ワクチンの日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「ワクチンの日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Vaccine Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、ワクチンの日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のワクチン市場は、2025年時点で44.9億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)8.3%で拡大し、2035年には99.7億米ドルに達すると予測されている。市場成長の主因は、新しいワクチン技術の導入、政府による開発・接種支援、強固な医療インフラ、高齢化に伴う予防医療需要の増加、そして新規ワクチンの承認拡大である。
市場では特にmRNA系技術への注目が高い。2024年には、Arcturus TherapeuticsとCSLが共同開発した自己増幅型mRNA(sa-mRNA)COVID-19ワクチンARCT-154/Kostaiveが日本で承認・導入され、新しいワクチンプラットフォームとして注目された。レポートでは、こうしたsa-mRNA技術が製造拡張性や新たな変異株への対応力を持つ点を成長要因として挙げている。
2024年9月には、CSLとArcturus Therapeuticsのsa-mRNA COVID-19ワクチンKostaiveがJN.1系統への対応目的で承認されたとされる。新興感染症や変異株への迅速なアップデートが可能な技術が普及することで、従来型ワクチンとは異なる継続的な市場需要が形成される可能性がある。
mRNAワクチンは、従来型ワクチンに比べて設計変更を迅速に行いやすく、新たな病原体や変異株への対応力が高いことが強みである。そのため、COVID-19だけでなく、将来的なパンデミック対策や個別化医療との組み合わせでも重要な技術になるとみられている。
ワクチン供給能力の拡大も重要なテーマである。2024年2月にはTakedaがBiological E. Limitedと提携し、デング熱ワクチンQdengaの生産能力拡大を進め、2030年までに年間1億回分の供給を目指す計画が示された。これは、日本企業が国内市場だけでなくグローバルな予防接種需要に対応しようとしていることを示している。
Qdengaについては、2024年5月にWHOが承認したとレポートでは説明しており、デング熱流行地域での公衆衛生プログラムへの採用可能性が高まったとしている。こうした国際的な承認や推奨は、日本企業のワクチン事業拡大にもつながる。
日本の高齢化も市場成長を支える。高齢者では、インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹、RSVなど感染症による重症化リスクが高いため、成人・高齢者向けワクチンの重要性が増している。市場は小児予防接種だけではなく、生涯を通じた成人予防接種市場へ広がりつつある。
その代表例がRSVワクチンである。GSKは2023年9月、日本の厚生労働省からArexvyの承認を取得し、60歳以上の成人を対象とするRSVワクチンとして展開した。高齢化が進む日本では、従来十分なワクチン選択肢がなかった高齢者向け感染症への新製品導入が、市場拡大の重要な要因になる。
製品タイプ別では、多価ワクチンと単価ワクチンに分類される。多価ワクチンは複数の抗原や型を一つの製剤でカバーできるため、接種回数の削減や幅広い感染症予防に適している。一方、単価ワクチンは特定の病原体や型に対して標的を絞った設計となる。
ワクチン技術別では、サブユニット、不活化、生ワクチン、mRNA、ウイルスベクターなどに分類される。サブユニットには組換え、結合型、トキソイドなどが含まれ、それぞれ抗原設計や免疫誘導の仕組みが異なる。
このうちmRNAワクチンが大きなシェアを占めると予測されている。COVID-19パンデミックで商業化が進み、迅速な開発、高い適応性、変異株対応の容易さが認識されたことに加え、研究開発投資や規制当局の支援が続いていることが背景にある。
投与経路別では、経口、非経口、経鼻に分類される。注射による非経口投与が多くのワクチンで中心となる一方、経鼻や経口ワクチンは投与の簡便性という利点があり、特定感染症や将来の製品開発では重要な選択肢となる。
疾患別では、ウイルス疾患、細菌感染症、がんワクチン、アレルギーワクチンに分類される。ウイルス疾患には肝炎、インフルエンザ、HPV、MMR、ロタウイルス、帯状疱疹、COVID-19などが含まれる。
細菌感染症では、髄膜炎菌、肺炎球菌、DPTなどが主要カテゴリーである。特に肺炎球菌は高齢者で重症化リスクが高いため、高齢化が進む日本では継続的な需要が見込まれる。
HPVワクチンも重要な分野である。MerckはGARDASIL 9を通じてHPV関連がんの予防に取り組んでおり、2024年9月には日本人男性を対象としたPhase 3試験で良好な結果を報告したとされる。男性への接種対象拡大が進めば、HPVワクチン市場の裾野がさらに広がる可能性がある。
インフルエンザとCOVID-19を組み合わせたコンビネーションワクチンも将来の成長テーマである。2024年5月にはSanofiがNovavaxと共同で、COVID-19ワクチンの商業化とインフルエンザ・COVID-19混合ワクチンの開発に関する契約を結んだとされる。複数の呼吸器感染症を一度に予防できれば、接種負担の軽減と接種率向上につながる可能性がある。
