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名古屋市立大学の共同研究にて開発  「スイスイおえかき」シリーズのペンが 人間工学に基づきお子さまが書きやすい形にリニューアル  8月8日(土)発売以降の新製品より同封開始

名古屋市立大学大学院芸術工学研究科 横山 清子教授(情報環境デザイン領域)とパイロットインキ株式会社(本社:愛知県名古屋市昭和区)との共同研究の成果である、「スイスイおえかき」に付属するペンが、8月8日(土)発売の新製品以降に置き換わって発売されることになりましたのでご案内します。


リニューアルした専用ペン

発売当初より同封・販売されていた専用ペン



◆「スイスイおえかき」のペンのリニューアルの経緯

水で自由に描くことができ、乾くと消える「スイスイおえかき」は、今年で発売20年を迎えたパイロットインキのベストセラーシリーズです。シリーズ累計で国内では600万個、アメリカやイギリスなどをはじめとした、世界50カ国で累計3,000万個を販売されています。

「スイスイおえかき」で遊ぶのに欠かせないペンは、発売当初より国内版ではサインペン形状のものを、海外版では主に全体に大きく三角形状のものが専用ペンとして同封・販売されていました。


製品の発売20周年を迎えるにあたり、以前より課題として検討されていた、“よりお子さまがお絵かきを楽しめるペンの形状へのリニューアル”について、乳幼児用の筆記用具形状に関する共同研究を行いました。

今回の研究では、まず従来の国内版のペンと海外版のペンの2本を用いて、1歳~3歳の乳幼児21名を対象に予備実験を実施。ペンの持ち方や持つ位置などについての観察を行い、ペンの形状について改善すべき点の確認を行いました。その後、予備実験の結果を踏まえ、新しいペンの形を大まかに2つ、そこに溝の数1本、3本と違いをつけた合計4つのペンを用意、国内版の従来品を合わせた5つのペンにて本試験を実施。本試験では1歳~3歳の乳幼児18名を対象者に、予備試験と同様にペンを使ってスイスイおえかきのシートに〇や□を書いてもらいながらペンの持ち方や位置などについて観察するだけでなく、どのペンが好きかを尋ねました。


以上の実験を行った結果、対象者から選ばれる割合が高く、正しい持ち位置に導くことができ、ペンを正しい持ち方で握る割合がたかかった、流線形状で溝が1つのペンが乳幼児用の筆記用形状として最も好ましいという結論となり、「スイスイおえかき」のペンのリニューアル形状として選ばれました。



「国際人間工学連合(IEA)による人間工学の定義」

人間工学とは、システムにおける人間と他の要素とのインタラクションを理解するための科学的学問であり、人間の安寧とシステムの総合的性能との最適化を図るため、理論・原則・データ・設計方法を有効活用する独立した専門領域である

【引用】一般社団法人日本人間工学会「人間工学とは」

https://www.ergonomics.jp/outline.html



◆実験の詳細

【予備実験】

■実施日 :

2019年5月29日


■対象者 :

2歳児クラス(1-2歳)10名、3歳児クラス(2-3歳)11名 


■実験方法:

現在販売されているサインペン形状のものと、海外で販売されている全体に大きく三角形状2つのペンで年齢別の課題に取り組む。


■評価方法:

課題がしっかりとこなせているか、ペンの握り方、ペンの持つ位置、ペンで描く時に姿勢についてそれぞれ評価を行った。


国内版のペン形状

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海外版のペン形状

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2歳児クラスの課題

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3歳児クラスの課題

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■実験結果:

国内版のペンでは直角の描画に向き、正座で描く傾向があり、ペン持ちかその持ち方に近しい持ち方の割合が高いが、ペン先を傾けて持ち掠れて描画したケースが多く発生した。

外版のペンでは、曲線の描画に向いていると考えられ、崩れた姿勢で描く傾向があり、ペンの中央から先端の位置で持つ割合が高いが、持ち直しをするケースが発生した。

つまり、どちらのペン形状にも乳幼児用の筆記具に適するところと、改善が必要なところが存在するということが、明確化されたと考える。



【本実験】

■実施日 :

2019年11月15日


■対象者 :

2歳児クラス(1-2歳)8名、3歳児クラス(2-3歳)10名


■実験方法:

予備実験の結果を基に作られた試作ペン4種類と発売中の国内版のペン5種類を使用して予備試験と同じ課題に取り組む。


■評価方法:

課題がしっかりとこなせているか、ペンの握り方、ペンの持つ位置、ペンで描く時に姿勢についてそれぞれ評価を行い、実験参加者に「どのペンが好きか」と尋ねる形をとった。


■試作ペン:

大まかなペンの形状は流線形と円錐形。それぞれ、溝の数を1つのものと、3つのものを制作。


左から A、B、C、Dとする

https://www.atpress.ne.jp/releases/221051/img_221051_7.jpg


<好きなペン>

課題をこなした実験対象者に、流線形、円錐形、従来品のどれが好きかを尋ねた。

その結果、流線形を選択した人数が10名(18名中)で最も多かった。


好きなペン結果

https://www.atpress.ne.jp/releases/221051/img_221051_8.jpg


<ペンを持つ位置>

課題をこなす際のペンの持ち位置を、従来品、流線形、円錐形で比較。

ペンの持つ正しい位置近い中央より下となる割合は流線形が最も高いことが分かる。


ペンを持つ位置_流線形

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ペンをもつ位置_円錐形

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ペンをもつ位置_従来品

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■実験結果:

「どのペンが好きか」の質問で18名中10名が流線形を選択しており、円錐形の6名、従来品である円筒形2名と比較して選ばれる割合が高かった(図1)。また、持つ位置を比較すると持ち方の正しい位置となる中央より下を選択している割合は流線形が39%、円錐形が22%、従来品が11%となり、正しい持ち位置に導くという観点で、流線形状に理想的なペン形状の要素が多く含まれていると考えられる。

上記に加えて、ペン持ちの割合が多く、くぼみで指を支えることができるため持つ位置を固定しやすく安定してもつことができるため、流線形(AとB)や溝1(A、C)の形状が好ましい形状に近いと考えられる。総合的に判断し、書字の導入効果の望める知育玩具の筆記具形状に検証した5種類のペンの中で最も好ましい形状のペンはA(流線形で溝が1つの形状)と言える。



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