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    會澤高圧コンクリート株式会社

    會澤高圧コンクリート、加カーボンキュア社と提携  CO2除去技術を国内プラントに初実装!

    ~コンクリートの脱炭素化を加速~

    企業動向
    2021年3月8日 09:30

    會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市、社長:會澤 祥弘)は、カナダのカーボンキュア・テクノロジーズとライセンス契約を締結し、本年4月より、同社が開発したコンクリート産業向けの二酸化炭素リサイクル技術を国内で初めて実装します。


    産業界から排出されるCO2を液化し、これを生コンクリートの製造時に注入してCO2をコンクリート中に永久的に固定化することで、コンクリートの実質的なCO2発生量を削減します。同時に、生コン内に封じ込められたCO2がナノレベルの鉱物を生成するため、硬化後のコンクリート強度をおよそ10%高める効果もあります。CO2の封じ込めとセメント使用量の戦略的な削減を同時に達成できる脱炭素化の技術として、普及を進めてまいります。


    カーボンキュアは、2007年にRob Niven(ロブ・ニーブン)らが設立したカナダのブリティッシュコロンビア州に本部を置く環境テクノロジー企業。セメントの生産過程で大量に発生するCO2をコンクリートに再注入し、より高強度なコンクリートを生産する技術開発を進めてきました。ビル・ゲイツ氏ら世界の富豪33人が共同で設立したファンド「ブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズ」(BEV)や、アマゾン・ドットコム系の環境ファンドが投資しているほか、1月28日には三菱商事が同社に投資することを明らかにしました。


    当社は、カーボンキュア社と2020年7月にライセンス契約を締結し、札幌菊水工場(札幌市)の生コンプラントと、鵡川工場(むかわ町)の二次製品プラントへの技術導入計画を共同で策定して参りました。さらに産業ガス大手のエア・ウォーター(大阪市)などとCO2の供給体制の構築で提携し、本年4月末を目途に同技術を使った低炭素コンクリートの供給を開始します。


    エア・ウォーターなどのCO2サプライヤーは、化学工場などから採取したCO2を純粋液化し、ローリー車で生コンプラントに設置された専用タンクまで配送します。カーボンキュア社は、専用タンクからCO2を取り込んで最適な添加量をプラントのミキサー内部に直接注入する装置を当社に供与します。


    プラントでセメント、骨材、水などが計量され、ミキサーに投入された直後、ミキサー内部に直接注入されたCO2は空気に触れた瞬間に「CO2スノー」と呼ばれる粒子となって水に溶け込んで炭酸水となり、セメントの水和物のひとつである水酸化カルシウムと結合して、400ナノメートルの炭酸カルシウム結晶を形成します。この注入したCO2の「鉱物化」により、硬化後のコンクリートの圧縮強度はおよそ10%増加します。


    注:Ca(OH)2+CO2=CaCO3+H2O

      水酸化カルシウム+二酸化炭素=炭酸カルシウム+水


    CarbonCureコンクリートとは


    通常のコンクリートより圧縮強度が大幅に増すため、セメント使用量を戦略的に減らしても要求される強度を満たすことができます。セメント使用量の適切な削減による配合修正で生産コストを低減させながら、低炭素型の、環境にやさしいコンクリートを供給することが可能となるわけです。


    当社では、CO2の適切な添加量の把握や、強度の増進の傾向などを詳細に分析しながら、カーボンキュアを使った新たな配合設計やマーケティング手法などのビジネスプランを確立して行く考えです。


    脱炭素への対応が企業の競争力に直結する時代になりつつあり、シカゴの「Ozinga」やサンフランシスコの「Central」など当社と技術交流のある北米の大手生コン会社を中心に、すでに300を超える工場がカーボンキュアを採用しています。脱炭素の対応を急ぐ米国の自治体や空港運営会社等でも低炭素化コンクリートを指定する動きが広がっており、わが国でも同様の動きが今後加速するものとみられます。


    なお、当社の會澤 祥弘社長は、低炭素化技術の国内実装について、以下のコメントを発表しました。


    「セメント由来のCO2発生量は全体の8%内外を占める。セメント使用量をいかに戦略的に減らしていくかが脱炭素化のカギであり、セメント生産時の石灰石の焼成過程で排出したCO2をナノ炭酸カルシウム(CaCO3)に変換するカーボンキュアの技術は、石灰石焼成のリバース工程を実施するのと同じであり、大変ユニークだ」


    「コンクリートを自己治癒タイプに切り替え、需要そのものを戦略的に削減することが長期的には最重要課題だが、CO2をコンクリート内部に封じ込める再固定化技術の普及を同時に急がなければ、2050年の実質カーボンニュートラル化は覚束ないだろう。三菱商事がカーボンキュアに資本参加を決めたことは、日本での展開を加速させる起爆剤となる。連携して技術の普及にあたりたい」

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