第4回「三井ゴールデン匠賞」贈賞式開催 石川県・宮本 雅夫氏...

第4回「三井ゴールデン匠賞」贈賞式開催  石川県・宮本 雅夫氏が<モストポピュラー賞>を受賞

日本の伝統工芸の持続・発展に真摯に取り組む個人・団体を表彰

三井グループ24社で構成する「三井広報委員会」は、日本の伝統工芸の持続・発展に真摯に取り組む個人・団体を表彰する第4回「三井ゴールデン匠賞」の贈賞式を、2022年3月18日(金)に大手町三井ホールにて開催しました。


贈賞式では、5組の<三井ゴールデン匠賞>、2組の<審査員特別賞>、2組の<奨励賞>を受賞された匠の方々を表彰。そして、<三井ゴールデン匠賞>受賞者の中から、一般投票により選出された<モストポピュラー賞>受賞者1組の発表を行いました。<モストポピュラー賞>は、一般の方々に伝統工芸を身近に感じていただく事を目的とした賞で、WEBサイトにて、2月9日~3月6日にかけて一般投票を実施。最も得票のあった石川県・宮本 雅夫氏が、<モストポピュラー賞>を受賞されました。


また、2019年度に行われた第3回「三井ゴールデン匠賞」では、新型コロナウイルスの影響により、贈賞式が中止となっていましたが、今回の贈賞式に第3回開催の受賞者を招待しました。過去に実施したオンライントークイベントで司会を務めて頂いた、タレント・女優として活躍されるサヘル・ローズさんをお招きし、花束の贈呈が行われました。


第4回「三井ゴールデン匠賞」贈賞式


【第4回「三井ゴールデン匠賞」受賞者および、受賞コメント】

<三井ゴールデン匠賞>

*岡山県 烏城紬保存会(うじょうつむぎほぞんかい) 代表:須本 雅子(すもと まさこ)

※団体として受賞 [烏城紬(うじょうつむぎ)]

三井ゴールデン匠賞をいただいて、正直驚きました。もらっても良いだろうかという思いもありました。織元として烏城紬を継いで、初めは、全部の作業を一人でするのができるのだろかという不安もありました。でも、全工程を一人ですることで、全てのことが分かり、作品に責任をもつことができると考えました。公民館の講座を始めてからは、生徒の皆さんが喜んで熱心に活動してくれたので、私も励みになり、負けられないという思いで頑張ることができました。一人では、今まで続けて来られなかったと思います。伝統工芸を繋いでいくことが難しい時代ですが、烏城紬を知ってくださる方も増え、このような賞を作ってくださったことは、励みになると感謝しています。今まで関わってくださった方に感謝しておりますし、今回の受賞が、保存会の皆さんの励みになればと思っています。


*香川県 佐々木 正博(ささき まさひろ) [漆芸(しつげい)]

此の度は三井ゴールデン匠賞を戴き身にあまる光栄です。

先人の言葉に「古人の跡を求めず古人の求めたる所を求めよ」という言葉がありますが伝統工芸を固定化した技術として捉えるのではなく先人の新しい物を創造するという志が新しい技術の積重ねになり伝統工芸という物になっていると思います。これからも香川漆芸独特の蒟醤技法を発展させ自分の新しい色彩表現を目指したいと思います。

かつて南蛮漆が多くヨーロッパに輸出されたことを思えば三井ゴールデン匠賞が 世界に発信出来る場に成ることを期待致します。誠にありがとうございました。


*東京都 株式会社 松崎人形(まつざきにんぎょう) 代表:松崎 光正(まつざき みつまさ)

※団体として受賞 [江戸木目込人形(えどきめこみにんぎょう)]

この度は思いもよらず三井ゴールデン匠賞を頂戴いたし誠にありがとうございました。

この道に入り47年を過ごしてまいりましたがまだまだ先の長い様な気がいたします。お陰様で毎日楽しく仕事をさせて頂いております。人形は他の工芸と少し違う物なのかなと最近良く思います。若いころは自分の仕事が見えていなかったせいか、仕事の面白さより多忙な毎日に翻弄されておりました。50歳を過ぎた頃から人形の持つ可能性に少しずつ気が付いてきました。

