比田井南谷 生誕110年 個展「HIDAI NANKOKU」開催  日本未発表作品も初公開!

11月12日より√K Contemporaryにて

√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー/東京・新宿)では、2022年11月12日(土)~12月10日(土)にかけて、日本美術継承協会(東京・新宿)の主催する、書家 比田井南谷の個展「HIDAI NANKOKU」を開催いたします。本展では南谷の日本未発表作品や南谷の拓本コレクションを含む約50点ほどの作品を展覧いたします。


HIDAI NANKOKU


比田井南谷は戦後、新たな概念の「線の芸術」を創造し、日本の書道界や美術界、さらに欧米の芸術界に衝撃を与えました。当時のSan Francisco Sunday Chronicle紙に「New Abstract Style」と評されたその芸術表現は、それまでとは全く異質の新しい表現として非常に高く評価され、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとした美術館や、著名なコレクターに作品が所蔵されました。

しかしながら、現在のアートシーンにおいては、南谷の偉業は正しく美術史の中に位置づけることができていません。生誕110年となる本年、あらためて南谷の「線の芸術」を紐解き、その真髄に迫る事で、多くの方にその高い芸術性を感じていただき、比田井南谷という創造者を後世に残していく契機とすべく、本展を開催いたします。


比田井南谷 67-3 (1967) 鳥の子紙、墨 個人蔵


【本展開催に際して】

数年前に比田井南谷の作品に出会い、線表現に魅了され、昨年√K Contemporaryにて「線のカタチ」という企画展を行いました。南谷の作品を中心に線表現を追求した作家たちの作品を展示しましたが、ほとんどの方が南谷の作品に触れる初めての機会となり、その異質で力強い線表現に魅了されていました。

今年南谷は生誕110年を迎えましたが、20世紀の美術シーンにおいて彼の名が挙がることはほとんどなく、彼の作品への多くの人の反応を知る私達は違和感を覚えずにはいられません。

南谷は書家であるがゆえに、「前衛書家」という見出しを付けられます。

しかし、前衛書というのは一体何なのでしょうか。

その問いを長く頭に置きながら、彼の作品と向き合ってきました。「前衛書」という見出しを付け、書であるがために美術シーンにおいて彼の偉業が残されないのであれば、美術や芸術の本質はどこにあるのかと。

南谷は、同時期に活動していた彼の地の新しい表現者達と同様に大きな未来に可能性を持ち、新しい価値観で概念を変えようと、わずかな部分に着手していただけかもしれません。

私達は、この問いや疑問の線引きを変えることで日本の美術文脈をインターナショナルに位置付けるきっかけになればと願い、また美術界や書壇の垣根を取り払い、ただ一心に書の、芸術の、真髄を発信し続けたこの書家の活動を知ることに日本美術の進むべき道の答えがあるような気がしています。


私達がこのような意義ある展示の一端を担える事をとても光栄に思っております。

たくさんの方に本展をご覧いただけましたら幸甚にございます。


加島いち子(Director, √K Contemporary)



【比田井南谷 / Hidai Nankoku(1912~1999)】

比田井天来、小琴の二男。父天来について書法を学ぶ。父歿後は書道研究機関「書学院」を継承して数千冊に及ぶ貴重な碑帖の管理にあたり、同時に書学院出版部を再開して良書の出版と啓蒙に努める。1945年、史上初の前衛書「電のヴァリエーション」を書き翌年発表、書壇に衝撃をあたえる。東京、ニューヨークなどで個展を多数開催。現代美術展等に招待出品。ニューヨーク近代美術館(MoMA)など著名コレクターが作品買上げ。またプリンストン大学、コロンビア大学等約20の大学で書道史を講演する。


比田井南谷 揮毫風景


<Public Collection>

京都国立近代美術館/佐久市立天来記念館/千葉市美術館/東京国立近代美術館/東京都現代美術館/成田山書道美術館/新潟県立近代美術館/北海道立函館美術館/春日井市道風記念館/イェール大学美術館/カリフォルニア大学バークレー美術館/クレラー・ミュラー美術館/コーネル大学ジョンソン美術館/サンフランシスコ近代美術館/ニューヨーク近代美術館/ハーバード大学フォッグ美術館/ビクトリア国立美術館/M+


Webサイト: http://www.shodo.co.jp/nankoku/



【本展の見どころ】

・日本初公開作品や未発表作品を含めた約50点を出展

本展では、1960年代に欧米で発表して以降、本邦初公開となる作品7点、そして未発表作品やスケッチなど、南谷の貴重な作品群を一堂に会した約50点を展示いたします。


・比田井南谷の拓本コレクション 公開

本展会場の地下では、南谷の貴重な拓本コレクションを展示いたします。

西洋には存在しない拓本芸術は、南谷がアメリカで開催した最初の個展に併催された拓本展で多くの欧米の芸術家たちに衝撃を与えました。拓本は、南谷が創造した「線の芸術」の源泉の一つであり、また、東洋独自の芸術形態です。本展では、現在では見る事のできない大変貴重な南谷のコレクションの一部を展示し、拓本の意義を改めて問います。


