2020年度の東京都賃貸住宅の供給過剰は6.5万戸超に拡大 ...

2020年度の東京都賃貸住宅の供給過剰は6.5万戸超に拡大  ~賃貸住宅市場レポート  首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2021年5月~

 不動産評価Webサイト「TAS-MAP」( http://www.tas-japan.com/ )を運営する株式会社タス(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:尾暮 敏範)は、「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2021年5月」を発表しました。



 「2020年度の東京都賃貸住宅の供給過剰は6.5万戸超に拡大~ほとんどが東京23区に集中している可能性」および「2021年3月期の1都3県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率、賃料指数)」および「2021年3月期の関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率、賃料指数)」を掲載しています。


詳細PDF:「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版2021年5月」

https://go.tas-japan.com/l/592651/2021-05-19/31vl7b



■レポートの概要

(1)2020年度の東京都賃貸住宅の供給過剰は6.5万戸超に拡大~ほとんどが東京23区に集中している可能性

 東京都の貸家着工数の8割が東京23区であるとして、東京23区と東京市部の、世帯数増減の推移(12カ月移動平均)と貸家着工数の推移(12カ月移動平均)を比較すると、東京市部においては、世帯数増減は月当たり+1,100世帯前後、貸家着工数は月当たり1,700戸前後で、新型コロナウイルスの感染拡大前後で、両者のバランスはほとんど変化がないことが判ります。一方で東京23区は、貸家着工数が新型コロナウイルスの感染拡大前後で大きく変化していないのに対し、世帯数については、コロナウイルス感染拡大後に大きく増加幅が減少していることがわかります。コロナ前は世帯数増減が月当たり+6,800世帯前後、貸家着工数が月当たり4,300戸前後で推移していました。このレベルで市場の均衡が保たれていたと考えられますので、現状は明らかに供給過剰であると言えます。

 東京23区への人口流入が大きく減少した要因の一つとして、緊急事態宣言などによる経済活動停滞の影響で、職が失われたことが考えられます。厚生労働省の一般職業紹介状況によると、コロナ前は1.4台であった東京都の有効求人倍率(季節調整値、新規学卒者を除きパートタイムを含む)は2020年7月に1.0を割込み、それ以降は0.9前後で低迷しています。再び人口を増加に転ずるには、失われた雇用を回復することが不可欠です。日本においてもようやくワクチンの接種が開始されました。接種が進んでいる国の状況を見る限り、ワクチン接種には感染を抑える一定の効果が認められます。したがって、日本で摂取が行きわたる2021年後半以降、経済活動が正常化してくると考えられます。そしてそれに遅延して、人口動態もコロナ前の状況に、徐々に回帰すると思われます。


世帯増減と貸家着工数推移


(2)2021年3月期1都3県賃貸住宅指標

 首都圏全域で空室率TVIが悪化傾向になってきました。特にアパート系の悪化が顕著です。これは非正規社員や学生がコロナ禍の影響を強く受けていることが要因と考えられます。


[東京都]

           全域   23区   市部

空室率TVI(ポイント):12.79    13.04   13.90

募集期間(ヶ月)   :2.59    2.57   2.74

更新確率(%)    :41.58    40.75   46.73

中途解約確率(%)  :40.45    40.59   35.49

賃料指数      :110.00   111.17  100.83

(2004年1Q=100)


[神奈川県]

空室率TVI(ポイント):18.00

募集期間(ヶ月)   :3.06

更新確率(%)    :38.29

中途解約確率(%)  :46.65

賃料指数      :101.38

(2004年1Q=100)


[埼玉県]

空室率TVI(ポイント):15.45

募集期間(ヶ月)   :3.19

更新確率(%)    :37.14

中途解約確率(%)  :48.45

賃料指数      :105.29

(2004年1Q=100)


[千葉県]

空室率TVI(ポイント):14.84

募集期間(ヶ月)   :2.30

更新確率(%)    :38.04

中途解約確率(%)  :45.18

賃料指数      :104.99

(2004年1Q=100)


(3)2021年3月期 関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標

 全域で空室率TVIは悪化傾向にありますが、首都圏と同様にアパート系空室率TVIの悪化が顕著です。


[大阪府]

空室率TVI(ポイント) :9.59

募集期間(ヶ月)    :4.81

更新確率(%)     :26.33

中途解約確率(%)   :61.97

賃料指数※      :107.62


[京都府]

空室率TVI(ポイント) :14.06

募集期間(ヶ月)    :5.23

更新確率(%)     :35.59

中途解約確率(%)   :48.93

賃料指数※      :108.31


[兵庫県]

空室率TVI(ポイント) :13.20

募集期間(ヶ月)    :6.04

更新確率(%)     :47.41

中途解約確率(%)   :41.12

賃料指数※      :108.63


[愛知県]

空室率TVI(ポイント) :17.99

募集期間(ヶ月)    :5.99

更新確率(%)     :35.31

中途解約確率(%)   :53.96

賃料指数※      :105.77


[静岡県]

空室率TVI(ポイント) :25.65

募集期間(ヶ月)    :8.34

更新確率(%)     :48.76

中途解約確率(%)   :42.51

賃料指数※      :99.50


[福岡県]

空室率TVI(ポイント) :10.81

募集期間(ヶ月)    :5.25

更新確率(%)     :48.34

中途解約確率(%)   :39.50

賃料指数※      :113.44


※賃料指数

関西圏    :2009年1Q=100

中京圏、福岡県:2010年4Q=100


分析:株式会社タス



詳細はPDFファイルをご参照ください。

詳細PDF:「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版2021年5月」

https://go.tas-japan.com/l/592651/2021-05-19/31vl7b



過去のレポートについてはこちらをご覧ください。

https://corporate.tas-japan.com/news/report



■株式会社タスについて

 株式会社タスは、不動産に係る専門情報を誰でも簡単に扱えることを目指すトヨタ自動車グループのイノベーションカンパニーです。トヨタ自動車、豊田通商、朝日航洋、三友システムアプレイザルの4社の出資で2000年に設立された不動産テックの老舗ともいうべき会社です。

日本で初めて、Webベースの不動産評価サービスを開始したTAS-MAPや、ビックデータを活用した不動産市場分析サービスのほか、お客様のご要望に応じて個別に分析を行うカスタム分析のサービスも提供しています。


会社名  : 株式会社タス(英語名 TAS Corp.)

所在地  : 東京都中央区八丁堀3丁目22番13号 PMO八丁堀4F

設立年月日: 2000年8月28日

資本金  : 1億8千万円

出資   : トヨタ自動車株式会社

       朝日航洋株式会社

       株式会社三友システムアプレイザル

       豊田通商株式会社

Web    : https://corporate.tas-japan.com/

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