賃貸住宅市場レポート 首都圏版 2012年9月 および 関西圏版 2012年9月を発表

    調査・報告
    2012年9月27日 10:30

     不動産評価Webサイト「TAS-MAP」( http://www.tas-japan.com/ )を運営する株式会社タス(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:立野 良太郎)は、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版 2012年9月」および「賃貸住宅市場レポート 関西圏版 2012年9月」を発表しました。

    賃貸住宅市況図

     首都圏版では「2012年第2四半期 1都3県賃貸住宅市況図」、「賃料下落の原因は単身者向け賃貸住宅の供給過剰」および「2012年7月期 1都3県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率)」を掲載しています。

     また関西圏版では「東日本大震災が関西圏賃貸住宅市場に与えた影響」および「2012年7月期 2府1県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率)」を掲載しています。
     これらの分析はアットホーム株式会社の賃貸住宅データを用いて行われています。

    詳細PDF:「賃貸住宅市場レポート 首都圏版2012年9月」
    http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol33_residential20120927.html
         「賃貸住宅市場レポート 関西圏版2012年9月」
    http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol5_resikansai20120927.html


    1.首都圏版の概要
    (1)2012年第2四半期 1都3県賃貸住宅市況図
     2012年第2四半期の1都3県の賃貸住宅市況は、前期に比較して大きな変化はありませんでした。引き続き、東京市部、埼玉県では市況の悪い状態が続いています。
     東京23区では、千代田区、渋谷区が「やや良い」→「良い」に、江戸川区が「やや悪い」→「やや良い」に、葛飾区が「悪い」→「やや悪い」と好転しましたが、墨田区が「やや良い」→「やや悪い」、板橋区が「やや悪い」→「悪い」となりました。東京23区の山手線内から東側にかけて市況が「良い」、「やや良い」地域が集中しています。

    図 2012年第2四半期 1都3県賃貸住宅市況図:
    http://www.atpress.ne.jp/releases/30154/1_1.JPG

    (2)賃料下落の原因は単身者向け賃貸住宅の供給過剰
     民間借家に居住する単身者数が増加したこと、不動産投資の活性化により面積当たりの賃料の高い単身者向け物件に投資家の注目が集中したこと、等に市場が敏感に反応した結果、2000年以降の賃貸住宅の新規供給は単身者向け、特に1Kに偏っています。2000年~2011年にかけて、1Kは新築物件の約50%、1Rは約15%を占めています。特に東京23区では、サブプライムショックまでは住宅着工数自体も増加しており、2008年までは毎月3,000戸以上の単身者向け賃貸住宅が供給され続けたと推定されます。このため需要の伸びが供給を吸収しきれておらず、1Kの空室率TVIは高い水準で推移しています。1Kと市場を同じくする1Rについても同様に空室率TVIが高い水準で推移しています。
     不動産市場が過度に加熱していない限り、賃料指数は空室率TVIと負の相関関係を持ちますので、空室率TVIが高い水準で推移している1K、1Rの賃料指数は悪化傾向にありました。リーマンショック後に23区全体の賃料指数が下落傾向にあったのは、全部屋タイプに占める1K、1Rの割合が大きいことによります。

    (3)2012年7月期 1都3県賃貸住宅指標
     1都3県で唯一悪化の継続していた埼玉県の空室率TVIに頭打ちの兆しが見えてきました。

    <東京都全域>
    空室率TVI(ポイント)  :11.84
    募集期間(ヶ月)     : 3.09
    更新確率(%)      :43.09
    中途解約確率(%)    :37.87

    <東京都23区>
    空室率TVI(ポイント)  :11.67
    募集期間(ヶ月)     : 3.10
    更新確率(%)      :42.67
    中途解約確率(%)    :38.28

    <東京都市部>
    空室率TVI(ポイント)  :14.93
    募集期間(ヶ月)     : 3.06
    更新確率(%)      :45.70
    中途解約確率(%)    :35.19

    <神奈川県>
    空室率TVI(ポイント)  :12.49
    募集期間(ヶ月)     : 3.55
    更新確率(%)      :43.36
    中途解約確率(%)    :40.50

    <埼玉県>
    空室率TVI(ポイント)  :15.73
    募集期間(ヶ月)     : 3.37
    更新確率(%)      :45.18
    中途解約確率(%)    :37.83

    <千葉県>
    空室率TVI(ポイント)  :12.85
    募集期間(ヶ月)     : 3.28
    更新確率(%)      :47.22
    中途解約確率(%)    :37.81

    ※これらの指標は、アットホーム株式会社の賃貸住宅データを用いて分析されています。

    詳細はPDFファイルをご参照ください。
    「賃貸住宅市場レポート 首都圏版2012年9月」:
    http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol33_residential20120927.html


    2.関西版の概要
    (1)東日本大震災が関西圏賃貸住宅市場に与えた影響
     人口が流入し、賃貸住宅の空室ストックを消費し始めると、当然のことながら空室率TVIは改善傾向となります。また、市場が急激に変化し、長期間空室だった物件が成約し始めると、平均募集期間が長くなります。関西圏の空室率TVI推移から、2011年7月~8月をピークに空室率TVIは減少傾向となっています。また関西圏の募集期間の推移から、震災後2011年5月~6月から募集期間が長くなっており、長期間空室だった物件が成約し始めたことを読み取ることができます。さらに賃料指数も震災後、2011年第2四半期から上昇傾向です。
     住民登録者の流入累計が少ない京都府、兵庫県でも同様の傾向が表れていることから、震災後に関西圏には住民登録を伴わない人口流入があった可能性が高いと思われます。

    図 関西圏 空室率TVI推移:
    http://www.atpress.ne.jp/releases/30154/2_2.JPG

    (2)2012年7月期 2府1県賃貸住宅指標
     京都府の空室率TVIは微減傾向から横ばい傾向となってきました。マンション系、アパート系別の空室率TVI長期推移でもマンション系が減少傾向から横ばい傾向となっています。

    <大阪府>
    空室率TVI(ポイント)  : 7.96
    募集期間(ヶ月)     : 4.50
    更新確率(%)      :51.38
    中途解約確率(%)    :39.13

    <京都府>
    空室率TVI(ポイント)  :14.01
    募集期間(ヶ月)     : 5.67
    更新確率(%)      :27.79
    中途解約確率(%)    :68.32

    <兵庫県>
    空室率TVI(ポイント)  :11.85
    募集期間(ヶ月)     : 5.10
    更新確率(%)      :44.70
    中途解約確率(%)    :47.04

    詳細はPDFファイルをご参照ください。
    「賃貸住宅市場レポート 関西圏版2012年9月」
    http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol5_resikansai20120927.html


    ■株式会社タスについて
     インターネットによる不動産評価、及び不動産情報サービス等を提供する「TAS-MAP」を運営するトヨタグループ会社のアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)です。

    会社名  : 株式会社タス(英語名 TAS Corp.)
    所在地  : 東京都中央区八丁堀2-25-9
           トヨタ八丁堀ビル7F
    設立年月日: 2000年8月28日
    資本金  : 1億8千万円
    出資   : トヨタ自動車株式会社
           朝日航洋株式会社
           株式会社三友システムアプレイザル
           豊田通商株式会社
    Web    : http://www.tas-japan.com/

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