SDGs考えて食品を買う消費者、わずか11.8% 日本経済社...

SDGs考えて食品を買う消費者、わずか11.8%  日本経済社主催「みどり戦略ビジネス研究会」が独自調査を実施

強い価格志向、対抗するのは「地産地消」「フードロス削減」、企業への期待大  『SDGsコンシューマ』拡大へ向け、官民での広報など3項目を提案

株式会社日本経済社(本社:東京都中央区銀座7-13-20、代表取締役社長:北村 真一郎)が主催する「みどりの食料システム戦略」ビジネス研究会(みどり戦略ビジネス研究会)は、株式会社日経リサーチと共同で、「SDGs時代の食品購入についての調査」を実施しました。


「みどりの食料システム戦略」は2021年5月に農林水産省が発表。様々なイノベーションによって環境と調和のとれた持続可能で生産性が向上する食料システムの確立に向け、各種目標を示しました。達成には、生産、加工・流通、消費、調達の全サイクルにおいて、行政や民間事業者による積極的な取り組みと共に、消費者の意識向上と行動変容の重要性を指摘しています。


これを受けて当研究会は、消費者の現在の意識を探るために今回、食品購買時の判断基準、SDGs視点で割増料金を受容するポイント、食に関するSDGsの個人の取り組みなどを調査し、以下のような結果を得ました。

※「《参考》各質問回答結果のトピックス」の項目で本調査の各質問回答結果のトピックスを記載しておりますのでご覧ください。


●食品を選ぶ時にSDGsを意識している「SDGsコンシューマ」は現状11.8%しかいない。

※「《参考》各質問回答結果のトピックス」内、Q2SQ2参照

●「みどり戦略」やSDGs関連各種ラベルに対する認知度は現状低い。(「みどり戦略を知らない・聞いたことがない」87%)

●消費者が食品を選ぶ基準は全アイテムで「価格」が最多。

●「地産地消」「フードロス削減」「生産者支援」など、身近で直接的な要素があると、割高な商品価格を受容する人が増える傾向がある。

●「食に関するSDGsへの取組は企業イメージ向上につながる」と考える人は65.2%。学生は73.8%とさらに多い。


当研究会は調査結果から、消費者に対する以下のような取り組みを提案し、今後実行への具体的な方法を検討していきます。


(1)官民一体となり、国策である「みどり戦略」や各種関連ラベルの意義を、より積極的に広報することで、消費者に理解促進・行動変容させる

(2)食農事業者それぞれが、食農分野におけるSDGsに関する取り組み、特に“身近で直接的な利他的情報”を消費者へ伝える努力を行う

(3)SDGsの理解度・受容度を踏まえ、「学生」「ビジネスパーソン」「主婦・主夫」などセグメントグループ毎に効果的なアプローチ方法を採る



【調査概要】

◇調査対象  :18歳以上一般個人

        エリア×性×年代(29歳以下、30代、40代、50代、60歳以上)で

        割付回収

◇調査方法  :インターネット調査

◇質問数   :計49問

◇調査期間  :2022年2月17日~2月22日

◇回収数   :3,026サンプル

◇調査主体  :日本経済社(「みどりの食料システム戦略」ビジネス研究会)

        日経リサーチ

◇調査実施機関:日経リサーチ



【日本経済社主催「みどりの食料システム戦略」ビジネス研究会について】

当社は日経グループの広告会社として、関連省庁や各界の専門家を講師に招き、各セクターの事業体に対し「みどりの食料システム戦略」を理解した上で、自社のビジネス開発やパートナー探しに活かしていただく会員制の研究会を運営しています。

2021年8月から2022年3月まで各種の活動を行い、会員各社様より高い評価をいただきました第1期に続き、第2期として2022年5月から12月に活動を継続します。

現在第2期会員募集中です。


●日本経済社主催「みどりの食料システム戦略」ビジネス研究会のWebページ

https://www.nks.co.jp/project/midori.html


●第1期会員企業 ※2022年3月1日現在、社名公開許諾会員のみ掲載(五十音順)

