日本初、3Dプリンターで作製する義歯用材料が保険適用を取得 ~年間約18万人が総入れ歯を作製。 義歯需要とその供給課題への貢献に期待~

    企業動向
    2025年12月1日 13:30

    三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修、以下「三井化学」)は、100%子会社であるKulzer GmbH(所在地:ドイツ・ハーナウ、社長:Chris Holden)の日本法人であるクルツァージャパン株式会社が販売する3Dプリンターで作製する義歯用材料(※1)について、中央社会保険医療協議会の了承を得て、2025年12月1日付で、総義歯を対象に保険適用となったことをお知らせします。

    なお、3Dプリンターで作製する義歯用材料が保険適用となるのは、日本初の事例です。


    3Dプリンターで作製した総義歯

    3Dプリンターで作製した総義歯


    3Dプリンターによる義歯床部分の作製

    3Dプリンターによる義歯床部分の作製


    日本では高齢化が進み、75歳以上の20%以上が1本も歯がない状態(無歯顎)となっています(令和4年歯科疾患実態調査結果より算出)。また、年間約18万人が上下顎の総義歯(※2)を作製しているとされています(令和5年社会医療診療行為別統計より算出)。従来の総義歯は熟練した歯科技工士の手作業によって作製されてきましたが、歯科技工士の高齢化による定年や30代以下の若手技工士の離職により人材不足が深刻化し、総義歯の安定供給が懸念されています。


    三井化学グループではこれらの社会課題を解決すべく、2020年より歯の配列や歯肉のデザインを3Dプリンターで造形して総義歯を作製する技術を日本市場に展開してまいりました。クラウドベースのソフトウェア上で作成したデザインをもとに、専用インクを用いて総義歯の歯肉部分と歯部分を造形、接着、後重合することで総義歯を作製します。

    この技術により、従来は歯科技工士が長時間かけていた作業の短縮化が期待でき、技術に依存せず均質な品質の総義歯を安定供給できます。今回の保険適用により、歯科治療の選択肢として3Dプリンターで作製する義歯用材料の社会実装が進むことが期待されます。


    今後も三井化学グループは、3Dプリンティング技術の更なる深化と多様な材料を市場への提供を通じて、歯科治療におけるQOL向上および社会課題の解決に貢献してまいります。


    ※1特定医療保険材料名:3次元プリント有床義歯義歯床用材料および3次元プリント有床義歯歯冠部用材料

    ※2総義歯:う蝕や歯周病などの理由により歯をすべて喪失した患者に対して、人工的に歯を補うために作製されるもの。総入れ歯。



    ※本ニュースリリースは、報道関係者や株主・投資家等の皆様に当社の事業活動に関する情報を提供することを目的にしています。医療機器・医薬品等に関する情報が含まれておりますが、一般の方々への情報提供を意図したものではありません。

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    三井化学株式会社

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