「やる気がない人」を変えるのは間違い? 部下のモチベーションを上げる前に知っておきたい「心のブロック」の正体

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    2026年11月4日 14:00

    「もっとやる気を出してほしい」――そう思ったとき、まず考えるべきこと

    「部下が指示されたことしかやらない」
    「何を言っても自主的に動いてくれない」
    「もっと仕事に対するモチベーションを上げてほしい」

    経営者や管理職、あるいは子育て中の親であれば、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

    では、「やる気のない人」にやる気を出してもらうためには、どうすればいいのでしょうか?

    株式会社脳レボ代表の川谷潤太は、こう問いかけます。

    「そもそも、その人には本当に"やる気がない"のでしょうか?」

    実は、人を動かすために必要なのは、「やる気を与えること」ではないのかもしれません。

    大切なのは、その人の"やる気を落としている原因"を探すこと。

    川谷が企業研修や講演の現場で伝えている「モチベーション」の本質について、解説します。

    「やる気を出させるには?」という相談に、最初に聞いたこと

    先日、川谷のLINEメルマガに、こんな相談が寄せられました。

    「やる気を出させるにはどうすれば良いのですか?」

    これに対して川谷が最初に返したのは、意外な質問でした。

    「その相手は子どもですか? それとも大人ですか?」

    なぜなら、子どもと大人では、「やる気」に対するアプローチが根本的に違うからです。

    子どもは「やる気がない」のではなく、「興味がない」だけかもしれない

    例えば、子どもに「勉強しなさい」と言っても、なかなか机に向かわないことがあります。

    しかし、好きなゲームやスポーツ、興味のある遊びとなると、驚くほど集中して取り組む。

    つまり、

    「やる気がない」のではなく、「興味のあることにしか、やる気が向いていない」

    とも考えられます。

    そう考えると、子どもに対して「どうしてやる気がないの?」と責める前に、

    「なぜ興味を持てなくなったのだろう?」

    と考える必要があります。

    では、大人の場合はどうでしょうか。

    「自分は精一杯やっているのに、評価されない」の本当の意味

    今回相談を寄せた方が「やる気を出してほしい」と考えていた相手は、50代の男性でした。

    その男性は、

    「言えばそれなりには動いてくれるが、自主性がない」

    「自分は精一杯やっているのに、評価されない」

    といった不満を口にしていたそうです。

    ここで、その言葉をそのまま受け取って、

    「じゃあ、もっと評価してあげよう」

    「もっと褒めてあげよう」

    と考えるだけでは、本当の問題は解決しないかもしれません。

    なぜなら、その言葉は表面に出ている"結果"であって、本当の原因とは限らないからです。

    「評価されたい」の裏側に、別の問題が隠れている?

    例えば、その人が抱えている「心の抵抗=メンタルブロック」の原因は、職場の人間関係かもしれません。

    家族の悩みや将来への不安かもしれません。

    仕事そのものに対する違和感かもしれません。

    あるいは、本人自身も気づいていない何らかの悩みが、心の中に引っかかっている可能性もあります。

    だからこそ重要なのは、

    「やる気を出してください」と働きかけることではなく、「なぜ、やる気が出なくなっているのか?」を一緒に探すこと。

    対話を重ね、相手の言葉だけでなく、表情や仕草なども含めて相手を理解する。

    そして、その人が抱えているものを認めたうえで、少し先の未来にある「やりたいこと」や「こうなりたい」という目標を引き出していく。

    そうすることで、表面的な行動や発言が変わっていくことがあります。

    「やる気を上げる」のではなく「やる気を落とす原因」を探す

    川谷が伝えるモチベーションの考え方は、とてもシンプルです。

    人はそもそも「やる気」を持っている。

    だからこそ、

    「どうすれば、やる気を上げられるか?」

    と考えるのではなく、

    「何が、その人のやる気を落としているのか?」

    を考える。

    そして、その原因を一緒に解決するよう導いていく。

    心の中にあるメンタルブロックが外れると、楽しいことや未来への希望が生まれ、自然とエネルギーが湧いてくることがあります。

    つまり、「やる気を与える」のではなく、その人が本来持っている力を発揮できる状態をつくることが重要なのです。

    「やる気がない人」を変えようとしていませんか?

    人材育成の現場では、「もっと主体性を持ってほしい」「もっと積極的になってほしい」と、相手の行動を変えようとすることがあります。

    しかし、行動だけを変えようとしても、根本的な原因が残ったままでは、一時的な変化に終わってしまう可能性があります。

    必要なのは、

    「なぜ、この人は今こういう状態なのか?」

    という視点です。

    表面的な言葉や態度だけを見て、「この人はやる気がない」と決めつけてしまうと、本当に必要なサポートを見失ってしまうかもしれません。

    人を育てるとは、人を無理に変えることではない。

    その人自身が前を向けるように、心の中にある障壁を一緒に見つけていくことなのかもしれません。

    日本の「やる気」が、これからの社会を変える?

    川谷が講演でモチベーションについて話した際、主催企業の社長から、こんな話を聞いたといいます。

    「ドイツの学者から聞いた話なのですが、ドイツは同じ産業で日本よりも遥かに発展している。しかし、ハード面では日本とほとんど差がない。決定的な違いは"やる気"なのではないか」

    もちろん、国や産業の発展を「やる気」だけで説明することはできません。

    しかし、人が持っている能力を十分に発揮できているのかという視点は、これからの人材育成を考えるうえで重要なテーマではないでしょうか。

    少子高齢化や人材不足が進む中、「人をどう確保するか」だけではなく、

    「一人ひとりが持っている力を、どう引き出すか」

    が、企業にとってますます重要になっています。

    経営者や管理職が「やる気のない部下をどう変えるか」と考える前に、

    「この人のやる気を落としているものは何だろう?」

    と視点を変えてみる。

    それだけでも、人材育成や組織づくりのあり方は大きく変わるかもしれません。

    子どもも、大人も、本来は「やる気」を持っている。

    だからこそ、必要なのは「やる気を与えること」ではなく、その人が再び前を向ける環境をつくること。

    株式会社脳レボでは、脳科学・心理学などの知見をベースに、企業研修や講演などを通じて、人材育成や組織活性化に関する情報を発信しています。

    川谷潤太が掲げるのは、

    「明るく、元気に、楽しく、笑顔で!」

    一人ひとりが本来持っている力を引き出すことが、これからの「人を育てる」時代の大きな鍵になるのかもしれません。



    監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)

    株式会社脳レボ 代表取締役
    https://nourevo.co.jp/

    大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。

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