生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、2013年のスマートフォンアプリにおけるトレンドとして、「“声萌え”アプリ」に注目し、レポートします。
現在、スマートフォンユーザーの増加にともない、「スマートフォンアプリ」の市場が急速に拡大しています。特に最近では、スマートフォンで「文字」だけではなく「音声」を楽しむ人が増えており、アプリにおいてもこうしたユーザー動向を反映した製品がぞくぞく登場しています。
中でも、トレンド総研が注目しているのが、異性の魅力的な“声”をスマートフォンで楽しむことができる「“声萌え”アプリ」です。実際に、現在ユニークなコンセプトの“声萌え”アプリが多数登場しており、若い男女を中心に人気を集めています。
今回は、この“声萌え”アプリをテーマに、トレンドに詳しい専門家へのインタビューコメントや消費者意識調査の結果などをレポートいたします。また、専門家も注目する、“声萌えアプリ”の最新トレンドについてもご紹介いたします。
はじめに、トレンドに詳しい商品ジャーナリスト・北村 森氏に、“声萌え”アプリに注目が集まる背景についてお伺いしました。
■スマートフォンへの移行で変化した「音声」の楽しみ方
スマートフォン人口が急速に拡大している現在、携帯電話の活用方法にも変化が起きています。中でも、携帯電話における「音声」の楽しみ方は、「フィーチャーフォン(従来型の携帯電話、いわゆる「ガラケー」)」時代に比べて大きく変化しました。これまでは、音声といえば「通話機能」を指すことがほとんどでしたが、スマートフォンが普及してからは、音楽のダウンロードサービスを使ったり、音声付きの動画やアプリを楽しんだりと、活用の幅が大きく広がっています。スマートフォン自体も、本来は「電話」というカテゴリーに位置するものですが、実際には「通話」ではなく「コンテンツサービス」において音声が楽しまれることが増えているのです。
■“声”の「コンテンツとしての可能性」に注目する動きが増えた
その一方で、現在、“声”そのものが持つ「コンテンツとしての可能性」が見直されています。そもそも、“声”というものは、人間のイマジネーションを働かせてくれたり、心地良い気持ちにさせてくれたりと、コンテンツとして非常に魅力を有するものであり、現在あらためて、その可能性に注目が集まっているといえます。
例えば最近も、ある大手メーカーのETC車載機に有名な声優さんの声が使われていることが話題になりました。これは、人間が魅力的な“声”を潜在的に求めており、“声”によって新たな商品付加価値が生みだせるということを示す、いい事例だと思います。
その他にも、人気番組でお笑い芸人さんの“声”にフォーカスしたテーマが放映されるなど、「コンテンツ」として活かしやすい素材であることも徐々に認知されてきました。特に、異性の魅力的な“声”にフォーカスしたものはコンテンツとして興味を持たれやすく、“声萌え”という新しいジャンルが形成されつつあるといっても過言ではありません。
■“声萌え”はスマートフォンと相性のよいコンテンツ
そして、この“声萌え”コンテンツは、特にスマートフォンとの相性が良いもの。というのも、“声萌え”は個人の好みにかかわる要素が強く、大勢で楽しむというよりは、1人でじっくり楽しむタイプのコンテンツです。そのため、スマートフォンという、パソコンよりもさらにパーソナルな機器は、“声萌え”コンテンツを楽しむ上で、非常に適しているのです。今後、スマートフォン向けの“声萌え”コンテンツは、ますます注目されていくでしょう。
実際に、すでにスマートフォンアプリの分野では、“声萌え”の要素を取り入れたコンテンツが多数登場しています。これまで“声萌え”のコンテンツは、コアな趣味を持った人向けのもの、というイメージが強くあったのではないかと思いますが、スマホアプリの場合は、パーソナルな空間で手軽に楽しめるだけに、心理的なハードルも下がります。そのため、例えば声優さんなどのコアなファンだけではなく、一般のライトユーザーの中でも、アプリを通じて“声萌え”を楽しむ動きは、さらに増えていくのではと予想しています。
*専門家プロフィール
北村 森(きたむら・もり) 商品ジャーナリスト
「日経トレンディ」編集長時代から、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活動。退職後、商品ジャーナリストとして活動。原稿執筆、テレビ、ラジオ番組への出演、講演活動などとともに地方自治体と連携する形で地域おこしのアドバイザー業務にも携わる。著書に『途中下車』(河出書房新社)、『ヒット商品航海記』(日本経済新聞出版社 共著)。
続いて、北村氏のインタビューをもとに、一般の消費者における“声萌え”コンテンツの受容性について調査を実施。スマートフォンユーザーの10~30代男女500名を対象に、スマートフォンの活用実態や“声萌え”に対する興味・共感の度合いについて質問しました。
■スマホユーザーの6割以上が「音声付きのコンテンツを楽しむ機会が増えた」
はじめに、スマートフォンにおける「音声」の楽しみ方について質問をしました。まず、「スマートフォンに、音声(音声付きの動画含む)が楽しめるアプリをダウンロードしていますか?」と聞いたところ、82%が「ダウンロードしている」と回答。また、「普段スマートフォンで、音声付きのコンテンツを楽しむことはありますか?」という質問には、81%が「ある」と答えました。
さらに「フィーチャーフォンを使っていた頃と比べ、携帯電話で音声付きのコンテンツを楽しむ機会は増えましたか?」と聞くと、スマホユーザーの61%が「増えた」と回答。
[グラフ1] http://www.atpress.ne.jp/releases/33938/1_1.jpg
過半数の人が、スマートフォンを使用するようになってから、音声を楽しむ機会が増えているようです。
■好みの“声”がある人は約7割・・・リアルな“声萌え”体験者も半数以上!