株式会社アースコーポレーション、旭化成株式会社、アサヒグループホールディングス株式会社、味の素株式会社、アトラス株式会社、アリアケジャパン株式会社、阿波製紙株式会社、株式会社イノフィス、イビデン株式会社、株式会社エヌケービー、株式会社折兼、鹿児島堀口製茶有限会社、株式会社菊池製作所、株式会社クリーク・アンド・リバー社、株式会社鴻池組、国土防災技術株式会社、GF株式会社、ジーニーラボ株式会社、シンフォニアテクノロジー株式会社、株式会社スプレッド、DSM株式会社、国立大学法人東京農工大学、戸田建設株式会社、トレ食株式会社、株式会社中村商会、西村あさひ法律事務所、日産化学株式会社、日清食品ホールディングス株式会社、日本ハム株式会社、一般社団法人日本有機農産物協会、株式会社林原、原信ナルスオペレーションサービス株式会社、株式会社ハルカインターナショナル、株式会社ロスゼロ、本荘倉庫株式会社、萬寿企業株式会社 他



【会社概要】

名称  : 株式会社日本経済社

代表者 : 代表取締役社長 北村 真一郎

所在地 : 東京都中央区銀座7丁目13番20号

設立  : 1942年11月

URL   : https://www.nks.co.jp/

事業内容: 日経グループ唯一の総合広告会社。

      グループのネットワークとナレッジという強みを活かして

      広告領域にとらわれないユニークで新しいビジネスを

      「生み出す」ための「挑戦」を続けています。



【本調査結果および当ビジネス研究会へのお問い合わせ先】

株式会社日本経済社 「みどりの食料システム戦略」ビジネス研究会 事務局

電話:03-5550-0723

担当:長谷部( trhasebe@nks.co.jp )、小谷( akkotani@nks.co.jp )



《参考》各質問回答結果のトピックス

Q1A~J.〇〇を購入する際の判断基準(5つまで)

●それぞれの対象アイテムのトップ5は以下の通り(「購入しない・わからない」を除く)

・米

「価格」62.2%、「銘柄・ブランド」57.3%、「国内産地」49.0%、「地産地消」10.6%、「生産者情報」7.6%

・野菜

「価格」71.7%、「鮮度」63.3%、「国産」42.0%、「国内産地」30.9%、「見た目」27.4%

・牛肉・豚肉・鶏肉

「価格」73.4%、「鮮度」49.6%、「国産」39.5%、「銘柄・ブランド」30.8%、「見た目」22.4%

・卵

「価格」72.7%、「鮮度」46.1%、「国内産地」33.0%、「銘柄・ブランド」21.3%、「殻の色」8.8%

・魚介類

「価格」68.5%、「鮮度」65.9%、「見た目」27.2%、「国産」26.8%、「国内産地」23.9%

・肉加工品(ソーセージ、ハム、ベーコンなど)、水産加工品(かまぼこ、さつま揚げ、干物、塩辛など)、冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品

「価格」70.0%、「銘柄・ブランド」42.6%、「国産」28.3%、「国内産地」16.7%、「無添加」15.0%

・調味料

「価格」68.0%、「銘柄・ブランド」51.1%、「国産」23.4%、「無添加」16.7%、「国産材料」11.8%

・惣菜・弁当

「価格」69.4%、「見た目」46.5%、「鮮度」30.9%、「適量」20.2%、「国産材料」12.5%

・菓子類、飲料(酒類を除く)

「価格」72.7%、「銘柄・ブランド」52.6%、「国産」19.5%、「国産材料」10.7%、「無添加」9.5%

・酒類

「価格」50.4%、「銘柄・ブランド」47.1%、「国産」10.7%、「国内産地」8.2%、「海外産地」4.6%



Q2.日頃、購入する食品を決定する際に、以下の点を考慮しますか。あてはまる点を教えてください。(いくつでも)

●「安全性が高い」が55.5%で最も多い

続いて「これらの点を考慮することはない」25.4%、「栄養価が高い」25.2%、「地産地消に貢献できる」25.0%と続く

●「安全性が高い」「地産地消に貢献できる」「フードロス削減に貢献できる」では女性が男性よりも10~12ポイント多く、逆に「これらの点を考慮することはない」では男性が女性よりも12ポイント多い


Q2SQ1.選択した点が考慮されている食品であるとしたら、通常の食品よりも、価格がどの程度なら割高でも購入しますか。(ひとつだけ)

