと亜硝酸の管理が大変でした」と振り返っていました。
試食会に先立って岡山理科大学生物科学科の山本俊政准教授は、生徒たちに向かって「5月に岡山理科大学で卵から孵化させた稚魚をこちらに提供させていただいたが、今までに死んだのは1匹だけだと聞いた。素晴らしいと思います。ベニザケはとても病気に弱くて、養殖に成功したのは世界で岡山理科大学だけです。ここは高校で世界初になります。自信を持ってください」と述べ、「今日初めて魚をさばいた生徒がほとんどだと思います。好適環境水は魚も育てるけど、人も育てるというのを改めて強く感じました」と話しました。

