次に、「“声萌え”コンテンツ」への興味・関心について調査をおこないました。はじめに、「あなたは、異性の“声”について、好みはありますか?」と質問したところ、66%と約7割が「ある」と回答。そこで、具体的に好みの“声”を聞くと、「やや鼻にかかった、かわいらしい声。(29歳・男性)」、「低めで落ち着いた、艶のある声。(36歳・男性)」、「やや高めで切ない感じの声。(28歳・女性)」、「少し枯れているようなハスキーボイス。(25歳・女性)」、「低く落ち着いていて、包み込むような優しさを感じる声。(19歳・女性)」など、さまざまな回答があがりました。異性の“声”に対する好みは、人によって大きく異なることがわかります。ちなみに、「“声”がきっかけで、異性に対して魅力を感じた経験はありますか?」という質問には、54%と半数以上が「ある」と答えており、リアルな場で“声萌え”を体験している人も少なくないようです。
[グラフ2] http://www.atpress.ne.jp/releases/33938/2_2.jpg
また、「好きな声優や歌手などの“声”が聞けるスマートフォンアプリ(コンテンツ・ゲームなど)があれば、利用してみたいと思いますか?」という質問にも、40%が「そう思う」と回答。すでに“声萌え”アプリに一定の需要がある様子が窺えます。
[調査概要]
・調査期間 :2013年2月26日~2月28日
・調査方法 :インターネット調査
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
・調査対象 :10~30代 スマートフォンユーザー 男女 500名
最後に、トレンドの専門家である北村氏に、今後注目の“声萌え”アプリをご紹介いただきました。
■ガールフレンド(仮)
最初の注目アプリは、サイバーエージェントが提供するスマホアプリ「ガールフレンド(仮)」。学園を舞台にさまざまなタイプの女の子との出会いを楽しみながら、数々の試練に挑んでいく学園カードゲームです。
最大の特長は、登場する女の子たちのボイスを、総勢60名以上の豪華声優陣が担当していること。堀江由衣さんや原田ひとみさん、戸松遥さんなど、人気女性声優たちのボイスを思う存分楽しむことができます。キャラクターデザインも可愛らしく、これぞまさに“声萌え”の代表格、といった印象のアプリです。
ゲームアプリのためライトユーザーでも気軽にプレイしやすく、大々的なTVCMの影響で知名度もあがっているため、今後さらにファンが増えていくと予想されます。
▼「ガールフレンド(仮)」 iOS/Android端末対応、無料
http://vcard.ameba.jp/pc/index.html
アプリイメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/33938/3_3.jpg
■朗読少女
続いて紹介するのは、読書エンターテインメントアプリ「朗読少女」。これは、自分が選んだ本を、制服を着た少女が朗読してくれるというユニークなアプリです。2013年3月現在で累計ダウンロード数が100万を突破しているほか、昨年10月には公式ガイドブックも発売されるなど、非常に高い人気を集めています。
このアプリでは、キャラクターの朗読中に挿絵が表示され、ワンタッチで早送り・巻き戻しも可能。気になったところには付箋の設定もできます。さらに、画面上で少女とのコミュニケーションが楽しめるほか、好感度によってキャラクターの反応が変わってくるなど、育成ゲーム的な要素があるのも人気の要因です。
ちなみに、新しい本はStoreページから購入ができます。「羅生門」「よだかの星」といった名作が提供されており、今まで書籍にあまり馴染みのなかった人もオーディオブックや朗読の魅力が体感できる内容となっています。
▼「朗読少女」 iOS端末対応、アプリ本体は無料、作品の追加購入は有料(85円~)
http://www.rodokushojo.jp/
アプリイメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/33938/4_4.JPG
■電卓少女
最後におすすめするのは、「電卓少女」。その名の通り、かわいい少女が電卓で叩いた数字や計算結果を、声で教えてくれるアプリです。ちなみに、キャラクターの『阿僧祇なゆた』ちゃんは、数学好きな女子高生で、演劇部所属のメガネっ娘という設定。単純に電卓で計算するだけでなく、コスチューム、背景画像を変更したり、キャラクターとの友好度をアップさせたりなどの遊び方もできます。無機質な計算仕事も、「電卓少女」を使うと、キャラクターの萌え効果・癒し効果で一気に楽しくなりそうです。
毎日多くのアプリが新登場し、独自性を打ち出すことが難しくなりつつある現在では、このアプリのように、日常的に使えるユーティリティーアプリに“声萌え”の要素を追加する、という動きもますます増えていくと思われます。
▼「電卓少女」 iOS/Android端末対応、無料
https://itunes.apple.com/jp/app/dian-zhuo-shao-nu/id405199533?mt=8 (iOS版)
https://play.google.com/store/apps/details?id=althi.hrkw.CalcGirl (Android版)
~ トレンド総研の「マーケティングリサーチ」とは ~
トレンド総研の「マーケティングリサーチ」は、クライアントの依頼のもと、市場における生活者の意識・実態に関する調査をおこなっています。また、調査結果にもとづき、各業界におけるトレンドの予測・分析、トレンド商品の人気の背景などに関する情報を発信し、企業と生活者のコミュニケーションを後押しすることにより、経済の活性化を目指します。


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