●「0%(通常と同じ金額)」「1~5%」「6~10%」がほぼ同数で、10%までで合計80.8%となった


Q2SQ2.選択した点が考慮されていれば、通常よりも価格が高くても購入してよいと思える食品を教えてください。(いくつでも)

●「牛肉・豚肉・鶏肉」63.1%、「野菜」62.2%、「米」58.8%、「魚介類」51.3%、「果物」50.6%が上位5位でそれぞれ過半数となった


→(1)「Q2で利他的な項目を2個以上含み、全体で4個以上選択した人」、かつ(2)「Q2SQ1の割高価格で1%以上と回答した人」を、「SDGsを意識・無意識を問わず、SDGs的な考慮をして食品購入し、割高価格受容性のある人」として、「食のSDGsコンシューマ」と定義したところ、全体の11.8%となった。



Q3.食品の価格が通常より高くなっても購入すると判断できる情報・条件を教えてください。(いくつでも)

●「通常より価格が高い商品は購入しない」が31.3%で最も多い

(男性38.2%、女性24.4%、29歳以下40.4%、学生29.9%)

●「特産地・名産地」26.9%、「地産地消(地元産/近県産)」24.0%など産地関連の情報が高く、「生産者(生産者の顔など生産者がわかる)」16.4%、「飼養方法(平飼い、非遺伝子組み換え飼料など)・製造方法」16.1%と続く

●「有機JAS認定」は11.8%、「海外のオーガニック認証(USDAオーガニックなど)」は5.6%



Q4.あなたは、味、量が同じ食品がある時、AとBのどちらの商品を購入する考えに近いですか。(ひとつだけ)

●「低価格」は「近い」「やや近い」の合計が54.1%、対して「SDGs配慮で少し価格が高い」は合計15.9%(「SDGs配慮」に「近い」と明確に表明したのは2.4%)

●「学生」は「低価格」の合計が71.1%と多い


Q4SQ1.SDGsに配慮しているとしたら、価格がどの程度なら割高でも購入しますか。(ひとつだけ)

●「6~10%」が42.7%で最も多く、「1~5%」「6~10%」「11~15%」までの合計で82.5%となった



Q5.以下について、あなたはどの程度ご存じですか。(それぞれひとつずつ)

●「聞いたことがない・知らない」と回答した人:

・【みどりの食料システム戦略】87.0%

・【東京栄養サミット】85.3%

・【欧州で導入が進む栄養ラベル(ニュートリスコア)】87.1%

・【生物多様性条約】71.9%

・【フード・マイレージ】62.4%

・【代替タンパク質】52.2%

・【アップサイクル食品】81.5%

・【SDGs】15.3%



Q6.あなたは、以下の食品の買い方についてどのように感じますか。(それぞれひとつずつ)

●「同じような買い方をしたい」と回答した人=「ぜひ同じような買い方をしたい」と「ある程度同じような買い方をしたい」の合計

・【鶏卵を購入する時に、親鳥の生育条件(ケージ、平飼いなど)の表示を確認して購入する】29.9%

・【牛乳あるいは植物由来代替製品(オーツミルクなど)を購入する時に、生産時のCO2排出量の表示を確認して購入する】23.4%

・【あるスーパーで買ったものはすべてスマホのアプリに自動で登録され、生産にあたって排出されたCO2の総量を確認できる】19.9%

・【地球環境への負荷を下げるため、牛肉ではなく植物由来代替肉を購入する】22.4%

・【天然魚の絶滅を防ぐために、養殖魚や持続可能な漁業で獲られた天然の水産物であるか表示マークを確認して購入する】30.9%

・【栄養価が一目でわかるようにABCDEの5段階で表示した栄養スコア表示を確認して購入する】27.4%

・【生産者の貧困撲滅、人権侵害・児童労働を減らすために、フェアトレード表示を確認して購入する】30.6%


Q6SQ1.あなたは、通常の商品・サービスよりも、価格がどの程度なら割高でも購入しますか。(それぞれひとつずつ)