・比田井南谷の貴重な資料も展示

南谷は作品制作と同時に、書道の振興にも尽力し、国内外の大学や研究機関等で「正確な書道史・書の鑑賞の仕方・書の書き方」という講義や実演、書法指導を行いました。当時の資料や新聞記事等の資料を公開いたします。その他、1960年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとした各種の美術館や著名なコレクターが南谷の作品を購入した記録もご紹介。さらに、ピエール・アレシンスキーやワラッセ・ティンといった著名なアーティストたちとの共同制作や交流記録も展示し、多岐に渡る活動の足跡をたどります。



【比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」 スペシャルイベント開催】

本展では、各種イベントを通して比田井南谷の人物像に迫ります。また、臨書体験ワークショップやファッションとコラボしたイベント等も開催予定です。


詳細は随時本展Webサイトに掲載いたします。

Webサイト: https://root-k.jp/exhibitions/hidai-nankoku_2022/


■ギャラリートーク

天来書院 比田井和子氏を中心に、多彩なゲストをお招きしたギャラリートークを開催いたします。比田井南谷の作品や創作背景、人物像など、作品群をご覧いただきながら、お楽しみいただくトークイベントとなります。


■南谷流臨書ワークショップ

展示された拓本の中から好きな字を選び、作品を書くワークショップを開催いたします。

南谷は渡米した際に、書を全く知らない現地のアーティストたちに書を教えました。今回のワークショップでは、南谷の弟子として書法・書学を学ばれた高橋蒼石氏※を講師に迎え、その当時の講座を再現します。貴重な拓本をご覧いただきながら、書をより身近に感じていただける機会となります。

どなたでも参加可能ですので、是非ご参加ください。


■拓本xFashion

1960年代、比田井南谷がアメリカで個展を開催した際に注目を集めた拓本は、LIFE誌にも取り上げられ、拓本とファッションがコラボレーションした特集が組まれました。

本展では、当時のシナジーを再現すべく、会場内にてファッションイベントを開催予定です。


■出展作品

比田井南谷 第7「鳥と弓」(1949) 画宣紙、墨


比田井南谷 57-11-B (1957) 画宣紙、墨


比田井南谷 59-27 (1959) 画宣紙、墨


比田井南谷 61-3 (1961) 画宣紙、墨


比田井南谷 64-10 (1964) 画宣紙、墨


【比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」開催概要】

■企画展名:比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」

 英題  :110th Anniversary Commemorative Exhibition, HIDAI NANKOKU

■会期  :11月12日(土)~12月10日(土)

■入場料 :無料

■会場  :√K Contemporary(東京都新宿区南町6)

      Tel 03-6280-8808/Email info@root-k.jp

■主催  :一般社団法人 日本美術継承協会

■企画構成:√K Contemporary

■協力  :天来書院、比田井和子、比田井義信、高橋進、高橋蒼石※、SEI-RIN

■デザイン:田原慎太郎


※高橋蒼石の「高」の字は、正しくは「はしご高」です。



【日本美術継承協会について】

日本美術継承協会は日本固有の美術作品を後世に正しく継承することを目的として設立されました。美術品が私たちに語ってくれる歴史や文化を失う事なく、貴重な文化資産とし次世代へ残していくため、美術品の継承、保存・修復、そして美術振興活動を3本の柱として普及と啓蒙に務めております。

Webサイト: https://www.art-inheritance.org/



【天来書院について】

天来書院は大正6年に現代書道の父、比田井天来が創設した「書学院」に由来し、書関連の書籍出版やイベント等多岐に渡る活動を行っています。歴代の古典名品を収蔵する「書学院」は天来から南谷に引き継がれ、1990年に比田井和子氏により現在の商号「天来書院」となりました。書の普及と啓蒙に尽力し、動画配信等も行っています。

Webサイト: https://www.shodo.co.jp/



【√K Contemporaryについて】

√K Contemporaryは、次世代を担う優れたアーティストを広く紹介していく場として、2020年3月神楽坂にオープンしました。先人達の芸術思考を学び、その審美眼を以って主に戦後から現代、そしてコンテンポラリーアートを幅広く紹介するこのギャラリーには、時空や国境を越えて芸術の本質に触れる場を作りたい、という想いが込められています。


Webサイト: https://root-k.jp

Twitter : @rk_contemporary

Facebook : @rootkcontemporary

Instagram: @rk_contemporary



【新型コロナウイルス感染症対策について】

新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、開催内容が変更となる可能性がございます。何卒ご了承ください。

ご来場の際は、マスク着用及び検温、手指のアルコール消毒に御協力ください。

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