災害医療をVR再現!地震脱線事故の救急対応をVRで学習!熊本...

災害医療をVR再現!地震脱線事故の救急対応をVRで学習!熊本地震の経験を基に熊本大学と共同制作

〜 日本災害医学会100人VRセミナー3月開催 〜

 株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役:上路健介、以下 ジョリーグッド)は、国立大学法人熊本大学(熊本県熊本市、学長:小川久雄、以下 熊本大学)と共同で、「災害医療教育VR」を制作いたしました。

 今回共同制作したVRコンテンツは、熊本地震を経験した熊本大学の災害医療チームが監修し、地震による列車脱線事故発生直後の一連の救急対応がテーマとなっています。また、コンテンツ内の列車脱線事故は、日本の災害救急医療の歴史において、初めて大規模トリアージ(緊急時にどの傷病者から治療・処置するかの優先順位決め)が行われたJR福知山線脱線事故をモデルにしています。
 災害大国である日本では、災害医療の重要性は高く、医療従事者には適切な教育が必要とされています。一方で、実際の災害現場で臨床実習や研修を行うことは困難であり、「実習機会の不足」が課題となっていることから、災害現場を360度空間で実習体験できるVR制作に至りました。
 今後は、2023年3月9日に岩手で開催される「第28回日本災害医学会総会・学術集会」にて、本VRコンテンツを活用した大規模セミナーを実施し、2023年4月以降は熊本大学の医学生および研修医を対象にVRを活用した災害医療教育を行っていきます。

■過去の大規模災害で浮き彫りとなった災害医療の課題

 日本では多くの大規模な自然・人為災害が発生しており、災害時の適切な医療チーム体制の構築・育成が重要とされています。
 一方で、JR福知山線脱線では発災当初、現場の体制も整わないまま負傷者が線路の両側に救出されたため、医療チームが事故の全体像を把握できず、多数の医療チームが参集しても相互の連絡が不十分だったことが課題として報告(*)されています。
 また、東日本大震災では、岩手県沿岸部15病院での全死亡数の内、18.3%は適切な医療介入があれば避けられた可能性のある「防ぎえた災害死」と言われており、災害医療に関する教育の重要性が特に再認識されています。
▲出展:岩手医科大学 災害時地域医療支援教育センター(http://www.iwate-med.ac.jp/saigai/report/docs/2016poster02.pdf)
▲出展:岩手医科大学 災害時地域医療支援教育センター(http://www.iwate-med.ac.jp/saigai/report/docs/2016poster02.pdf
※:尼崎JR脱線事故特別調査委員会報告書「JR 福知山線脱線事故に対する医療救護活動について」

■災害医療教育VR概要

 制作したVRコンテンツでは、地震による列車脱線事故において、多数傷病者の発生に対して救護班の出動から現場活動までをリアルに学ぶことができます。コンテンツ内では、診療内容に関する設問を設けており、受講者は常にVR映像内で処置の判断をしながら災害現場の実習体験を行うことができます。
<コンテンツの流れ>
① 病院内での救護班編成
② 事故現場での活動内容について指示を仰ぐ
③ 救急車内での二次トリアージ
④ 病院への救急搬送

■第28回「日本災害医学会総会・学術集会」〜東日本大震災被災地からの発信〜 VRセミナー

セミナーテーマ:DMAT視点のVRで体験する 災害現場の危険予知と判断
日時:2023年3月9日(⽊)17:40―18:30
場所:マリオス|第6会場 18階(盛岡市盛岡駅西通二丁目9番1号)
登壇者:
座長 大友 康裕(東京医科歯科大学医学部附属病院 救命救急センター長)
演者 笠岡 俊志(熊本大学病院 災害医療教育研究センター長)
   横堀 蔣司(日本医科大学附属病院 高度救命救急センター センター長)
   上路 健介(株式会社ジョリーグッド 代表取締役CEO)

■第28回「日本災害医学会総会・学術集会」ジョリーグッド ブース出展

日時:2023年3月9日(木) 12:00〜17:00
   2023年3月10日(金) 9:00〜17:00
   2023年3月11日(土) 9:00〜15:00
会場:アイーナ・いわて県民情報交流センター 4階(盛岡市盛岡駅西通1丁目7番1号)
ブース番号:48番

■熊本大学病院 災害医療教育研究センター長 笠岡俊志 医師 コメント

災害医療に関する実習を実際の災害現場で行うことは困難です。通常、医療機関ではマニュアルに基づく災害医療訓練などによって災害医療提供体制の整備を行っていますが、個人レベルのスキルアップには限界もあります。医学生一人一人に災害現場への出動をリアルに体験させられることがVRの大きなメリットと考えます。熊本大学でも医師目線のVRコンテンツによる卒前教育によって、災害医療の理解がより深まると期待しています。さらに、卒後教育における活用と効果も期待しています。医学部を卒業した多くの医師は災害現場活動を経験していませんが、自然災害の多い日本において、突然、災害現場対応を求められる可能性もあります。今回作成したVRは日本の医師にとって災害医療を学ぶ貴重なツールになると確信しています。

<VR制作に関するプロジェクト概要>

 本件は、文部科学省の「令和4年度研究拠点形成費等補助金事業(ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業)」で採択された長崎大学、鹿児島大学、熊本大学による「次世代型教育で創る連携教育拠点構築プロジェクト~地域とくらしを支える医療人の育成~」事業における取り組みの一環となります。
https://www.mext.go.jp/content/20220701-mxt_igaku-01384475_00015.pdf

■熊本大学医学部医学科について(http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/medical/

 熊本における医学教育の源流は、宝暦6年(1756年)肥後藩の細川重賢公が創設した医学寮再春館まで遡ることができ、熊本大学医学部医学科の歴史は、明治29年(1896年)に創立された「私立熊本医学校」にまで遡ることができ、医学科卒業生はこれまでに1万人を超え、全国の医療機関において医師として活躍する者、世界的な医学研究者としても活躍する者を多数輩出しています。
 理念・目標として、「豊かな人間性と高い倫理観を持ち、医学およびその関連領域における社会的な使命を追求、達成しうる人物を育てるために、科学的で独創性に富む思考力を涵養すると共に、医師として必要な基本的知識、技量を修得させ、生涯にわたって自己研鑽を積むことのできる人材を育成する。」ことを掲げ、常に新しい教育システムを取り入れながら、更なる医学教育の充実を図っています。

■JOLLYGOOD+(ジョリーグッドプラス)について(https://jollygoodplus.com/about

 JOLLYGOOD+は、国内外の医療機関、医療機器メーカーなどが製作した300以上の医療VRコンテンツが定額で体験し放題のサブスクリプションプラットフォームです。
 毎月、医療の進化に応じた新規コンテンツが追加され、その時々で医療業界で求められているコンテンツを活用し、質の高い医療教育を提供することができます。
 なお、熊本大学と共同制作した「災害医療教育VR」は2023年4月にJOLLYGOOD+にて公開予定です。

導入・問い合わせはこちら:https://jollygoodplus.com/about/contact/

■株式会社ジョリーグッドについて(https://jollygood.co.jp/

 ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。

【企業理念】

テクノロジーは、それを必要とする人に使われて、初めて価値がある。

【ミッション・ビジョン・バリュー】

ミッション:『テクノロジーで人の成長を加速する』
ビジョン:『成長体験を増やし、人生を豊かなものに』
バリュー:『アップデートを楽しみ、本質と価値にこだわる』

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