PHP総研が「創力的安全保障戦略」を提言『創力的安全保障戦略―持続可能な防衛支出による全社会的レジリエンスの向上を目指して―』
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)の政策シンクタンクPHP総研は、防衛・安全保障と経済財政・金融を一体的に捉える持続可能な防衛支出の在り方を提言する『創力的安全保障戦略―持続可能な防衛支出による全社会的レジリエンスの向上を目指して―』を、2026年9月29日に発表しました。

ロシアのウクライナ侵略、中国の拡張主義、米国の自国第一主義などにより、国際秩序は再び大きな転換期を迎えています。
AIやドローン、サイバー、宇宙による戦場の様相変化、平時と有事の境目の喪失、そして戦争の長期化への備えが求められる中、外交・経済・技術・人材・情報を統合した、国全体の持久力が問われています。
PHP「防衛と経済財政金融の統合戦略」研究会は、以上のような新しい戦略環境への対応や、防衛支出の大幅増が経済に与えるインパクトについて検討を重ねてきました。その成果をとりまとめた本報告書は、防衛省・自衛隊だけでなく、民間企業、地域社会、スタートアップ、国民一人ひとりを含む、多様な力を分野・組織・国境を越えて統合し、相乗的に強め合うことで新たな力を創り出す「創力的安全保障」を提唱します。「創力的安全保障」が目指すのは武力攻撃だけでなく、大規模災害やサイバー攻撃といったあらゆる危機に粘り強く対応できる、社会全体の強靭性の向上です。
本報告書は、財政・金融政策を組み合わせた4つのシナリオを試算し、段階的な防衛力整備や財源のベストミックス、ワイズスペンディングを通じて、安全保障能力の強化と財政の持続可能性を両立させるべきことを求めています。そのうえで、「経済の継戦能力」の確立、重要インフラなど社会基盤の強靭化、有事に機動的に対応する「動的供給力」の整備、国家安全保障局の機能強化などの、具体的な施策を提案しました。
政府の安保三文書見直しが本格化するいま、本報告書が防衛と経済財政金融の相互作用や防衛支出の新しい在り方を考える一助となれば幸いです。
■提言報告書『創力的安全保障戦略―持続可能な防衛支出による全社会的レジリエンスの向上を目指して―』
目次
はじめに
1 現状認識
1.1 戦略環境
1.2 新しい戦い方
1.3 平時と戦時の連続性と2つの正面の新たなリンク
1.4 安全保障上の資源制約
2 資源制約下の防衛費拡大
2.1 防衛費を「マクロ経済の視点」で考える
2.2 4つのシナリオ
2.3 持続可能な防衛費拡大の条件
3 基本戦略
3.1 粘り強い創力的安全保障戦略
3.2 創力的安全保障戦略の前提と必要な機能と力
4 創力的安全保障戦略を実装化するための諸施策
4.1 全社会的レジリエンスの強化
4.2 新しい守り方への革新
4.3 新たな主体との協働とその活性化
おわりに
補論
全文(PDF)
■PHP「防衛と経済財政金融の統合戦略」研究会について
PHP「防衛と経済財政金融の統合戦略」研究会は、防衛・安全保障と経済財政・金融の相互作用に着目し、防衛力強化と経済財政・金融の安定を両立させる方策について、各分野の専門家が多面的に検討を行った研究会です。
PHP「防衛と経済財政金融の統合戦略」研究会 委員
田所昌幸(国際大学大学院国際関係学研究科特任教授)※座長
太田智之(みずほ総合研究所チーフエコノミスト)
相良祥之(公益財団法人国際文化会館地経学研究所主任研究員)
高見澤将林(笹川平和財団上席フェロー、元国家安全保障局次長)
金子将史(政策シンクタンクPHP総研代表・研究主幹)
【政策シンクタンクPHP総研について】
「政策シンクタンクPHP総研」は、松下幸之助が設立した株式会社PHP研究所(京都市南区、代表取締役社長 瀬津要)の政策シンクタンクです。
政策シンクタンクPHP総研(担当:坂田、大久)
E-mail:think2@php.co.jp



















