工学院大学の伊藤 博之教授、グッドデザイン賞2022ベスト1...

工学院大学の伊藤 博之教授、 グッドデザイン賞2022ベスト100を受賞(11/1)

工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の伊藤 博之教授(建築デザイン学科)が設計したホテル「PRISM Inn Ogu」は、グッドデザイン2022(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)ベスト100を受賞しました。2022年度各部門受賞作品の中で審査委員会により特に高い評価を得た100件で、11月1日に受賞祝賀会が開かれました。

同ホテルは、この地域には貴重な、家族連れやグループ等の多人数(最大9人)の長期滞在を想定しています。室内は、柱と貫(ぬき)によりいくつかの小さな空間に分かれて、限られたスペースでも、それぞれの居心地の良い居場所を見つけることができるよう設計されています。


ホテル「PRISM Inn Ogu」外観(右端の1棟)

室内の一例


■デザインのポイント

1. ベッド数が多くても互いに居心地良く過ごせるよう、構造躯体を用いて適切な距離感を作り出した。

2. 柱を繋ぐ貫は全体の構造的な補強であり、ロフトの床を支える梁でもある。

3. 周辺状況や家具配置に応じて外周の腰壁高さを変え、プライバシー・眺望を確保しつつ場所の個性を生み出した。



■審査員コメント ※同賞サイトより

一般的に、中高層の建物において大きくなりがちな躯体柱の存在は、内部空間のヒューマンスケールや空間の個性を奪うものとして設計者の頭を悩ませる要素のひとつである。ペンシルビルにおけるそういった制約に対し逆転の発想で大きな柱の存在感をポジティブに捉え、階高の調整や、扁平柱の採用、千鳥状の柱の配置などの工夫で内部のプログラムと構造体の形状が互いに共鳴しあう計画を導き出し見事に存在を空間の個性と魅力へと昇華させている。柱はプライベート空間を緩やかに分節する間仕切りとなり、扁平柱に架かる貫はロフトの床を支える機能を果たし、かつ空間にリズムと陰影を生みだす要素となった。結果的に内装材で駆体を覆ったり、表面的な意匠を施すことなくひだのある豊かな空間性を実現している。構造と空間が呼応する潔い空間構成、複雑なプログラムを明解かつ鮮やかに解いた設計者の手腕が高く評価された。


ベスト100受賞 ホテル「PRISM Inn Ogu」紹介ページ(同デザイン賞サイト): https://www.g-mark.org/award/describe/54200



■伊藤 博之教授コメント(建築デザイン学科、写真左)

家族やグループなどのそれぞれが、良い距離感で一緒に居られる、新しい「共にいる場所」が実現できたと考えています。この度の受賞につきまして、関係者の方々に厚く御礼申し上げます。授賞祝賀式では、審査員や受賞者など沢山の方々とお会いして、多くの刺激もいただきました。これを励みに今後もさらに精進したいと思います。


受賞祝賀会にて(左が伊藤 博之教授)


■受賞詳細

受賞対象名:ホテル PRISM Inn Ogu

事業主体名:株式会社プリズミック

分類   :商業のための建築・環境

受賞企業 :株式会社プリズミック(東京都)

      伊藤博之建築設計事務所(東京都)

受賞番号 :22G151157



■実務者教員の現場経験をもとに、建築業界のDXを促進するカリキュラムを構成

工学院大学教員のグッドデザイン賞受賞は、2019年から4年連続です。同大学には国内外の受賞歴を持つ実務家教員が多く、最新の技術や各分野での具体的なニーズをタイムリーに教育に反映させています。今秋から始めた建築学部での教育「デジタルツインラボを活用した建築デジタル教育」※はその代表例で、現場を知る教授陣が、建築業界におけるDXを人材育成の面から推し進めます。

※文部科学省「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」採択事業。

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