●「0%(通常と同じ金額)」の合計

・【鶏卵を購入する時に、親鳥の生育条件(ケージ、平飼いなど)の表示を確認して購入する】18.7%

・【牛乳あるいは植物由来代替製品(オーツミルクなど)を購入する時に、生産時のCO2排出量の表示を確認して購入する】23.1%

・【あるスーパーで買ったものはすべてスマホのアプリに自動で登録され、生産にあたって排出されたCO2の総量を確認できる】25.4%

・【地球環境への負荷を下げるため、牛肉ではなく植物由来代替肉を購入する】24.0%

・【天然魚の絶滅を防ぐために、養殖魚や持続可能な漁業で獲られた天然の水産物であるか表示マークを確認して購入する】19.8%

・【栄養価が一目でわかるようにABCDEの5段階で表示した栄養スコア表示を確認して購入する】23.9%

・【生産者の貧困撲滅、人権侵害・児童労働を減らすために、フェアトレード表示を確認して購入する】16.1%



Q7.以下について、あなたはどのように思いますか。(それぞれひとつずつ)

●「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計

・【日本の栄養状況は年々良くなっている】51.8%

・【日本の食品企業は食について消費者の役に立つ情報を発信している】55.3%

・【日本の食農分野は、先端技術を駆使してイノベーションが進んでいる】50.5%

・【先端技術の活用は海外より日本のほうが進んでいる】37.1%

・【フードロス削減は海外より日本のほうが進んでいる】24.1%

・【食に関するSDGsへの取り組みが企業のイメージ向上につながる】65.2%

  (「学生」は73.8%、「専業主婦・主夫」は74.5%と高い)



Q8.あなたは、以下のマークをご存じですか。知っているものをすべてお答えください。(いくつでも)

●知っている人の割合

・エコマーク          :79.6%

・USDAオーガニック       :7.7%

・EUオーガニック認証      :6.6%

・フェアトレード        :18.9%

・レインフォレスト・アライアンス:15.2%

・FSC              :12.4%

・MSC              :6.2%

・ASC              :3.4%

・RSPO             :2.3%

・MSPO             :1.7%

・JAS              :78.8%

・特色JAS            :3.8%

・有機JAS            :29.4%

・フード・アクション・ニッポン :13.2%

・いずれも知らない       :8.2%



Q9.あなたご自身で、食品のロス(廃棄)を減らすために、意識的に取り組んでいることがあれば教えてください。(いくつでも)

●「いずれも取り組んでいない」は10.6%

●トップ5は以下の通り

1位「必要な分だけ購入する」62.5%

2位「食材は無駄にせず使い切る(野菜の皮や茎など)」37.7%

2位「食べ残さないように作る分量など工夫をしている」37.7%

4位「消費期限の近いもの、見切り品を購入する」35.7%

5位「賞味期間の長いものを購入する」34.5%



Q10.あなたは、食に関するSDGsの取り組みについて何を通じて知りますか。あてはまるものをすべてお選びください。(いくつでも)

●最も多いのは「新聞・テレビ・ラジオ」で54.5%

(「学生」31.8%、「29歳以下」31.0%に対し、「60歳以上」71.4%、「専業主婦・主夫」67.8%と差が大きい)

●2番目に多いのは「食に関するSDGsの取り組みについて聞いたことがない・知らない」で22.0%



Q11.あなたが、関心を持っている課題・活動は何ですか。あてはまるものをすべてお答えください。(いくつでも)

●トップ10は以下の通り

1位「気候変動」36.0%

2位「年金問題」33.5%

3位「感染症対策」33.3%

4位「自然災害対策」29.4%

5位「海洋汚染」27.7%

6位「少子高齢化」27.0%

7位「再生可能エネルギー」24.5%

8位「貧困問題」24.4%

9位「所得格差」23.9%

9位「森林破壊」23.9%



Q12.あなたは、個人でできるSDGsの取り組みとして、具体的にどのようなことを実践していますか。(いくつでも)

●トップ5は以下の通り

1位「マイバッグ・マイ箸・マイカップ等の利用」57.1%

2位「電気をこまめに消す等の省エネ」52.5%

3位「リサイクル活動・購入」30.7%

4位「地産地消」29.0%

5位「環境に配慮した商品(エコカー、エコラベル商品、省エネ商品、持続可能な林産物・海産物等を含む)の購入」13.9%

●「いずれも実践していない」は21.4%

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