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    「2020年2月~6月における倒産企業分析」調査結果発表  倒産企業増加!取引先の危機を察知する方法とは?!

    調査・報告
    2020年7月14日 11:00

    与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本太一、以下リスモン)は、「2020年2月~6月における倒産企業分析」調査結果を発表いたしました。



    [調査結果]

    (1)宿泊業の倒産が大幅に増加

    2020年2月~6月における倒産企業について業種別に集計したところ、最も倒産が多い業種は「宿泊業」(13.8%)であり、次いで「飲食店」(13.5%)、「アパレル関連業」(11.6%)、「食料品製造業」(8.0%)の順となりました。2020年4月7日の「緊急事態宣言」発出に伴い、外出自粛の影響を受けた業種や、営業自粛を余儀なくされた業種において倒産件数が多いことが結果として表れています。

    同期間における倒産企業の上位業種について、2019年度における倒産割合と比較したところ、「宿泊業」では20倍以上の大幅増加となり、「飲食店」や「アパレル関連業」においても2倍近い増加となっていることから、緊急事態宣言に伴う消費減退の影響が大きい業種と読み取れます。


    図表A_業種別割合


    (2)急速に事業活動が行えなくなる現象多発!

    通常、企業の財務分析においては、決算書を基に過去の業績や財政状態を分析し、業績見通しや資金繰りの安定性を評価しますが、2020年2月~6月における倒産企業においては、営業自粛や消費の急激な低下によって事業活動が正常に行えない状態となり倒産に至ることが多く見受けられるため、通常の財務分析では倒産を予見できない可能性が高まっています。昨今の企業倒産を見抜くための指標として、以下の指標に着目しました。いずれも資金繰りや企業の財務体力を計る指標であり、事業が正常に稼働できなくなった時にどの程度支払いを続ける力があるのかを計るのに有効な指標と考えられます。



    ■現預金月商比

    企業は資金繰りが行き詰まらないように、一定の現金や普通預金を手元資金として保有しておく必要があります。月商に対する現金や預金の保有割合を「現預金月商比」といい、短期的な安全性を図る指標として、一般的には1か月以上あることが望ましい水準といえます。

    現預金月商比においては、2020年2月~6月における倒産企業、2019年度倒産企業ともに約7割が「1か月未満」の水準にあったことが明らかとなりました。同期間の倒産企業と2019年度倒産企業との間に大きな差がなく、昨今の経済情勢下においては現金保有が事業維持に大きく関わることも踏まえれば、従来の見方と同様に倒産判別に有効な指標と捉えることができるでしょう。


    図表B_現預金月商比別



    ■売上高規模

    2019年度倒産企業においては、9割近くが売上高規模「5億円未満」の企業での倒産となっており、小規模企業における倒産にきわめて集中していましたが、2020年2月~6月における倒産企業においては、「5億円未満」の割合は約6割に低減しており、その一方で、「10億円以上20億円未満」の割合が2倍近く、「20億円以上」の割合が約5倍と、規模の大きい企業における倒産が増加している傾向がうかがえます。昨今の経済情勢下においては、急激な稼働低下を強いられる企業が多数生じており、かかる状況においては、規模が大きい企業ほど資金負担も大きくなるため、平常時よりも規模の大きな企業での倒産が発生しやすくなっているものと考えられます。


    図表C_売上高規模別


    [総評]

    業種別の分析結果においては、緊急事態宣言中の外出自粛の結果、観光客減少によって需要が急激に低下した「宿泊業」が最も倒産が多く、次いで「飲食店」、「アパレル関連業」(アパレル製品製造・卸売・小売)の順となりました。

    緊急事態宣言は解除されたものの、その影響は続いており、今後もこれらに関連する倒産は増加する可能性が高いことから、取引を安全に行うために、取引条件の見直しや与信管理ルールの構築によるリスク管理を強化することが必要です。

    企業活動における影響が本格化したのが2020年3月以降である点を考慮すると、現在開示されている決算情報の多くにおいて、それらの影響が反映されていないために、平常時と同様の決算分析では、不十分であると考えます。また、昨今の経済情勢下においては、業績が急激に悪化して倒産するケースが多いため、信用不安情報の入手も間に合わないことも想定されます。

    では、どのように取引先の危機を察知すればよいのでしょうか。

    今回、過去の決算情報から現在の危険な状況をあぶり出すことを目的に、資金繰りの観点、事業実績による財務体力の観点から財務分析を行ったことで、事業規模等の面では、今までは倒産に至りにくかった企業においても倒産しやすい状況にあり、現金保有の面では、従来と同様に重要度が高いことが確認できました。また、詳細な決算情報を保有していない場合においても、過去の利益水準から現在の内部留保度合いを推測することで財務体力を計ることができる点も、今後の企業倒産の予見に有効と考えられます。

    リスモンでは、今回得られた結果をリスモン独自指標のRM格付の判断基準に盛り込むことで、昨今の経済情勢下における倒産に対する判別精度の向上を図っています。現在進行中である未曽有の状況を乗り切るためのリスク管理強化の材料として本調査結果をお役立てください。


    ※ 本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。

    https://www.riskmonster.co.jp/study/mailmagazine/?y=2020



    [実施概要]

    調査名称  : 「新型コロナウイルス関連倒産」調査

    調査方法  : 当社独自手法による倒産企業分析

    調査対象企業: 2020年2月1日~6月23日の期間で当社が独自に集計した倒産企業

            275社



    ■リスモン調べとは

    リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。

    掲載サイトはこちら https://www.riskmonster.co.jp/study/research/



    ■リスモンの概要(東京証券取引所第二部上場 証券コード:3768)

    2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要にサービス分野を拡大し、各事業部門・子会社(与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービス)ごとに取り扱うサービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

    リスモングループ法人会員数は、2020年3月末時点で13,002(内、与信管理サービス等6,527、ビジネスポータルサイト等3,228、その他3,247)となっております。

    ホームページ: https://www.riskmonster.co.jp/

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