年齢別では、小児と成人に分かれる。従来のワクチン市場では小児定期接種が中心だったが、日本では高齢化と成人向けワクチンの拡大により、成人カテゴリーの重要性が急速に高まっている。
成人向けでは、インフルエンザ、COVID-19、帯状疱疹、RSV、肺炎球菌、HPVなど複数の市場が存在する。今後は基礎疾患や年齢に応じて複数ワクチンを組み合わせる予防戦略が一般化し、成人ワクチンの一人当たり接種機会が増える可能性がある。
エンドユーザー・流通別では、病院薬局、小売薬局、政府供給機関、その他に分類される。ワクチンは一般の医薬品と異なり、国や自治体が関与する定期接種・公費接種が大きいため、政府調達や医療機関を通じた供給が重要である。
一方、接種アクセスを広げるには、物流・保管体制も重要である。ワクチンは温度管理が必要な製品が多く、製造だけでなくコールドチェーン、在庫管理、接種会場への配送まで一体的に整備する必要がある。
地域別では、東京を含む東日本が高度な医療インフラと高い接種認知度を背景に大きな市場を形成しているとされる。北日本でも、政府施策や医療投資を背景に需要が増加している。
競争環境では、GSK、Merck、Sanofi、Pfizerが主要企業として挙げられ、このほかCSL Behring、AstraZeneca、Johnson & Johnsonなどが参入している。
GSKはArexvyをはじめ、高齢者向けワクチンで存在感を強めている。日本の人口構造を考えると、RSVや帯状疱疹など高齢者で疾病負担が大きい領域は今後も重要な成長分野になる。
MerckはGARDASIL 9を中心にHPV関連がん予防で強みを持ち、対象年齢や性別の拡大によって市場機会を広げている。
Sanofiは従来からワクチン事業に強く、Novavaxとの協業を通じてCOVID-19およびコンビネーションワクチンの開発・商業化を強化している。
PfizerはBioNTechと共同開発したCOMIRNATYを日本へ供給し、2023年秋の特別接種プログラムではOmicron XBB.1.5対応ワクチンが利用された。mRNAワクチン分野での実績と供給体制が同社の大きな競争力になっている。
総合すると、日本のワクチン市場は2025年の44.9億米ドルから2035年には99.7億米ドルへ約2.2倍に拡大し、CAGR8.3%の高成長が見込まれる。市場の成長は、従来の小児定期接種だけでなく、高齢者向けワクチン、新興感染症、mRNA・sa-mRNA、成人HPV、呼吸器感染症向け製品などが牽引する構造に変わりつつある。
2035年に向けた主要テーマは、「mRNA・sa-mRNA」「高齢者向けワクチン」「RSV」「HPV」「デング熱」「COVID-19変異株対応」「コンビネーションワクチン」「政府支援」「生産能力拡大」「接種アクセス改善」に集約できる。日本のワクチン市場は、感染症流行時に対応する市場から、年齢・疾患リスクに応じて生涯を通じて予防する継続的な予防医療市場へ発展していくと考えられる。
※目次構成
序文
1.1 調査目的
1.2 主要前提条件
1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
1.4 調査方法エグゼクティブサマリー
ワクチン市場概要
3.1 アジア太平洋地域のワクチン市場概要
3.1.1 アジア太平洋地域のワクチン市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.1.2 アジア太平洋地域のワクチン市場予測(2026~2035年)
3.2 日本のワクチン市場概要
3.2.1 日本のワクチン市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.2.2 日本のワクチン市場予測(2026~2035年)
ベンダーポジショニング分析
4.1 主要ベンダー
4.2 将来有望なリーダー企業
4.3 ニッチ市場のリーダー企業
4.4 ディスラプター/市場変革企業日本のワクチン市場ランドスケープ*
5.1 日本のワクチン市場:開発企業ランドスケープ
5.1.1 設立年別分析
5.1.2 企業規模別分析
5.1.3 地域別分析
5.2 日本のワクチン市場:製品ランドスケープ
5.2.1 製品タイプ別分析
5.2.2 タイプ別分析
5.2.3 投与経路別分析
5.2.4 疾患適応別分析
5.2.5 年齢別分析
- 日本のワクチン市場ダイナミクス
6.1 市場促進要因および制約要因
6.2 SWOT分析
6.2.1 強み
6.2.2 弱み
6.2.3 機会
6.2.4 脅威
6.3 PESTEL分析
6.3.1 政治的要因
6.3.2 経済的要因
6.3.3 社会的要因
6.3.4 技術的要因
6.3.5 法的要因
6.3.6 環境要因
6.4 ポーターの5フォース分析
6.4.1 サプライヤーの交渉力
6.4.2 買い手の交渉力
6.4.3 新規参入の脅威
6.4.4 代替品の脅威
6.4.5 競争の激しさ
6.5 主要需要指標
6.6 主要価格指標
6.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
6.8 バリューチェーン分析
- 日本のワクチン市場セグメンテーション(2019~2035年)
