三井化学が医薬包装用ヒートシール材の水系化に成功 ~インド・...

三井化学が医薬包装用ヒートシール材の水系化に成功  ~インド・中国の医薬包装材料メーカーが ケミパール(R)XSPシリーズ採用へ~

三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:淡輪 敏)は、このほど、医薬ブリスター包装(*1)用高性能水系ヒートシール材「ケミパール(R)XSPシリーズ」(以下 ケミパール(R)XSP)の開発に成功いたしました。インド大手包装材料メーカーでの採用が決定したほか、中国大手包装材料メーカーにおいても採用の見込みとなっております。


ケミパールXSPを使用した医薬ブリスター包装 (1)


これまでの医薬包装用ヒートシール材には70~80%の有機溶剤が含まれ、溶剤無害化設備の導入が進んでいない新興国では、VOCs(揮発性有機化合物)由来の環境問題が顕在化しています。特にインドや中国では、多くの包装材料メーカーがVOCsを直接大気中に放出しており、PM2.5等の大気汚染の一因となっています。これに対して、無溶剤で水系であるケミパール(R)XSPを用いることで、VOCsの排出を大幅に削減することができます。製薬会社が環境に配慮したサステナブルな包装材料の使用へシフトすることで、カーボンフットプリント(*2)の削減に貢献します。

また、ケミパール(R)XSPは溶剤系と比較して低温でヒートシールできることから、充填速度を向上させ、エネルギーコストも低減するなどの特長も兼ね備えています。



三井化学は、大手包装材料メーカーであるインドのBilcare Limited(インド マハーラーシュトラ州プネー)、中国の江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司(中国 江蘇省)、日本の株式会社タケトモ(東京都新宿区)とそれぞれ連携し、各国において医薬ブリスター包装用途向けの水系ヒートシール材をコーティングしたアルミ箔の普及を目指しております。


医薬ブリスター包装市場は、2025年までに6%以上の成長が見込まれています。当社は、インド、中国をはじめ、溶剤無害化設備の導入が進んでいないアジアを中心にコンセプトを共有するお客様と拡販を目指し、環境問題の解決に貢献してまいります。



*1:医薬ブリスター包装

PVCなどのプラスチックフィルムをドーム型に熱成形したポケットに、錠剤などの被包装物を入れたもの。被包装物を取り出すときに指で押出すPTP(Press Through Package)をはじめ、種類はさまざまあるが、医薬品の錠剤の包装ではほとんどがPTP包装である。


*2:カーボンフットプリント

商品やサービスの原料調達から廃棄・リサイクルに至るまでにライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したもの。



◆Bilcare Limited

製薬業界と提携する革新的なパッケージングソリューションプロバイダーで、幅広い製品とサービスを世界100か国以上の国に提供しています。世界最大規模のグローバル製薬企業などの顧客基盤を持っています。1987年設立。



◆江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司

中国の医薬品包装業界で、最も幅広い製品群と最先端の設備を備えた医薬包装会社です。特に医薬包装業界では、中国を含むアジア太平洋地域で最大のサプライヤーです。1987年設立。



◆株式会社タケトモ

来年、創業70周年を迎える医薬品、食品、その他包装材料の印刷・加工販売会社です。エコプロダクツへの取り組みにより、お客様と社会、地球環境の負荷低減を考えたものづくりを中心として独自の特殊な技術を創造・開発すること、そしてその製品の信頼性を最大限に高めることを目指しています。1948年設立。

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