2/28・3/1 失語症の言語回復リハビリ研修と資格試験が名古屋で開催 患者が参加する実践形式で“見えない障害”50万人を支える人材を育成
この度、一般社団法人 日本MIT協会(会長:佐藤正之)は、脳卒中などの後遺症による失語症の発話改善を目的とした医療リハビリ技法・ Melidic Intonataion Therapy(メロディック・イントネーション・セラピー (MIT))の手技が学べる実地研修(第5期)を、2026 年2月28日(土)・3月1日(日)の2日間、愛知学院大学(名古屋市)にて開催します。医療福祉従事者 約30名を対象とし、様々な症状の失語症患者約15名が参加する臨床型実技演習を通して、医療現場で実践できるリハビリ技法を身につけ、施術できる人材を育成することが本研修・資格試験の目的です。
■ 失語症患者 約50万人 ― 発話回復を支えるセラピスト育成が急務に
日本では、脳卒中や脳外傷などの後遺症により言葉の障害が生じる「失語症」の方が約50万人いると推計されています(※2)。失語症は“見えない障害”とも呼ばれ、本人のみならず家族の生活や就労にも大きな影響を及ぼします。
一方で、厚生労働省資料を基にした専門メディアの報道に よると、言語リハビリを担う言語聴覚士の養成機関では、入学定員充足率の低下が続き、定員割れとなる養成校が多数にのぼる状況が指摘されています(※3)。これは今後の人材供給の縮小を意味しており、失語症リハビリを担う専門職の確保が構造的課題となっていることを示していま す。
臨床現場では、言語聴覚士を中心とした専門的リハビリの重要性が広く知られる一方で、そのリハビリ環境は地域差が大きく、十分な支援を 受けられない人も多いため、患者に寄り添いながら発話を支える人材の育成が急務となっています。
■ ”歌う”ような発話練習で、言葉を取り戻す ― MIT-J(メロディックイントネーションセラピー日本語版)とは

MIT-Jは、当協会名誉会長・関啓子が1983年に発表した言語リハビリ技法です。音楽療法とは異なり、音程とリズムを活用して“歌う”ように発話 練習を行うことで、左脳損傷によって損なわれた「話す機能」を右脳の働きで補う脳科学的アプローチです。
当協会は2022年の設立以降、全国でのべ110名のMITトレーナーを育成しました。資格取得者後のアンケート調査結果では、資格取得者の 約78%が臨床現場や在宅リハビリにて、1人あたり約5名にMITを導入し、のべ約400名の失語症患者がMITリハビリを受けたことが明らかとなりました。
■ 臨床型プログラム初導入 ―失語症当事者を相手に学ぶ実践プログラムを追加
第5期となる今回の研修は、資格取得者アンケートで寄せられた「資格取得後すぐに患者へ実践できるか不安」という声を受け、初の「臨床型プ ログラム」を導入します。従来のロールプレイ形式から、様々な症状を持つ失語症患者を招き、受講者が直接セラピーを実践する学びに変更することで、受講者の心理的ハードルを下げ、実際の反応を見ながら“生きたリハビリ”を体験します。
今回の研修を通して、失語症で言葉をうまく話せず精神的に疲れたり、社会的にも孤立している方が失語リハビリを卒業し、以前の日常生活を取 り戻すことで、現在苦しんでいる患者とその家族に希望の光と勇気を与えるお手伝いをしたいと思っています。リハビリを「する人」と「される人」 という関係から、「共に言葉を取り戻す仲間」へと変えていく。この研修は、患者中心の医療と社会的共生を実現するための一歩です。大変お忙しいとは存じますが、この件につきましてご取材いただき、報道のお力でより多くの皆さまへ届けるきっかけとしていただけましたら幸いです。
(※1)医療福祉従事者向け研修のため、感染予防でフェイスシールドと手袋を着用して実施しています。(※2)平成28年 国立障害者リハビリテーションセンター『失語症患者の障害者 認定に必要な日常生活制限の実態調査及び実数調査等に関する研究』(厚生労働省 障害者政策総合研究事業)(※3)PT-OT-ST.NET「言語聴覚士養成施設の入学定員充足率に関す る報道」https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/1795
■開催概要 :第5回 MITトレーナー実地研修
◎開催日時:
【1日目】2026年2月28日(土)13:0017:00 (受付12:30)
【2日目】3月1日(日)9:0016:30 (受付8:45)
※失語症患者様のご参加時間:2日目 10:3512:05 臨床演習、13:1514:55 実技試験 (予定)です。
◎会場:愛知学院大学 名城公園キャンパス(アリスタワー7601)
名古屋市北区名城3丁目1-1 https://www.agu.ac.jp/access/meijo/
◎対象:医師、歯科医師,看護師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、公認心理師、認定音楽療法士、教員(特別支援学校教諭等)、学識経験者(言語学、神経科学、教育学等)など、医療・福祉分野に携わる方
◎内容:メロディック・イントネーション・セラピー(MIT)実技研修および認定資格試験(実技・科目)
・1日目:MITの全体構成復習、実技指導(レベルI~IV)
・2日目:記録法の付け方、模擬臨床演習(失語症当事者)・実技試験(失語症当事者への施行·1人約15分)、科目
試験(マーク式25問·40分)
※ 当日は、講師や一部参加者へのインタビューが可能です。
当日ご取材にお越しいただけます場合は、事前に下記【お問い合わせ先】までご連絡くださいませ。
◆主催:一般社団法人 日本MIT協会
◆共催:日本音楽医療研究会/愛知学院大学健康科学部
◆協力:NPO法人ドリーム/NPO法人高次脳機能障害者支援「笑い太鼓」
失語症とは