7.1 製品タイプ別・日本のワクチン市場(2019~2035年)
7.1.1 市場概要
7.1.2 多価ワクチン
7.1.3 単価ワクチン
7.2 タイプ別・日本のワクチン市場(2019~2035年)
7.2.1 市場概要
7.2.2 サブユニットワクチン
7.2.2.1 組換えワクチン
7.2.2.2 結合型ワクチン
7.2.2.3 トキソイドワクチン
7.2.3 不活化ワクチン
7.2.4 弱毒生ワクチン
7.2.5 mRNAワクチン
7.2.6 ウイルスベクターワクチン
7.3 投与経路別・日本のワクチン市場(2019~2035年)
7.3.1 市場概要
7.3.2 経口投与
7.3.3 非経口投与
7.3.4 経鼻投与
7.4 疾患適応別・日本のワクチン市場(2019~2035年)
7.4.1 市場概要
7.4.2 ウイルス性疾患
7.4.2.1 肝炎
7.4.2.2 インフルエンザ
7.4.2.3 HPV(ヒトパピローマウイルス)
7.4.2.4 MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹)
7.4.2.5 ロタウイルス
7.4.2.6 帯状疱疹
7.4.2.7 COVID-19
7.4.2.8 その他
7.4.3 細菌ワクチン
7.4.3.1 髄膜炎菌感染症
7.4.3.2 肺炎球菌感染症
7.4.3.3 DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)
7.4.3.4 その他
7.4.4 がんワクチン
7.4.5 アレルギーワクチン
7.5 年齢別・日本のワクチン市場(2019~2035年)
7.5.1 市場概要
7.5.2 小児
7.5.3 成人
7.6 エンドユーザー別・日本のワクチン市場(2019~2035年)
7.6.1 市場概要
7.6.2 病院薬局
7.6.3 小売薬局
7.6.4 政府系供給機関
7.6.5 その他
規制枠組み
特許分析
9.1 特許の薬剤タイプ別分析
9.2 公開年別分析
9.3 特許発行機関別分析
9.4 特許年齢別分析
9.5 CPCコード別分析
9.6 特許価値評価別分析
9.7 主要企業別分析臨床試験分析
10.1 試験登録年別分析
10.2 試験ステータス別分析
10.3 試験フェーズ別分析
10.4 治療領域別分析
10.5 地域別分析資金調達・投資分析
11.1 資金調達件数別分析
11.2 薬剤クラス別・資金調達分析
11.3 資金調達額別分析
11.4 主要企業別分析
11.5 主要投資家別分析
11.6 地域別分析戦略的取り組み
12.1 パートナーシップ件数別分析
12.2 薬剤クラス別・パートナーシップ分析
12.3 主要企業別分析
12.4 地域別分析サプライヤーランドスケープ
13.1 国別市場シェア分析(上位5社)
13.2 GlaxoSmithKline plc
13.2.1 財務分析
13.2.2 製品ポートフォリオ
13.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.2.4 企業ニュースおよび事業展開
13.2.5 認証
13.3 Merck & Co.
13.3.1 財務分析
13.3.2 製品ポートフォリオ
13.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.3.4 企業ニュースおよび事業展開
13.3.5 認証
13.4 Sanofi
13.4.1 財務分析
13.4.2 製品ポートフォリオ
13.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.4.4 企業ニュースおよび事業展開
13.4.5 認証
13.5 Pfizer Inc.
13.5.1 財務分析
13.5.2 製品ポートフォリオ
13.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.4 企業ニュースおよび事業展開
13.5.5 認証
13.6 CSL Behring
13.6.1 財務分析
13.6.2 製品ポートフォリオ
13.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.6.4 企業ニュースおよび事業展開
13.6.5 認証
13.7 AstraZeneca plc
13.7.1 財務分析
13.7.2 製品ポートフォリオ
13.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.7.4 企業ニュースおよび事業展開
13.7.5 認証
13.8 Johnson & Johnson Services, Inc.
13.8.1 財務分析
13.8.2 製品ポートフォリオ
13.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.8.4 企業ニュースおよび事業展開
13.8.5 認証
日本のワクチン市場 ― 流通モデル(追加分析)
14.1 概要
14.2 潜在的な販売・流通事業者
14.3 流通パートナー評価の主要項目キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)
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