人形には機能的な要素が有りません、只、飾っていただいて鑑賞する対象だと思います。そこが肝だと思います。それゆえに人に寄り添い、励まし、慰め、楽しませる。今一番大切なものが人形にはあると思います。そんな気持ちでこれからも人形に係る仕事を続けたいと思います。

三井ゴールデン匠賞に期待することは、手で物を作り出す喜びと それを続ける事が出来る状況をこれからの時代を担う人が享受出来るようにサポートをお願いしたいと思います。日本の伝統工芸は世界に類を見ない質の高さと美しさを備えた日本の宝だと感じております。それに携わる人たちの情熱も並外れた物だと感じております。どうか末永くサポートをお願いいたします。


*三重県 松山 好成(まつやま よしなり) [伊賀くみひも(いがくみひも)]

この度はこの様な素晴らしい賞をいただきありがとうございます。

着物姿では着物・帯が主役で帯締めは脇役で、着物・帯を選んでその後に帯締めを選びます。

この賞をきっかけに帯締めに合う着物・帯を選んでいただける様になれば嬉しいです。

今後この技術の後継者を育てていきたいと思います。ありがとうございました。


*石川県 宮本 雅夫(みやもと まさお) [九谷焼(くたにやき)]

この度の受賞にあたり、審査員の方々が今回の取り組みにおける私の意図を深く汲み取って下さったこと、また、地道な活動に光を当てて頂いたことに深く感謝しております。血気盛んだった駆け出しの時を経て、特に40代に入って以降は徹底的に産地にこだわったものづくりを行ってきました。外から見栄えの良いモノを持ち込むのではなく、むしろ足下を見つめると世界にも稀な表現が九谷焼にはあることに気付き、肩の力が抜けると同時に生まれ育った土地を心から好きになりました。これまで職人・作家・窯主として積み重ねてきた事やこれから目指すことについての評価、そして地道な取り組みも見つけてくださる三井ゴールデン匠賞の受賞は大きな喜びであり、誇りに思います。今回の受賞が産地の様々な課題の解決に向かう一助となれば幸いです。私に関わる全ての人と一緒に受賞したと思っています。本当にありがとうございました。


<審査員特別賞>

*福岡県 築城 則子(ついき のりこ) [小倉織(こくらおり)]

このたびは、大変光栄な賞をいただき、ありがとうございました。

小倉織は一度生産が途絶えた織物だからこそ、関係者一同、伝統をつなげていく必要性を強く感じながら仕事をしています。三井ゴールデン匠賞は、作り手にはもちろん、それに携わる事業者にもスポットライトをあてていただけるもので、今回の受賞は大きな励みとなりました。私自身は手織りの染織家と、機械織のためのテキスタイルデザイナーの二つの顔を持っており、「小倉 縞縞」では、機械に「手」の技を同化させ、機械織だからこそできる表現を追求しています。

これからも小倉織の更なる可能性を広げ、進化を目指しながら、現代の人々に求められるものづくりとは何かを常に考え、未来につながる伝統工芸の発展に貢献できるよう、真摯に取り組んでいく所存です。


*秋田県 林 美光(はやし びこう) [金銀銅杢目金(きんぎんどうもくめがね)]

この度は思いもよらない素晴らしい賞を賜り、誠に有難う御座います。

秋田県は古くから鉱山が栄え、金銀銅等、貴重な金属を多く産出し、2次産業として金属工芸の文化が発達しました。優秀な金工師を多く輩出し、刀装具をはじめ各種金銀細工の装飾品等、高度な技術が確立され発展を遂げましたが、中でも最も困難な技法とされるのが金銀銅杢目金でした。この仕事を現代に蘇らせ、時代に合わせた作品に進化させることを目標に長年研究を重ねてまいりました。現在はその存在を広く世に知らしめると共に、後世にこの技術と文化を伝えるべく日々取り組んでいるところです。その意味においても今回の受賞は新しい作品作りの励みともなり、活動に取り組む力となり得るものでした。関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。本当に有難うございました。


