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    特定非営利活動法人NEWVERY

    高校進路指導における初の実態調査「進路指導白書2017」発刊

    進路指導で非常に重視する要素に「偏差値」が約4割、 「大学中退率」は1割未満 

    サービス
    2017年12月15日 10:00

    特定非営利活動法人NEWVERY(所在地:東京都品川区、理事長:小崎 文恵、以下「NEWVERY」)は、2017年12月14日、高校における進路指導の実態を調査・検証した全国初となる白書「進路指導白書2017」を発表しました。特別支援学校を除く全国の高校、計5,067校にアンケート調査を行い、605校から回答を得て集計・分析した調査結果を掲載。またこれからの高大接続改革の参考になり得る4高校、4大学の取組事例も紹介しています。本白書は2018年3月末日までの期間限定で、NEWVERY公式サイト上にて無料で公開します。


    「進路指導白書2017」


    「進路指導白書2017」ダウンロード先URL

    https://www.newvery.jp/service/koutou/2017_careerguidancewp/



    ■調査結果の要旨

    (1)卒業生の追跡調査をしていない高校が半数以上。一方で進路情報のトレンド把握は、企業団体のセミナーに依存する傾向。

    卒業生の追跡調査を10年以内に一度も行っていない高校は約57%に上り[図1]、自校出身者の統計情報などが活用されていない現状がある。一方で、現在の進路指導に関するトレンドの把握・指導実践例の研究の情報源(注1)について、進路情報を扱う企業や団体が主催するセミナーを挙げた高校は約74%に上り、専門誌や業界紙(約57%)、教員同士の勉強会(約26%)などの項目を抑えてトップとなっている。


    [図1]

    https://www.atpress.ne.jp/releases/145628/img_145628_2.jpg


    (2)進路検討において、大学の教育力に関する情報が重視されない傾向。

    進路指導時に非常に重視する要素(注2)として、偏差値などの入学難易度(約39%)、入試方式・科目(約35%)を挙げる高校が多い一方で、大学の教育の内容と質に密接に関係する要素であるカリキュラム(約15%)、中退率(約6%)、学生と教員の比率(約5%)、アクティブラーニング型の授業実施状況(約2%)などの項目を挙げる高校は少数となっている[図2]。


    [図2]

    https://www.atpress.ne.jp/releases/145628/img_145628_3.png


    (3)オープンキャンパスへの参加を義務づける学校は3分の1超。参加を積極的に促す学校も含めると9割以上。

    生徒に対して大学や専門学校が実施するオープンキャンパスへの参加を、課題などの形で義務づけている学校は全体の3分の1(約36%)を超えている。また義務づけていないものの参加を積極的に促す学校は過半数(約58%)に上り、合計すると回答校の大多数(約94%)を占めている。一方で、オープンキャンパス参加に当たって懸念すること(注3)として、表面的な印象で進学先を判断する点(約66%)や進路検討が不十分な状態で進学を決める点(約51%)を挙げるなど、進路指導上の課題も多く指摘されている。


    (4)進路担当者における指導の優先項目と、学校における実績評価に大きな差。

    進路指導の担当者は、難易度の高い大学への進学や保護者の希望の実現よりも、生徒本人に合った進路のマッチングを重視している[図3]一方で、学校における進路指導の成果(注4)は、国公立大学への合格実績(約35%)や、入試難易度の高い大学への合格実績(約32%)、保護者からの評価(約31%)によって評価されているとする意見が上位となっている[図4]。


    [図3]

    https://www.atpress.ne.jp/releases/145628/img_145628_4.png


    [図4]

    https://www.atpress.ne.jp/releases/145628/img_145628_5.png


    (5)高校生の文理選択は、1年生の12月までに行う学校が半数以上。

    生徒の文理選択の決定時期は、1年生の12月までとする学校が半数以上(約52%)となっており、翌年3月までに決定させる学校も含めると6割近く(約62%)となっている。ただし、自治体における使用教科書の発注数確定などの事務的理由により文理選択の時期が決められているなど、学校現場を取り巻く環境への批判的な意見が多数見られる。


    (6)生徒への進学先情報の収集指導において、大学中退率を対象としない学校が約7割。

    生徒に対し、志望する進学先の情報収集を指導するケースは多い。中でも、進学先の入学難易度や就職率を情報収集の対象として指導する高校は多いが、進学先の大学中退率については、7割近くの高校で情報収集の対象となっていない[図5]。


    [図5]

    https://www.atpress.ne.jp/releases/145628/img_145628_6.png


    注1~注4:複数選択可



    ■調査概要

    調査主体:特定非営利活動法人NEWVERY

    調査手法:2016年10月1日時点での取り組み内容について、

         全27項目におよぶアンケート調査を実施。

         質問は選択式又は自由記述で構成。

    調査対象:特別支援学校を除く全国の高等学校(全日制、定時制、通信制)

         計5,067校へ、NEWVERYより質問票を郵送。

         うち605校から回答(回答率:約12%)。比率は普通科460校(76.0%)、

         専門学科169校(27.9%)、総合学科44校(7.3%)。

    調査期間:2016年10月31日~11月30日



    ■白書発行の目的

    教育現場においては、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜を通じて、学力を確実に育成・評価する高大接続改革が進展しています。その中で、多様かつ現実的・具体的な課題に直面する進路指導現場においては、客観的で全国的な情報に不足している現状があります。そこでNEWVERYでは、進路指導の目的と手段に関する情報を全国規模で調査することで、指導現場における客観的な振り返りを可能にし、効果的な指導の展開に貢献することを目指し、本白書を制作しております。



    ■白書の概要

    タイトル :「進路指導白書2017」

    執筆・編集:特定非営利活動法人NEWVERY

    発行日  :2017年12月14日

    目次   :第1章 高校と大学の間で起きている課題

          第2章 【実態調査】全国高等高校への調査結果

          第3章 調査結果から考察する、進路指導現場の課題

          第4章 今後、求められる進路指導の実現に向けて

    寄稿   :コラム 松本 美奈(読売新聞専門委員、「大学の実力」調査担当)

              福島 一政(追手門学院大学 学長代理・副学長)


    「進路指導白書2017」ダウンロード先URL:

    https://www.newvery.jp/service/koutou/2017_careerguidancewp/


    無料公開期間:2017年12月14日~2018年3月31日

    留意事項  :本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、

           出典元として「NEWVERY調べ」の旨を記載してください。

           本ファイルの複製、頒布、公衆送信は禁止としております。



    ■法人概要

    名称  : 特定非営利活動法人NEWVERY

    理事長 : 小崎 文恵

    所在地 : 東京都品川区西五反田7-13-6 五反田山崎ビル5階

    事業内容: 高校・大学・専門学校といった教育機関と連携し

          子ども・若者たちの教育支援

          中退・無業・貧困といった将来起こりうるリスクから

          子ども・若者たちを守る予防的支援

    URL   : http://www.newvery.jp

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