東京23区の賃貸住宅市場の回復はいつ頃になるか  ~賃貸住宅市場レポート  首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2022年3月~

    調査・報告
    2022年3月31日 10:30

     不動産評価Webサイト「TAS-MAP」( http://www.tas-japan.com/ )を運営する株式会社タス(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:尾暮 敏範)は、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2022年3月」を発表しました。


     トピックスとして「東京23区の賃貸住宅市場の回復はいつ頃になるか」を掲載しています。また賃貸住宅指標は2022年1月期の空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率)を掲載しています。


    詳細PDF:「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版2022年3月」

    https://go.tas-japan.com/l/592651/2022-03-23/37y648



    ■レポートの概要

    (1) 東京23区の賃貸住宅市場の回復はいつ頃になるか

    先月号において、市況分析から、2021年第4四半期の首都圏の賃貸住宅市場が全面的に回復傾向となったことを報告しました。一方で、東京23区の貸家着工数と世帯数増減の推移からは、感染拡大開始後に世帯数増減が大きく減少したのに対し、貸家着工数は横ばいで推移しています。2021年第4四半期においても、この状況は少しも変わっていなません。むしろ悪化しています。


    着工数と世帯数推移


    (1)住民票の移動を伴わない居住者が増加した、(2)宅建業者へ広告料(AD)を支払うことができなくなったオーナーの物件が住宅情報提供会社のサイトに登録されなくなった、(3)建て替えで取り壊された賃貸住宅が増加した、等が複合的に組み合わさった結果、公的統計から得られる結果と、住宅情報会社の登録情報から推計した市況や空室率TVIの推移に相違がみられると考えられます。

     本当の意味で、東京23区賃貸住宅が安定するのは、公開データから算出される需給ギャップが回復を始める状況になってからでしょう。東京23区の需給ギャップ分析(「悲観」:2022年の東京23区の世帯数増減が2021年と同等、「楽観」:世帯数増減がコロナ前の2019年と同等、「中庸」:世帯数増減が2019年と2021年の平均で推移)からは、「悲観」ケースの場合は需給ギャップが2022年も拡大を継続、「楽観」ケースでは、2022年の第4四半期には需給ギャップが縮小、「中庸」ケースでは需給ギャップの拡大幅が縮小しますが2022年中はギャップの拡大が続くことが予測できます。

     新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限が解除された期間が長くなるほど、飲食業や宿泊業等に従事する非正規社員が職場に戻ってきます。また、対面授業の割合が高くなれば、首都圏周辺に実家がある学生が東京23区内で賃貸住宅居住を開始するでしょう。オミクロン株による第6波の収束後、第7波到来までの期間をどれだけ抑え込めるかが、東京23区の賃貸住宅市場復活のカギとなります。


    需給ギャップ予測


    (2) 2022年1月期1都3県賃貸住宅指標

     オミクロン株による感染拡大第6波の影響を受け、東京23区と神奈川県の空室率TVIが再び悪化に転じました。アパート系がより大きな影響を受けています。


    [東京都]

               全域   23区   市部

    空室率TVI(ポイント):13.98   13.43   17.99

    募集期間(ヶ月)   :4.50   4.31   5.51

    更新確率(%)    :44.18   44.14   44.48

    中途解約確率(%)  :38.91   38.80   39.68


    [神奈川県]

    空室率TVI(ポイント):15.98

    募集期間(ヶ月)   :5.09

    更新確率(%)    :43.87

    中途解約確率(%)  :40.88


    [埼玉県]

    空室率TVI(ポイント):17.85

    募集期間(ヶ月)   :5.25

    更新確率(%)    :43.72

    中途解約確率(%)  :41.22


    [千葉県]

    空室率TVI(ポイント):16.22

    募集期間(ヶ月)   :4.54

    更新確率(%)    :43.34

    中途解約確率(%)  :40.99


    分析:株式会社タス



    (3) 2022年1月期 関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標

     中京圏は、自動車産業の好調を受けて、賃貸住宅市場の改善が続いています。


    [大阪府]

    空室率TVI(ポイント):9.94

    募集期間(ヶ月)   :4.97

    更新確率(%)    :46.76

    中途解約確率(%)  :41.33


    [京都府]

    空室率TVI(ポイント):14.77

    募集期間(ヶ月)   :5.26

    更新確率(%)    :40.70

    中途解約確率(%)  :42.46


    [兵庫県]

    空室率TVI(ポイント):13.77

    募集期間(ヶ月)   :5.74

    更新確率(%)    :42.65

    中途解約確率(%)  :45.17


    [愛知県]

    空室率TVI(ポイント):18.07

    募集期間(ヶ月)   :6.08

    更新確率(%)    :41.56

    中途解約確率(%)  :45.17


    [静岡県]

    空室率TVI(ポイント):24.01

    募集期間(ヶ月)   :8.03

    更新確率(%)    :43.86

    中途解約確率(%)  :44.49


    [福岡県]

    空室率TVI(ポイント):10.55

    募集期間(ヶ月)   :5.26

    更新確率(%)    :47.94

    中途解約確率(%)  :37.57


    分析:株式会社タス



    詳細はPDFファイルをご参照ください。

    詳細PDF:「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版2022年3月」

    https://go.tas-japan.com/l/592651/2022-03-23/37y648



    過去のレポートについてはこちらをご覧ください。

    https://corporate.tas-japan.com/news/report



    ■株式会社タスについて

     株式会社タスは、顧客や社会の課題解決を通じて人と空間との新たな「つながり」を生み出すトヨタグループのイノベーションカンパニーです。トヨタ自動車、豊田通商、朝日航洋、三友システムアプレイザルの4社の出資で2000年に設立された不動産テックの老舗ともいうべき会社です。

    日本で初めて、Webベースの不動産評価サービスを開始したTAS-MAPや、ビックデータを活用した不動産市場分析サービスのほか、お客様のご要望に応じて個別に分析を行うカスタム分析のサービスも提供しています。


    会社名  : 株式会社タス(英語名 TAS Corp.)

    所在地  : 東京都中央区八丁堀3丁目22番13号 PMO八丁堀4F

    設立年月日: 2000年8月28日

    資本金  : 1億8千万円

    出資   : トヨタ自動車株式会社

           朝日航洋株式会社

           株式会社三友システムアプレイザル

           豊田通商株式会社

    Web    : https://corporate.tas-japan.com/

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