<奨励賞>

*東京都 クリエイティブ・シェルパ 代表:羽塚 順子(はねづか じゅんこ)・藤田 昂平(ふじた こうへい)

※団体として受賞 [江戸仕立て都うちわ千鳥型(えどじたてみやこうちわちどりがた)]

この度は、素晴らしい賞をいただきまして誠にありがとうございます。

こだわりが強く反復作業を繰り返す集中力を持つ自閉症の方は、生まれながらに職人的気質を兼ね備えていると言えます。一般就労が困難で社会との接点が少ない彼らの才能が、後継者不足の職人技継承として活かされるようになれば、どんなに素晴らしいだろうと、千鳥うちわをモデルケースにすることを試行錯誤してきました。この取り組みを、名だたる伝統工芸職人の方々と並んで受賞させていただけたことは、障がい児の親御さんや福祉関係者にとって夢のような出来事で、大きな希望につながります。個人的には歴史的なことだとすら感じています。まだ広く理解いただくには時間がかかるかもしれませんが、少しずつでも異才への継承事例が全国でも実現していくことを願いつつ、千鳥うちわの作品が世界に羽ばたけるように継続していきたいと思います。


*香川県 松本 光太(まつもと こうた) [香川漆器(かがわしっき)]

奨励賞という素晴らしい賞を頂けたこと、ありがたく思っております。

これまで自分が進んできた道を見直す良い機会を頂き、これからの未来につながるビジョンに繋げることができたように思います。大変有意義な時間を過ごさせて頂けたことに、心より感謝いたします。それと共に、まだまだ頑張れと、背中を押されたような気もいたします。その期待は大変嬉しく、これからの製作における活力になりました。いま、私たちが進んでいる道は、時間が経てば伝統と呼ばれるかもしれません。後世に恥ずかしくない道を切り開き、新たな伝統の模索を後押ししていただける三井ゴールデン匠賞には、感謝しかございません。これからも、新しい発想そして具現化を通して、皆様に楽しんでいただけるような作品作りに精進いたします。



【第4回「三井ゴールデン匠賞」審査員による全体講評、選出ポイント 他】

詳細はこちら

https://www.atpress.ne.jp/open_media_file/302202/382099593.pdf



■第4回「三井ゴールデン匠賞」概要

「三井ゴールデン匠賞」は、日本の伝統工芸の持続・発展に真摯に取り組む個人・団体を表彰するものです。

伝統工芸界には、日本の伝統を継承しながら未来につながるものづくりに真摯に取り組み、さらに発展させている伝統工芸の担い手がいらっしゃいます。三井広報委員会は、本賞を通じ、こうした取り組みの担い手に称賛が集まる機会を作り、日本の伝統を次世代につなぐ取り組みを応援しています。このため、本賞は伝統工芸品の職人はもとより、器具・素材の開発や、経営・流通に関わる方など、伝統工芸界を支える幅広い個人や団体を応募対象としています。


「三井ゴールデン匠賞」公式サイト: https://mgt.mitsuipr.com/


※参考:第3回「三井ゴールデン匠賞」受賞者


<三井ゴールデン匠賞> グランプリ

*宮崎県 秋山 眞和 所属:綾の手紬染織工房 [宮崎手紬<綾の手紬>]


<三井ゴールデン匠賞> モストポピュラー賞

*岩手県 タヤマスタジオ株式会社 代表:田山 貴紘 [南部鉄器]


<三井ゴールデン匠賞>

*山梨県 株式会社大直 代表:一瀬 美教 [市川和紙]

*京都府 株式会社堤淺吉漆店 代表:堤 卓也 [漆精製・販売]

*新潟県 水落 良市 所属:三条製作所 [越後三条打刃物]



■三井広報委員会について

三井グループ企業24社で構成される三井広報委員会は、“人を大切にし、多様な個性と価値を尊重することで社会を豊かにする”という理念のもと、様々な文化活動および広報活動を行う組織です。活動を通じ、国際交流や地域社会の活性化に貢献するとともに、社会の繁栄と福祉に寄与し、三井グループのより一層のイメージ向上を目指しています。


三井広報委員会公式サイト: https://www.mitsuipr.com/

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