ネットワーク技術の標準化団体MEF主催「MEF 3.0 Proof of Concept Awards Showcase」において2部門を受賞

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、米国のネットワーク技術標準化団体MEF(Metro Ethernet Forum)が主催する「MEF 3.0 Proof of Concept Showcase」(以下 本イベント)において、エッジコンピューティングとローカル5G/ネットワークスライシングに関する取り組みについて発表し、同イベント内の「MEF  3.0 Proof of Concept Awards」の「MEF 3.0 PoC Market Game  Changer Award」および、「MEF 3.0 PoC Innovation Award」を受賞しました(※1)。

 MEFは2001年に設立され、世界各国の通信事業者をはじめとする220社以上が加盟する権威ある標準化団体です。本イベントでは通信会社、通信機器メーカーが共同で最新のネットワーク技術の実用化に向けた取り組みを紹介しています。

「MEF Awards」については以下のウェブサイトをご参照ください。  

https://www.mef.net/engage/mef-3-0-proof-of-concept-program/

 

1.受賞内容「MEF 3.0 PoC Market Game Changer Award」

 新しいユースケースや、マーケットの創出を含め、最も顕著なインパクトを与えたPoC(※2)に贈られる賞です。NTT Comがパートナーと共同発表した「ORCHESTRATED MULTI-EDGE  CLOUDS」において、複数拠点を跨いだエッジコンピューティング基盤と、それらを接続するネットワークを一元的に制御可能なエンド・ツー・エンドのオーケストレーションが評価されました。

 

<発表内容>

 製造業などにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)のユースケースを見据え、AI/IoT、ローカル5Gなどの利用に特化した設計のエッジコンピューティング(※3)基盤をパートナー4社と共同開発し、その有用性を以下の3点から実証しました。

 

(1)エッジコンピューティングにおいては、エッジの位置によって得られる効果が異なります。今回、お客さま拠点に配置するカスタマーエッジと、サービスプロバイダーの網内にあるネットワークエッジからなる多段エッジ基盤を構築し、目的に応じて最適なエッジの設置場所を選択し、組み合わせる仕組みを確認しました。

(2)当社のサービス基盤とパートナーのサービスとを連携する際のシナリオを、複数視点から確認し、それぞれの強みを生かしたエッジ構成の目指すべき姿を提示しました。

(3)WiFi6やローカル5G、SD-WAN(※4)、マルチクラウドインターコネクトなど、分散されたエッジ基盤を接続するネットワーク全体を、エンド・ツー・エンドでオーケストレーションする機能を開発し、複数サービスの一元的なプロビジョニング(※5)と見える化を実現しました。        

・パートナー:ADVA、Juniper Networks、Microsoft、Netcracker

 

2.受賞内容「MEF 3.0 PoC Innovation Award」

 最も革新的な技術やサービスを実証したPoCに贈られる賞です。NTT Comがパートナーと共同発表した「E2E SLICING FOR EXTREME  SERVICES」において、複数のネットワークを跨いだネットワークスライス(※6)の相互接続と各ネットワークのコントローラー間連携による自動制御が評価されました。

 

<発表内容>

 製造業などにおける自動走行型ロボットの遠隔制御、エッジコンピューティングでの映像AI解析や次世代データセンタ間通信などを見据え、通信に必要な大容量・低遅延性の担保を以下の3点から実証しました。

 

(1)ローカル5Gネットワークとワイドエリアネットワークなど異なるネットワーク技術で管理されたさまざまな種別の通信形態を接続・監視する機能を用いる事で、エンド・ツー・エンドのネットワークスライスを実現しました。

(2)NTT情報ネットワーク総合研究所のネットワークスライスの制御・管理技術を活用し、お客さまの事業において重要な用途においても柔軟なネットワークを提供することが可能としました。  

(3)MEF仕様(※7)を用いることにより、事業者を跨る環境においてもエンド・ツー・エンドのネットワークスライスを実現しました。

                                                                                                     

・パートナー:日本電信電話株式会社、一般社団法人沖縄オープンラボラトリ

 

3.今後の展開

エッジコンピューティングとローカル5G、ネットワークスライス技術の分野では、オープンソース開発プロジェクトや標準化団体が技術進歩に向けて活動しています。今後もNTT Comは MEFなどへの参画を通じて、ネットワーク技術の発展に貢献していきます。


NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect XTM」にもとづき、生活者・ビジネス・社会を、安心・安全かつ柔軟に「新たな価値でつなぎなおす」ICTサービス・ソリューションを提供し、ニューノーマルの世界におけるサステイナブルな未来の実現に貢献していきます。

https://www.ntt.com/about-us/re-connectx.html


(※1):2019年に「MEF3.0 SD-WAN Implementation 2019」および、「Network  Slicing Implementation 2019」を受賞しました。

「ネットワーク技術の標準化団体MEF主催「MEF 3.0 Proof of Concept Awards」において2部門を受賞」(2019年11月)

https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2018/1120.html

(※2):  PoCは、Proof of  Conceptの略で、「概念実証」という意味です。事業化、サービス化に向けた新しい概念や理論、原理、アイデアの実証を目的に行う試作開発の検証やデモンストレーションを指します。

(※3):エッジコンピューティングは、エッジ処理とも呼ばれ、「端末の近くにサーバを分散配置する」ネットワーク技法のひとつです。ユーザや端末の近くでデータ処理することで、上位システムへの負荷や通信遅延を解消します。

(※4):SD-WANは、ネットワークをソフトウェアで制御する「SDN」技術をWANに適用し、通信内容に応じて、MPLSなどの閉域ネットワークとインターネットを自動的に振り分けて使うなど、柔軟なネットワーク利用を実現するサービスです。

(※5):プロビジョニングとは、必要に応じてネットワークやコンピューティング資源の割り当てや設定などを行い、利用や運用が可能な状態にすることです。

(※6):ネットワークスライスは、アプリケーションの用途に合わせ、ネットワークを低遅延や広帯域、高信頼などの特性に応じて仮想的に分割する技術です。

(※7):MEFにて策定されたオーケストレーター間およびオーケストレーターとSDNコントローラー間の制御仕様です。

     

(※)記載されている会社名、製品名やサービス名は各社の登録商標または商標です。

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