• 概要:失語症は、脳卒中や脳外傷などによる脳の損傷によって起こる言語障害。話す・聞く・読む・書く能力が部分的または完全に失 われる状態を指す。
• 主な原因:脳卒中(特に左脳の損傷)・脳梗塞・くも膜下出血が大半を占める。日本では約50万人が失語症を抱えているとされる。
• 日常生活への影響:言葉でのコミュニケーションが困難になるため、患者本人とその家族の生活の質に大きな影響を与える。
メロディック・イントネーション・セラピー日本語版(MIT-J)について


•概要:音楽の音程とリズムを活用し、失語症患者の「話す力」を回復する医療リハビリ技法。失語症の症状の1つである、 「言葉の理解はできるが、話そうとするとしゃべりづらい症状がある」患者向けに、発話改善のために行う。
•目的:患者が自発的に言葉を発する能力を取り戻し、日常生活での会話を可能にする。 科学的根拠:脳科学に基づき、特にブローカ失語の患者に有効とされる。 技法のポイント:”歌う”ように言葉を繰り返し練習することで、左脳が担う話す機能を右脳に肩代わりさせる。(右脳の音楽認知機 能を刺激し、左脳損傷の言語機能を補う言葉の表出を促す迂回路を作る。)
•歴史:1970年代にアメリカで発表。失語症の発話障害への有効性が確立した「メロディック・イントネーション・セラピー (MIT) 」 を、原法である英語とは言語構造の異なる日本語に対応した「MIT日本語版 (MIT-J) 」として、当協会・関啓子名誉会長が1983年に発 表し、原法と同様の効果を持つことを報告した。
一般社団法人 日本MIT協会について
•概要:失語症の発話改善にエビデンスがある医療リハビリ技法「メロディック・イントネーション・セラピー日本語版(MIT-J)」の 手技を医療従事者(主に言語聴覚士)に指導、及び失語症及びMIT自体の啓蒙活動をサポートする団体。2022年4月、MIT-Jの手技を体 系化した「MIT-Jオンラインセミナー」を株式会社gene「リハノメ」にて発表、MITトレーナー施術者を育成する「MITトレーナー」認 定資格制度を開始。これまで、東京・名古屋・大阪・埼玉にて研修を4回行い、2026年2月現在、全国にのべ110名の育成事例がある。
• 設立目的:現在失語症に苦しんでいる患者とその家族に有効性が確立した MIT-J を万人に届けるため、以前の日常生活を取り戻すこと で希望の光と勇気を与えるお手伝いをしたく活動中。
• 主な活動:医療従事者向け研修の開催、 最新研究情報の発信。
















