NTT Comの「Smart Data Platform for City」が 「東京ミッドタウン八重洲」にて運用開始

~ビル内のさまざまなデータの連携・制御基盤としてロボットによるデリバリーの実現などに貢献~

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)が提供する「Smart  Data Platform for City (以下 SDPF for City)」(※1) は、三井不動産株式会社が八重洲二丁目北地区市街地再開発組合の一員として事業を推進している「東京ミッドタウン八重洲」にて、2023年3月10日より運用を開始いたします。

 「SDPF for City」は、エレベーターや自動ドアの連携によりビル内を自律走行するロボットの制御などを実現するスマートビルディングプラットフォームとして、最先端のオフィスビルである「東京ミッドタウン八重洲」のビル内DXに貢献しています。


1. 背景

 近年、労働人口の減少や、新型コロナウイルスの拡大によるリモートワークの増加で労働環境は大きく変化しています。オフィスや商業施設では、利便性の向上やビルメンテナンス業務の効率化が求められており、DXによりこれらを実現するスマートビルディングのニーズが高まっています。

 このようなニーズの高まりを受け、NTT  Comにおいても、自社の共創スペースである「CROSS LAB for Smart City」(※2) などで実証実験を行うなど、気象データや位置情報、人流をはじめ、ビル内外のさまざまなデータを連携・利活用するデータ連携プラットフォームの開発・実装に取り組んできました。

 

2.「東京ミッドタウン八重洲」で提供する主な機能 

 ビル内のさまざまな設備を連携させるスマートビルディングプラットフォーム「SDPF  for City」を基盤として、以下の機能を提供します。     


(1)ビル内を自律走行するロボットの制御

  -1. ビル管理業務を行う複数のロボットの制御    

 計19台の清掃・運搬などの異なる役割を持った複数メーカー製のロボットを制御し、ロボットの稼働状況や位置情報を把握します。さらに、ビル設備と連動させることで、ロボット単独でのエレベーター乗降やセキュリティドアの通過など、人を介さないロボットの自律走行を実現しています。

 また、非常時には、ロボットが利用者の避難を妨げることのないよう、非常警報と連携することで動作を停止するほか、邪魔にならないスペースに移動させるなどの制御も行います。

 

  -2. ロボットの動きと連携したビル設備の制御

 「東京ミッドタウン八重洲」ではオフィスビルとしては初めて、オフィスワーカー向けに、ロボットによるデリバリーサービスが導入されます。

 従来、セキュリティの観点から配達員はオフィスエリアには入ることができず注文者がロビーまで来て受け渡しを行っていましたが、デリバリーロボットがロビーで配達員から商品を受け取り、自律的にセキュリティドアを通りエレベーターに乗ってオフィス内の注文者に直接配達することで、注文者がロビーに来ることなく商品の受け渡しが可能となりました。

 なお、ロボットによるデリバリーサービスは、「CROSS LAB for Smart City」において実施してきた実証実験 (※3) の成果の1つで、「SDPF for City」と複数のロボットを制御できるプラットフォームである「RoboticBase(R)」(※4) の相互接続・連携により実現しています。


(2)顔認証データと連携したビル設備の制御(※5)

 セキュリティゲートやエレベーター設備、自動ドアが顔認証と連動することにより、入退館の完全なタッチレス化を実現しています。オフィスワーカーが顔認証機能の搭載されたセキュリティゲートを通過すると、勤務フロア情報がエレベーター設備に連携され、オフィスワーカーはエレベーターのボタンに触れることなく勤務フロアに着床することが可能です。


3.今後について

 NTT Comは、今後も、人とロボットの協働やエネルギーマネジメント、安心・安全な街づくりなどにより、ビル利用者や街の住民の利便性向上に資するサービスの実現をめざし、ビルや街を取り巻くさまざまなデータを連携させた高度なソリューションの拡充に取り組みます。


(※1):「SDPF for City」は、人の流れや施設内外の情報、ロボットなどのモノの情報など都市に点在するさまざまなデータをシームレスに融合できるプラットフォームです。「SDPF for City」上にデータを整理し、連携しやすくすることで、日々の活動から生まれるデータを企業成長のエンジンへと変える、次世代のプラットフォームです。

 (参考)https://www.ntt.com/business/dx/smart/city/

(※2):「CROSS LAB for Smart City」はSmart Cityにおけるさまざまなパートナーの皆様と、知見や技術を持ち寄り、オープンかつアジャイルな開発ができる共創の場として、NTT Comが2021年4月に開設しました。グリーンフィールド型Smart Cityなど、実際のフィールドでの実証実験が困難な場合の実証実験や、センサーなどを用いた技術検証を行うことができ、Smart City分野でのサービス/ソリューションの価値創造の加速に寄与する施設です。

(※3):TIS株式会社との実証実験。

 NTT Com:「SDPF for City」により天井のビーコン受信機などで把握したロボットの位置を取得

 TIS株式会社:「RoboticBase (R)」にて「SDPF for City」から連携された情報をもとに各ロボットに動作(走る・停止するなど)を指示

(※4):「RoboticBase (R)」はサービスロボットをインテグレーションするための統合管理機能を提供するソフトウェアです。「RoboticBase (R)」を利用頂くことで、さまざまな企業が開発・提供する警備や案内などの業務に特化した各種サービスロボットを束ね、統合的に業務利活用することができます。運搬、清掃、案内、警備など種類の違うサービスロボットやセンサー、カメラ、サイネージなどのIoTデバイスを統合管理する基本機能を備え、エレベーターやセキュリティドア等との設備連携や、企業システム、外部データとの連携などを実現します。

(※5): 2023年夏頃より「SDPF  for City」と連携予定です。


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